俳優の戸塚純貴が、来年1月14日スタートのテレビ朝日系ドラマ『遺留捜査』(毎週木曜 20:00~ ※初回2時間スペシャル)の第6シーズンにレギュラー出演することが15日、明らかになった。
上川隆也演じるマイペースで空気を読まない刑事・糸村聡が、遺留品から事件を解決していく同作。戸塚は、2011年にシリーズが誕生して10周年を迎える本作に、新加入となる。
戸塚演じる若手刑事・沖田悟は、所轄署から京都府警本部に異動し、仕事を器用にこなすスマートな現代っ子。しかし実力以上に自己評価が高く、「これがジェネレーションギャップなのか!」と、神崎莉緒(栗山千明)、佐倉路花(戸田恵子)、雨宮宏(永井大)ら特対メンバーをあ然とさせることもしばしばだ。
上川と戸塚は、日本テレビ系ドラマ『エンジェル・ハート』(15年)で共演したことがあり、上川は当時、戸塚の振り切った演技に感服していたことを告白。「今回のキャスティングが決まったとき、何ひとつ不安を感じませんでしたし、むしろ“何をしてくれるんだろう”という期待を強く感じました。まだ撮影に入って間もないですが、すでに沖田悟という男が生き生きと動きはじめています」と期待を寄せる。
戸塚もまた、5年前の共演を振り返り、「上川さんは、まさに“恩人”なんです。今回、成長した姿を上川さんに伝えられるようにこの役を演じなければと思っています」と語った。
初回2時間スペシャルでは、第5シーズンの初回で登場した、柄本明演じる古美術鑑定家・園田蓮が登場するほか、中山忍、山谷花純らゲストが出演する。
上川と戸塚のコメントは以下の通り。
■上川隆也
――戸塚純貴さんとは2度目の共演となりますが、印象は?
以前、共演したとき、戸塚くんは山寺宏一さん、ガレッジセールのゴリさんとのトリオのような役柄だったのですが、百戦錬磨のお2人に混じって一歩も退くことなく濃いキャラクターを演じてくださいました。ですから、今回キャスティングが決まったときも何ひとつ不安を感じませんでしたし、むしろ“何をしてくれるんだろう”という期待を強く感じました。まだ撮影に入って間もないですが、すでに沖田悟という男が生き生きと動きはじめている様が見受けられます。“自己肯定力の強い、イマドキの若者”という役柄設定を超え、戸塚くんのイマジネーションが生み出したキャラクターが造形されていく様は間近で見ていてとても楽しいですし、心強さすら覚えます。
――戸塚さん演じる沖田悟刑事の加入によって、“特対”メンバーに変化は訪れますか?
なんだかんだいって、特対のメンツは心が広いんでしょう。糸村を迎え入れた位ですから(笑)。必要以上に関わりあうこともなく、だからといって煙たがるわけでもなく……滑り出しはそんな関係性で動き出したように思います。でも今後、“実は沖田は有能だった”という部分が描かれるかもしれませんし、その一方でトラブルを起こすこともあるかもしれません。沖田悟という男がこれから何をしでかしていくのか、いかようにも想像がふくらむキャラクター設定になっているので、視聴者のみなさんにとっても楽しみのひとつになっていくのではないかと思います。
――糸村と沖田のやりとりで今後、期待されていることは?
糸村はどこか柳の枝のような男なので、強い風が吹いてきたらそれにそよぐだけのような気がするんです(笑)。そよぎながら己の本質を失うことなく10年間を過ごしてきた糸村が、沖田が今後、どのような人物だったとしても糸村は糸村なりに柔軟に対応していくだけかなと思っています。
――初回2時間スペシャルのみどころを教えてください。
今回、『遺留捜査』シリーズ初の試みとして、初回2時間スペシャルは季節をまたぐ形で撮影を行いました。夏からはじまって秋へと物語の季節が移行していき、新シーズンが冬を舞台に描かれるということを素直に受け止めていただけるような、ちょっと粋な仕組みになっています。ミステリーとしてはもちろん、京都の季節の移ろいも楽しんでいただけたらと思っています。
■戸塚純貴
――オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。
『遺留捜査』は、みなさんが知っている、代表的な刑事ドラマ。シンプルにうれしかったのですが、やっぱり10年も続いている作品に新たに参加するということで身の引き締まる思いを強く感じました。
――上川隆也さんとは2度目の共演ですが、上川さんの印象は?
初めてお会いしたときから、現場での気遣いや、役柄への向き合い方、探求心のスゴさ…など、非の打ちどころがない方だなという印象でした。初めて共演させていただいたとき、僕が演じていたのは、とにかく振り切らないとふくらまない役どころだったので、すごく緊張して固くなっていたんです。でも、上川さんが台本にないアドリブを出して現場を盛り上げてくださって、そのおかげで緊張がほぐれて…。だから、まさに“恩人”なんです。今回、成長した姿を上川さんに伝えられるようにこの役を演じなければと思っています。
――“特対”には個性豊かな先輩方が集結していますが、チームに入っていかがですか?
初日から上川さんが「来たな、このヤロウ!」って感じで、みなさんを盛り上げて迎えてくださったのが、本当にありがたかったです。撮影に入る前はすごく緊張しましたし、歴史を積み上げてきた作品に溶け込めるかなと考えていたのですが、中に入った瞬間にその垣根をみなさんがぜんぶなくしてくださったんです。僕自身、委縮して気を遣うより、思いきり演じることがみなさんへの礼儀だなと思っていますし、そんな僕に思う存分、胸を貸してくださる先輩方だなと実感しました。
――沖田悟を演じる上で気を配っているところは?
刑事って協調性や上下関係が大事になってくると思うのですが、沖田自身はそこに重きを置いていなくて、現代的な発想で自由な生き方を尊重している男です。だからこそ、型にはめることなく、彼ならではの発想や興味へのむき方など、自由さを大切に演じたいですね。どこか憎めない要素も必要かなと思うので、かわいげも保ちつつ、かといって基本的に沖田は賢い男ではあると思うので“天然”には見えないよう、手を抜かず繊細に演じたいと思っています。
――これから『遺留捜査』でどんな“味”を出していきたいですか?
沖田悟が、これまでの『遺留捜査』は存在しなかった、新鮮なキャラクターになったらいいなと思っています。多くの方々に長く支持されてきたシリーズですが、僕が出演するからにはより多くのみなさんに楽しんでいただけるよう、いい意味で『遺留捜査』を壊していきたいですね。