B級2組で唯一全勝中の藤井二冠。連続昇級に向け連勝継続を目指す
第79期順位戦B級2組8回戦(主催:毎日新聞社・朝日新聞社)の▲藤井聡太二冠(6勝0敗)-△野月浩貴八段(3勝4敗)戦が12月16日に東京・将棋会館で行われています。唯一無敗をキープしている藤井二冠が連勝を伸ばすのか、それとも野月八段が成績を指し分けにするか、注目です。
11月11日の7回戦で北浜健介八段を破った藤井二冠。5回戦が抜け番だったため、現在6連勝中です。その藤井二冠を、5勝1敗で横山泰明七段、中田宏樹八段、佐々木勇気七段が追うという展開になっています。
昇級枠が今期より2枠から3枠に拡大したB級2組。順位が21位の藤井二冠は22位の佐々木七段よりも上位のため、残り4回戦で1敗までなら昇級できるという状況です。
前々期の第77期順位戦C級1組10回戦で、近藤誠也七段(現在)に順位戦初黒星を喫した藤井二冠は、その後11回戦で勝利。翌78期は10連勝で駆け抜け、B級2組に昇級するとここまで6連勝。順位戦では17連勝中で、本日の対局に勝利すればデビューからの自己記録である18連勝に並びます。また、順位戦では前述の近藤七段に敗れただけの、35勝1敗というとんでもない成績を残しています。
10時に始まった対局は、後手の野月八段が雁木に組み、藤井二冠が速攻を仕掛けるという展開になっています。野月八段は12月10日に行われた第14回朝日杯将棋オープン戦二次予選の羽生善治九段戦でも後手番で雁木を用いています。その対局で勝利した野月八段は、本戦トーナメント進出となりました。
本局はその将棋と非常によく似た形になっています。藤井二冠と羽生九段の序盤の攻め筋は同一。23手目時点で、先手陣は7九銀・5八金型(藤井二冠)か、7八銀・4九金型(羽生九段)かという、金と銀、どちらを先に上がるかの違いしかありません。
一方の後手陣も7二銀型(対藤井二冠)か、6二銀型(対羽生九段)かの違いのみ。この細かい違いによって、これからの進行がガラリと変わってしまうのでしょうか。それとも結局は合流するのか。まずはそこに注目して見てみると面白いかもしれません。