豊島将之竜王への挑戦を懸けた長い道のりの第一歩

第34期竜王戦ランキング戦1組(主催:読売新聞社)の開幕戦、▲丸山忠久九段-△佐藤康光九段戦が12月15日に東京・将棋会館で行われています。

豊島将之竜王が羽生善治九段の挑戦を4勝1敗で退け、タイトル初防衛を果たした第33期竜王戦。すでに34期の挑戦者を決めるための戦いが2~6組では始まっています。そして15日からは1組の対局も始まりました。

3勝で決勝トーナメントに進出できるため、挑戦までの直線距離は最も近い1組。しかし、実力者ばかりが参加しているため、その道は険しいものです。今期も実績・実力十分のベテランから、勢いのある20代の若手まで、強力なメンバーが揃いました。

ちなみに余談ですが、今期は2組も負けず劣らずのメンバーです。タイトル保持者の渡辺明名人(棋王・王将)、藤井聡太二冠をはじめ、竜王経験者の森内俊之九段、藤井猛九段、広瀬章人八段、タイトル経験者の郷田真隆九段、屋敷伸之九段、深浦康市九段、菅井竜也八段らが在籍しています。

1組開幕戦に登場したのは、佐藤康九段と丸山九段です。両者は前期決勝トーナメントに進出しています。

佐藤康九段は1組4位で決勝トーナメントに進むも、初戦で梶浦宏孝六段に敗れました。丸山九段は2組2位で進出すると、藤井聡太棋聖(当時)、佐藤和俊七段、久保利明九段を破って挑戦者決定三番勝負に登場。そこでは羽生九段に1勝2敗で惜しくも敗れ、挑戦権獲得はなりませんでした。

二人の対戦成績は、佐藤康九段の34勝32敗。直近の成績では、丸山九段が5連勝中です。

両者はタイトル戦では2度戦っています。2000年の第58期名人戦では、佐藤康名人に挑戦した丸山八段が4勝3敗で名人奪取に成功しました。2度目の対決になった2003年の第74期棋聖戦では、丸山棋王の挑戦を受けた佐藤康棋聖が3連勝で防衛を果たしています。この時が初防衛戦だった佐藤康棋聖は、その後防衛を重ねて6連覇し、永世棋聖の資格を獲得しました。

本局、振り駒で先手番になったのは丸山九段。後手の佐藤康九段は4手目に角道を止め、雁木に組みました。

序盤は猛スピードで指し、勝負所で時間を投入するという進行が目立つ最近の対局。昼食休憩前から激しい駒交換が行われることも珍しくありません。しかし、本局は序盤からじっくりと持ち時間を使う展開になっています。駒がぶつかる本格的な戦いに突入するのは、午後になってからとなりそうです。

今期のランキング戦1組のトーナメント表。1、2位は決勝トーナメントに進み、途中で敗れると出場者決定戦に回る
今期のランキング戦1組のトーナメント表。1、2位は決勝トーナメントに進み、途中で敗れると出場者決定戦に回る