インテージは12月14日、「2020年、今年販売苦戦したランキング」を発表した。全国約4,000店舗より収集している小売店販売データとSRI(全国小売店パネル調査)をもとに、日用消費財の販売にどのような変化が生じ、苦戦したカテゴリーがあったかを推定販売金額から集計した。なお、ランキングは小数点以下も加味したものとなっている。
販売苦戦ランキング1位は「口紅」
販売が苦戦したランキング1位は「口紅」(金額前年比44%)。新型コロナウイルスの影響でマスクをすることにより、口紅をつけない人が増加し、販売金額は前年の半分以下に落ち込んだ。
化粧品に関しては、4位「ほほべに」(同66%)、5位「ファンデーション」(同68%)、6位「化粧下地」(同72%)、7位「おしろい」(同79%)と、トップ10に5つランクイン。外出機会が減少し、化粧自体をすることが減ったためとみられる。
市販薬においても大きな変化が生まれた。2位の「鎮暈剤(ちんうんざい:酔い止め薬など)」は、販売金額が前年比54%に落ち込んだ。非常事態宣言とゴールデンウィークが重なった4月後半から5月上旬は前年の2割に満たない週もみられ、全体では前年の半分程度の水準にとどまった。
3位の「強心剤」(同63%)は、海外からの旅行者がお土産に購入するケースが多く、インバウンド需要の大幅な減少が苦戦の要因となった。また、8位の「鎮咳去痰剤(ちんがいきょたんざい:咳をしずめて痰を出しやすくする薬)」(同79%)、10位の「ビタミンB1剤」(同81%)、24位の「目薬」(同90%)などについても、同様の理由と考えられる。
9位の「総合感冒薬」(同79%)は全年代で購入率が低下。感染症予防の徹底が影響し、風邪をひく人が例年より少なくなったためとみられる。