ここまで糸谷八段は3勝2敗、菅井八段は2勝3敗
第79期A級順位戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の6回戦、▲菅井竜也八段-△糸谷哲郎八段戦が12月22日に行われています。共に関西所属で早見え早指しの棋士の対決。早い時間からスリリングな展開になりそうです。
糸谷八段はここまで3勝2敗。開幕戦で斎藤慎太郎八段に敗れた後、佐藤康光九段、羽生善治九段、豊島将之竜王相手に3連勝。しかし、前局で三浦弘行九段に敗れました。現在リーグ首位は4勝1敗の斎藤八段。すでに直接対決は終わっているため、挑戦の自力ではありませんが、1敗差で追走したいところです。
菅井八段は2勝3敗。A級デビュー戦となった羽生九段戦に敗れた後、豊島竜王に勝利してA級初白星を挙げます。その後斎藤八段、広瀬章人八段には敗れましたが、前局では稲葉陽八段に勝利しました。順位が9位と悪く、本局に敗れると降級圏内に陥落してしまう菅井八段。ここで勝つと負けるとでは、新年を迎える心境も180度変わることでしょう。
両者の対戦成績は糸谷八段の7勝1敗。しかしそのうち7局は2年以上も前の対局です。直近の対戦は今年6月の王座戦二次予選で、糸谷八段が制しています。
リーグ戦のためあらかじめ先後が決まっている本局。先手の菅井八段は角道を閉じた中飛車を採用しました。菅井八段は角道を開けたまま戦う先手中飛車を得意としているため、やや意外な戦型選択です。
その後菅井八段は穴熊に囲いました。一方の糸谷八段は1筋の端歩を伸ばし、玉の懐を広げました。この後糸谷八段も左美濃や穴熊にがっちりと囲う展開が予想されます。
互いの玉が固い持久戦模様となったため、盤上は手数のかかる長い戦いとなりそうです。しかし、早指しで知られる両者。もしかしたら終局時間は手数に見合わない早い時間になるかもしれません。