韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は、次世代ディスプレイ「マイクロLED」を採用した4K解像度の110型「MicroLED TV」を2021年第1四半期に全世界で発売する。価格は1億7,000万ウォンで、日本円換算で約1,600万円。韓国では12月中に予約販売を開始する。

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    4K解像度の110型「MicroLED TV」(設置イメージ)

マイクロLEDは、従来の液晶ディスプレイのようなバックライトやカラーフィルターの代わりに、マイクロメートル(μm)サイズの微細なRGBマイクロLEDを敷き詰め、画素を作り出す自発光ディスプレイ。「実際のものを目で見たような、自然のままの色を体験できる」ことが特徴で、800万個を超える各RGB素子を別々に制御することで、画面の明るさや色を精密に表現できるという。

また、マイクロLEDは耐久性のある無機材料でできているため、有機物素材とは異なり、寿命が10万時間または10年以上と長いことも特徴だ。画質劣化やバーンイン(焼き付き)などを気にすることなく、長く使えるという。

サムスンは2018年に開催されたCES 2018において、世界初の146型マイクロLEDテレビ「The Wall」を発表しているが、これは業務用モデルで専門的なインストールを必要とするモジュール式だった。今回の110型「MicroLED TV」はこれまでのテレビと同じように、箱から出してすぐに使えるコンシューマ向けモデルとなっている。

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110型「MicroLED TV」では、約3.3平方メートル程度の画面にマイクロLED素子を800万個以上実装し、4K解像度を実現。DCIとAdobe RGBの色域を100%カバーする。また、黒いマトリックスとベゼルを排除した「モノリスデザイン」を採用しており、画面と本体の比率は99.99%で「見事な没入感を味わえる」としている。

映像処理エンジン「マイクロAIプロセッサ」を搭載し、4K HDRコンテンツにも対応。QLED 8Kに採用した量子プロセッサ(Quantum Processor)技術をベースに、自発光特性と独自の人工知能アルゴリズムを組み合わせて開発した専用プロセッサで、各シーンに最適化された映像のディテールと明るさを適用し、躍動感や立体感、最適化されたHDR描写を可能にする。

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サウンド面では、外部スピーカーなしで5.1chサウンドが楽しめるという「Majestic Sound System」を採用。映像内のオブジェクトの動きに追従して音が鳴るサウンド技術「OTS Pro(Object Tracking Sound Pro)」も備えている。

スマートテレビ機能を搭載。110型の大画面を最大4画面に分割し、複数のデバイスからの映像入力を1つの画面で同時に楽しめる「クワッドビュー」機能も備えており、HDMI入力を個別に設定することでニュースやスポーツ、インターネットなどを見ながら、ゲームプレイも1つの画面で楽しめるという。

今回の新製品では、サムスンが半導体事業で蓄積した高度な実装技術を採り入れている。テレビに最適化するために、従来製品と比べてより微細で正確な素子配列を使用し、110型の商用化に成功。110型よりも小さいサイズの製品を作るれる技術もすでに獲得したとのこと。

同社ビジュアルディスプレイ事業のJonghee Han氏は、「サムスンのマイクロLEDは、世界中の消費者にとって家庭におけるプレミアムな体験が何を意味するかを再定義する」と述べている。

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