たばこは長い年月親しまれているアイテムです。日本では16~17世紀に海外から入ってきてから、形を変えながら長年愛されており、落語や歌舞伎、浮世絵などにも登場する長い歴史を持つアイテムです。しかし、いまたばこを吸っている人であっても、たばこがどんな風に形を変えてきたのか、どのような種類があるのかなど、知らない人も多いでしょう。
本記事では、たばこの形状における種類や、たばこに含まれているタールについて紹介します。あわせて代表的な銘柄がどんな味なのかもピックアップしました。
たばこに興味がある人やたばこを吸う習慣がある人に役立つ内容です。たばこをより楽しむための参考にしてください。
タバコの形状別種類
たばこというとお店や自動販売機などで売られている紙巻きたばこが一般的ですが、それ以外にも種類が多く、さまざまな楽しみ方ができるアイテムです。ここでは、たばこの形状別に種類を紹介していきます。
紙巻きたばこ
現在最も目にする機会が多い、オーソドックスな形状のたばこです。葉たばこを細長く刻んで乾燥させたものに火をつけ、フィルターを通して煙を楽しみます。葉たばこのブレンドによって風味が異なります。
フィルター部分にマイクロカプセルが搭載されることで、味や香料を楽しめるたばこも多いです。
加熱式たばこ
近年注目が集まっている加熱式たばこは、紙巻きたばこと同じようにたばこの葉を使用しますが、葉を燃焼させないことが特徴です。加熱によって発生する蒸気を吸って楽しむ嗜好品であり、使用する人が徐々に増加。紙巻きたばこよりもタールの発生が少ない製品もあり、体への悪影響をできるだけ抑えたいという期待から注目が集まっています。
電子たばこ
電子たばこには、たばこ葉を使用していないことから、日本国内ではたばこ製品としては販売されていません。液体を熱して蒸気を発生させ、吸うことで楽しみます。紙巻きたばこのような形状や、大振りなタンク型など、さまざまな形状の製品があるのも魅力です。
葉巻
葉巻(シガー)は、たばこの葉をたばこの葉で巻いたもので、さまざまな形状があります。最も歴史が古いたばこのひとつといわれており、19世紀初頭までにヨーロッパ全体に広がったのをきっかけに、世界で愛されてきました。
煙をふかして香りを味わいながら、時間をかけて楽しむのが葉巻の特徴です。
パイプ
パイプはボウル部分にたばこを詰めて火をつけ、ステムからマウスピースに流れた煙を吸うアイテム。使用され始めた正確な年代はわかっていませんが、日本でも長く愛されてきました。慣れれば数十分もの喫煙ができるアイテムなので、ゆったりとたばこを楽しめます。
無煙たばこ
無煙たばこは大きく分けると嗅ぎたばこと噛みたばこの2種類。鼻や口に直接たばこを含むことで、味や香りを楽しみます。どちらも煙が出ないことから、周りへの影響を気にせずに使えるのがメリットです。
キセル
細い専用器具を使って楽しむタイプで、刻んだたばこの葉を火皿に詰め、吸い口から煙を吸います。日本では江戸時代にキセルでの喫煙が広がった背景もあるなど、日本でもなじみ深いたばこです。日本の文化を象徴するアイテムとして、愛好家から根強く支持されています。
水たばこ
中近東を中心に親しまれているタイプのたばこで、水パイプという喫煙具を使用します。1回の燃焼時間は長く1時間前後で、中近東では喫茶店などの店先で使う光景が広がっています。
たばこに含まれているタールとは
嗜好品として手放せない人もいるたばこですが、健康について考えるなら、タールの量や影響には注意が必要です。たばこに含まれているタールについて紹介します。
タールとはたばこの煙に含まれる成分
タールとはたばこの煙に含まれる成分のうち、一酸化炭素やガス状成分をのぞいた粒子状の成分のことをあらわし、「たばこのヤニ」と呼ばれることもあります。日本では紙巻きたばこのタール・ニコチンの含有量を、包装に表示する義務があります。
タールはたばこの風味に影響する
含まれているタールの量が多いたばこほど、たばこ本来の風味を感じやすく、重い味わいになりやすいです。タールの量がたばこの風味に大きく影響する点は、たばこ選びの際に押さえておきましょう。
吸い過ぎには注意
たばこには嗜好品として楽しめる部分がある反面、煙に含まれているタールにはニコチンをはじめとする有害物質や発がん性物質が数多く含まれていることがわかっています。吸い過ぎると健康に悪影響を与えることも考えられますので、長く楽しむためにも程よい量を意識しましょう。
「ライト」「ワン」などの名称がついているとタールの含有量が少ない傾向がある
できるだけタールの含有量が少ないたばこを吸いたいのであれば、名称に注目してみましょう。ひとつの銘柄でもいくつかの種類があるたばこが多く、「ライト」や「ワン」などが名称についていれば、タールが少ないことが多いので、気になる人は見比べて選んでください。
たばこは銘柄によって味が異なる
日本で販売されているたばこだけでもたくさんの種類があり、銘柄ごとに味の特徴が異なります。そこで、代表的な銘柄はどのような味わいなのかを紹介します。
くせのない味わい「メビウス」
癖が少なく苦みを感じにくい「メビウス」は、軽い味わいが特徴のたばこ。以前は「マイルドセブン」という銘柄で販売されていましたが、名称変更されて「メビウス」になりました。複数種類の葉たばこを混ぜることで、バランス良くほんのり甘みがある優しい味になっており、たばこ初心者にも人気がある銘柄です。
甘めの風味を楽しめる「セブンスター」
「セブンスター」は日本のたばこの中でも人気銘柄のひとつ。原料のたばこ葉は国産中心で、長年愛されている日本独自の製品です。たばこの旨みや香りを生かした味わいから、吸い応えがあるたばこに仕上がっています。
すっきりした味わいの「ピアニッシモ」
女性向けの銘柄として人気の「ピアニッシモ」は、タールが比較的少なく、さわやかなフレーバーやメンソールなどが配合されている製品が多いです。明るいデザインが気持ちを弾ませてくれる製品です。甘さやすっきりとした味わいを求めるなら、試してもらいたい銘柄です。
世界中で人気がある「キャメル」
世界中で販売されている銘柄「キャメル」も、日本で人気があるたばこの銘柄です。いったんは販売終了していましたが、2018年に販売再開されました。吸い応えがある味わいの紙巻きたばこもあれば、メンソール入りの軽い味わいの製品もあるなど種類も多く、幅広い層から愛されているたばこです。
たばこの種類を理解して自分好みなたばこを楽しもう
たばこには紙巻きたばこにも、電子たばこなどさまざまな形状のものがあります。葉巻やキセル、パイプなど、昔から愛される形状のたばこを愛用する人もおり、楽しみ方はさまざまです。
たばこの銘柄には「メビウス」や「セブンスター」など日本の銘柄以外にも、「キャメル」など海外の銘柄もあり、好みによって選ぶ銘柄が異なります。ひとつの銘柄でもいくつかの種類があり、タールの量や味わい、メンソールの有無などで吸うときの味わいや風味が異なる点を押さえておきましょう。
たばこに含まれるタールの中には有害物質も含まれているので吸い過ぎには注意することが、長く楽しむためのコツです。この記事で紹介してきた味わいの違いを参考にして、自分の好みに合うたばこを見つけてください。