A級棋士の稲葉陽八段を熱戦の末破る

藤井聡太王位への挑戦を目指す、第62期王位戦予選(主催:新聞三社連合)が進行中。12月17日には予選5ブロック決勝の▲池永天志四段-△稲葉陽八段戦が関西将棋会館で行われました。結果は151手で池永四段が勝利。自身初の王位リーグ入りを決めました。

関西所属棋士で構成された5ブロック。池永四段は久保利明九段、中村亮介六段、平藤眞吾七段を破って決勝に進出。稲葉八段は矢倉規広七段、服部慎一郎四段、出口若武四段を破っています。

振り駒で先手番になったのは池永四段。後手の稲葉八段は4手目に角道を止め、雁木を選択。池永四段は銀矢倉に組んで守りを固めます。

長い駒組み合戦の末、先に仕掛けたのは稲葉八段でした。池永四段も強気に応戦して、一気に激しい攻め合いに。突き捨ての歩、継ぎ歩、垂らしの歩、たたきの歩など、両者歩の手筋を駆使した攻めで、相手玉を薄くしていきました。

激戦から抜け出し、リードを奪ったのは池永四段でした。稲葉玉を丸裸にして追い詰めます。稲葉八段も手順を尽くして池永玉に迫りましたが、一歩届かず。池永四段は自玉に詰めろがかかったタイミングで、稲葉玉を手数は20手を超える長手数の即詰みに打ち取りました。

この勝利で5ブロックを通過した池永四段は、王位戦参加3期目で初の王位リーグ入りを果たしました。今年度成績は25勝8敗、勝率7割5分8厘、さらに第51期新人王戦で優勝するなど、結果を出している池永四段。王位リーグでも活躍を期待できそうです。

新人王戦第2局を制し、優勝した直後の池永四段(提供:日本将棋連盟)
新人王戦第2局を制し、優勝した直後の池永四段(提供:日本将棋連盟)