催促メールは書き方や送付タイミングなどが難しく、気を遣う人も多いのではないでしょうか。相手への配慮を示しつつ一方では催促しなければならないため、催促メールの書き方には少々注意が必要です。

本記事では催促メールのやんわりした書き方について、社外/社内向けに、状況別の例文を紹介。基本構成や書き方のポイント、送付タイミングや、事前の確認点、自分が催促メールをもらった際の返信マナーまでまとめました。

  • やんわりとした催促メールの書き方・例文とは

    ポイントを確認して、やんわりと催促するメールをスムーズに出せるようになろう

事前に確認! 催促メールを送る際のチェックポイント

相手に対して催促メールを出す前に、まずは相手が本当にメールを受け取っているかどうかなど、下記のチェックポイントを確認しましょう。

最初の連絡メールが送信完了できているか

メールを送ったつもりになっていて、実は送信を忘れているケースがあります。下書きフォルダに保存したままになっていないか、送信したメールがなんらかの理由でエラーとなって返ってきていないかを確認しましょう。

返信メールが迷惑メールフォルダに入っていないか

相手が返信メールを送信していても、自分の迷惑メールフォルダに振り分けられてしまっている可能性もあります。催促メールを送る前に、迷惑メールフォルダの検索も確認しましょう。

催促メールを送る直前にも返信メールがないかを確認

催促メールを送る直前に、念のため相手からの返信メールが届いていないかをもう一度確認してください。入れ違いで相手が返信している可能性もあるためです。

入金や宅配便が届いていないかを確認

メール以外のアクションに対する催促、例えば入金や宅配便送付などの場合は、メール送信前にもう一度届いていないかを確認してください。

銀行振込ならば、15時に着金する銀行もあります。宅配便は、到着予定の翌日に不在通知が入っていないか確認をしてから催促メールを送信しましょう。

  • 催促メールを出す前のチェックポイント

    送信前に、相手へ確実にメールを送れているかどうかなどをチェックしよう

催促メールでやんわりお願いする例文集【ビジネスシーン別】

ここではビジネスシーン別に、催促メールの具体的な例文をいくつか紹介します。社外向け/社内向けなど、さまざまなパターンの例文を用意しました。

催促メールでは相手に過度なプレッシャーを与えないように、「行き違いなどがあったかもしれない」という旨のワンクッションを置いた、やんわりとした表現を用いましょう。

【社外の取引先へ】遅延中の納品や書類送付についての催促メール

あらゆる催促メールのベースとなる例文です。相手や期日設定、フォロー内容などを変更して活用してください。

件名 : 【送付確認】Re : △△サンプル品送付の件につきまして

◯◯株式会社
営業部2課
◯◯様

お世話になっております。◯◯社◯◯部◯◯課の◯◯です。

すでにご対応済みでしたら失礼いたします。
先日、御社より△△のサンプル100個を昨日までにご送付いただけると伺っておりましたが、本日10時の時点でまだサンプルが届いていない状況でございます。

誠に恐れ入りますが、状況をお確かめの上、本日中に◯◯までご納品の期日をお知らせくださいますようお願い申し上げます。

お忙しいところ申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。

【社外の取引先へ】入金催促メール

入金確認の場合は、締め切りの時間を指定してもその時間に着金するとは限らないため、本当に入金してほしい日の1営業日前に期限を設定し、翌営業日に入金確認、という形にしましょう。

件名 : 【入金確認】Re : ◯◯入金の件

◯◯株式会社
◯◯部◯◯課
◯◯様

お世話になっております。◯◯社◯◯部◯◯課の◯◯です。

すでに入金完了されているようでしたら大変失礼いたします。
期限が◯月◯日だった◯◯の入金につきまして、現在のところ当方にて確認が取れておりません。

万が一未入金の場合は、◯日までに入金いただけますと幸いに存じます。

お手数をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

【社内の上司へ】メールが来ないときの催促メール

社外だけでなく、社内の上司に対しても、直接的、高圧的な催促は避け、クッション言葉などをうまく活用してやんわりと伝えましょう。

件名 : 【出欠確認】Re : ◯◯会議参加の件

◯◯課長

お疲れ様です。◯◯担当の◯◯です。

もし行き違いでしたら失礼します。
◯月○日にメールでお送りした◯◯会議の出欠につきまして、ご確認いただけておりますでしょうか。
期日は◯月◯日となっておりましたがお返事をまだいただけていないようなので、連絡を差し上げました。

大変恐縮ですが、◯◯部◯◯部長へ◯日までに回答をする必要があるため、◯日◯時までに回答いただけると幸いに存じます。

お手数をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

【社内の上司へ】期限前日に送るリマインドメール

特に役職者の場合、あまりにも忙しくてメールが追いきれない場合もあります。レスポンスの速度が遅いようなら、期限の前日にリマインドメールを送ってさりげなくフォローしましょう。

件名に「【リマインド】」などと入れると分かりやすいです。

件名 : 【リマインド】Re : ◯◯会議参加の件

◯◯課長

お疲れ様です。◯◯担当の◯◯です。

もし行き違いでしたら失礼します。
◯◯会議の出欠につきまして、期日が明日◯月◯日の○時となっておりますので、念のため連絡を差し上げました。

明日の○時までに、このメールに返信の形でご回答いただけると幸いに存じます。

お手数をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

催促メールに対する返信の返信(お礼のメール)

催促メールに対して返信を受け取った場合は、折り返しお礼のメールを出し、確認したことを伝えるとより丁寧です。以下のような形で、返信のお礼メールを出しましょう。

件名 : 【お礼】Re : 【出欠確認】Re : ◯◯会議参加の件

◯◯課長

お疲れ様です。◯◯担当の◯◯です。

早々に返信をいただきありがとうございます。
◯◯会議の出欠につきまして、確かにご回答を拝受いたしました。

それでは、◯月◯日◯時より、◯◯会議室でお待ちしております。
今度とも何卒よろしくお願いいたします。

  • 催促メールでやんわりお願いする例文集【ビジネスシーン別】

    例文を活用してスムーズに催促メールを出そう

催促メールの基本構成と書き方のコツ

ここからは、催促メールの基本構成について細かく解説するとともに、書き方のコツやポイントを紹介します。同じ催促メールでも、書き方によって受け取った相手が抱く印象は大きく変わるので注意しましょう。

【1】件名

基本的に件名は、前回のメールの返信の形にしつつ、件名を変えるようにします。例えば以下のような形です。

・前回送信したメールの件名 : ◯◯の件

・催促メールの件名 : 【ご確認】Re : ◯◯の件

単なる返信の形だけだと、催促メールと気付かれないため、文頭に【】などを使って何の用件かを端的に伝えましょう。

【入金確認】【送付確認】【回答願い】など、催促内容を端的な表現にすると、催促メールだと気付いてもらいやすくなります。

また以前のメールの返信の形にすることで、以前送信した内容を引用の形で本文に残すことも重要です。相手側はいちいち以前のメールを探さなくてもよくなります。

【2】挨拶(相手への配慮と逃げ道を用意する言葉)

冒頭の挨拶は、通常のビジネスメールと同じような形で構いません。ただ、前回メールを送っていることが前提なので、時候の挨拶などは不要です。

さらに、以下のようなワンクッション置いたやんわりとした表現を入れることで、相手のプレッシャーや罪悪感を和らげることができるでしょう。

「行き違いでご対応いただいておりましたら申し訳ございません」
「連絡が行き違いでしたらご容赦ください」
「何かしらの手違いでメールが届かなかった可能性もあるかと思い、ご連絡いたしました」
「何かしらの手違いで、前回のメールが届いていないようでしたら申し訳ありません」

【3】催促のもととなった事項の連絡日時・催促内容

次に下記のような形で、メール送信日と催促内容に触れましょう。すでに一度メールを送っているため、思い出してもらう程度に端的な表現にしましょう。

ただし丁寧さを心掛け、上から目線にならないように注意しましょう。

「◯◯の用件で◯月◯日にメールを送らせていただきましたが、お手元に届いておりますでしょうか」
「◯月◯日のメールに記載いたしました◯◯の件について、◯日が締め切りとなっておりましたが、ご確認いただいていますでしょうか」

この時、最初のメールに添付ファイルがあれば再度添付して、ファイルを探す手間がないよう配慮してください。

【4】相手に求めるアクションと期限の日時

下記のような形で、相手に求めるアクションろ、その期限(日時)を伝えます。

再設定する期限は、日付だけでなく時間まで設定しましょう。より細かい期限を設定したほうが、相手も期限を意識しやすく、アクションをもらいやすくなるためです。

「お忙しい中大変恐縮ではありますが、◯◯の出欠を◯月◯日◯時までにご返信いただけますと幸いに存じます」

なお相手へのアクション内容・期限については、箇条書きでまとめてもいいでしょう。

【5】締めの言葉(相手への配慮の言葉)

催促内容を伝える文章やメールの締めくくりには、相手の忙しさなどについて配慮する表現を盛り込みましょう。

気持ちよく返信してもらえるよう、以下のような表現が適しています。

「お忙しい中お願いをしてしまい恐れ入ります、どうぞよろしくお願いいたします」
「お忙しい中お手数をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします」
「大変恐縮ですが、ご回答いただけますと幸いに存じます」

  • 催促メールの基本構成とサンプルフレーズ

    催促メールの基本構成を押さえておこう

催促メールを送付するタイミング

催促メールは内容はもちろん、送るタイミングも大切です。

催促メールを送付するタイミングは状況によって少しずつ異なります。よく見られるパターンごとに、催促するタイミングを紹介します。

メールの返信がこないとき

メールに返信する形での回答を期待している場合は、期限日の翌日の勤務時間内に送付します。休日をまたぐ場合は、翌営業日にしましょう。

終業時間ギリギリでは当日中に返信してもらえる可能性が低くなるので、送信時間は午前中がおすすめです。

期日までに入金がないとき

期日までに入金がない場合は、少なくとも銀行の翌営業日まで待ってから催促メールを送りましょう。相手が当日振り込んでいたとしても、銀行によっては翌営業日に入金がずれ込むケースもあるためです。

期日までに物品や資料・書類が納品されないとき

期日の翌朝に不在票が入っていないか確認してから催促メールを送付しましょう。夜間に配達されていて、当日に届いているのに受け取れなかったという可能性もあるためです。

リマインドメールという意味で送るとき

最初の連絡時点で期限が長い場合や、相手がよく返信を忘れる場合は、期限前にリマインドメールを送るのも効果的です。リマインドメールにより、相手へ最初の連絡が届いていたかも確認できます。

簡単に回答できるものなら期限の前日、少し手間のかかるものなら、いつ依頼したかに考慮しつつ、その手間に応じた期間(1週間程度前など)に、リマインドメールを送るようにしましょう。

手間のかかるものなのに前日にリマインドを打っても間に合わないため、リマインドメールを出す意味がなくなります。

  • 上手な催促メールの書き方と送付タイミング

    催促する事項をわかりやすく伝えつつ、送るタイミングにも注意しよう

自分が催促メールを受け取ったときのマナー・対応方法

自分が催促メールを受け取った場合、すぐにアクションを取れるかどうかで対応は異なります。具体的な対処方法について見ていきましょう。

即返信で未回答のお詫びと連絡のお礼を伝える

催促メールを受け取った時点で、相手に対して不義理な状態になっているため、誠実な対応が求められます。すぐに相手の催促に答えられるかどうかに関わらず、まずは即返信で未回答のお詫びと連絡へのお礼を伝えましょう。

すぐに回答できない場合は現状と回答日時を伝える

即返信できる回答なら、そのメール内で回答を済ませて、最後にもう一度謝る形で文章を締めくくって送信します。

すぐに回答できない、あるいは対応に時間がある場合は、現状どのような状態でいつまでに回答できるかを、日時まで明示して伝えてください。日時については相手の都合もありますが、まずはこちらの希望を伝えましょう。

催促メールの返信文例

催促メールの返信では、未回答のお詫びと連絡へのお礼、回答、最後にもう一度お詫びの言葉を入れましょう。ただし、あまり長くならないよう、シンプルにまとめることも意識してください。

件名 : Re : 【出欠確認】Re : ◯◯会議参加の件

◯◯課◯◯担当 ◯◯様
お疲れ様です。◯◯です。

出欠の連絡が遅れ大変失礼いたしました。
ご丁寧にご連絡いただきありがとうございます。
◯◯会議には出席いたします。

お手間を取らせてしまい申し訳ありません。
それでは、当日は何卒よろしくお願いいたします。

催促メールを送るときは配慮とフォローのバランスが重要

催促メールを送るときは、相手への配慮と、お願いしたいアクションのフォローをバランスよくまとめることがポイントです。

リマインドメールも活用して、やり取りする相手との関係を良好に保ちつつ、業務がスムーズに進むようにメールの文面や送付タイミングなどにも配慮しましょう。