前回の「コロナ禍でも堅調に売れるG-SHOCK、一番人気はデジタル表示のフルメタル」に引き続き、ヨドバシカメラ新宿西口本店 時計総合館でスマートウォッチの売れ筋についても取材しました。
時計専門チームスタッフ・清水陸氏は「売り場をざっと見渡しても、コロナ禍の影響で売り上げが落ちるブランドは多いですが、スマートウォッチはジャンル全体で伸び続けていますね。コロナ禍前から伸びていて、そのままのペースを維持している印象です」といいます。
ジャンルを牽引するアップルの「Apple Watch」は売り場が異なるので、今回のランキング集計には入っていませんが、そちらを含めてニーズの高まりを感じているようです。「運動する際にデータを取ったり受けたりしたいニーズと、仕事中や移動中もスマホを取り出さずにメールなどのチェックをしたいニーズが双方高まっていて、それがスマートウォッチに集約されているのだと思います」
では、スマートウォッチ購入のポイントを踏まえ、2020年末の売れ筋トップ5を見ていきましょう。
- iPhoneとAndroidで対応する機能に差が出ることが多いので、手持ちのスマホで利用できる機能を比較しよう。
- 複数の人気モデルを取捨選択するなら、予算は3万円程度が理想。1万円以下で始める手もある。
- 外ランやアウトドアスポーツなどに使うなら、GPSやマップ機能を備えた高級モデルも魅力的。
※本文と写真で掲載している価格は、2020年11月25日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:音楽アプリの制御が可能なGPS内蔵モデル「ForeAthlete 245 Music」
一番人気となっていたのは、GPSギアで有名なガーミンの「ForeAthlete 245 Music」でした。ウォッチ本体に500曲の音楽が保存可能で、Bluetooth接続のイヤホンなどで再生しながらエクササイズできます。GPSのほか、消費カロリーや睡眠監視、移動距離の計測機能なども搭載。取材時の税込み価格は「Black Red」が39,990円、「Black Aqua」と「White Black」が43,780円でした。
「音楽再生とGPSをオンにして最大6時間、スマートウォッチモードでは最大7時間駆動するモデルです。ランニングなど外で運動する男女に人気がありますね。年代でいえば、健康を意識する人が多くなる40代がピークになると思います」
第2位:Suica対応のGPS内蔵上位モデル「ForeAthlete 745」
2位には、ForeAthlete 245 Musicの上位モデルとなる「ForeAthlete 745」が続きます。ランニングや屋外水泳、トライアスロンなどの運動に最適化したモードを備えるなど付加機能が充実したモデルで、Suicaによる決済サービスも利用できるのがポイントです。取材時の価格は全カラーともに税込み49,280円でした。
「購入層はForeAthlete 245 Musicと同じで、プラスSuicaを使いたい人ですね。こちらを装着すれば、運動した先でドリンクを購入するといったことも可能です。Android系でSuicaが使えるスマートウォッチの走りとして注目を集めていました」
第3位:GPSも搭載するファーウェイの高付加モデル「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」
3位はファーウェイの「HUAWEI WATCH GT 2 Pro」がランクインしました。本体に最大500曲が保存でき、GPSや加速度センサー、心拍数や睡眠計測などの機能を搭載する同社のウェアラブル端末の上位モデルです。取材時の価格は税込み34,980円。
「機能面でForeAthlete 245 Musicとよく似たことができて、それでいて安いということで注目する人が多いですね。ユーザー層の中心は、やはり運動に関心のある40代となります」
第4位:入門機&サブ時計としても人気の「Band 4」
4位もファーウェイ製品となります。80×160ドットの0.96インチパネルを採用した「Band 4」で、取材時の価格は税込み4,400円でした。コンパクトなモデルながら心拍数や睡眠計測が可能で、着信同期やアラームといったスマートウォッチの基本的な機能はひと通り備えています。
「低価格なので、スマートウォッチの入門機やお試し機として購入する人が多いモデルですね。また、普段使いの時計を装着したまま、反対側の腕に巻くサブ機として使われる方も少なくありません」
第5位:Amazon Alexaにも対応するフィットビット「Versa 2」
5位に入ったのは、フィットビットの「Versa 2」です。心拍数や睡眠データなどが測れるほか、Amazon Alexaを搭載しており、音声でさまざまな操作が可能です。取材時の価格は税込み19,990円。
「フィットネスサポートと健康管理の機能が充実したモデルなので、健康状態などを細部まで把握したい人にお勧めですね。また、外観がApple Watchに似ているということで選ばれる方もわりと多いです。これだけの機能を備えて2万円で買えるのも魅力ですね」
はみ出し情報…30万円前後の高級モデルも浸透中
冒頭に掲げた購入のポイントにもあるように、イマドキのスマートウォッチを求めるなら予算は3万円程度、GPS内蔵の屋外スポーツ向けでも5万円程度でトレンドが押さえられます。一方で、それ以上の高価格帯モデルの需要もじわじわ伸びています。
10万円超で目立っている人気モデルを尋ねたところ、ガーミンの「MARQ Golfer」が挙げられました。取材時の価格は税込み286,000円。モデル名のとおり、ゴルフに特化した付加機能が満載で、世界41,000カ所以上のゴルフコースを収録しており、視界の悪い場所で活躍するピンポインターや、グリーンまでの距離を計測する機能なども搭載しています。
「購入するのは、やはりゴルフ好きの方ですね。年代でいえば40~50代が中心になります」