小型キーボード「Happy Hacking Keyboard」(HHKB)を販売するPFUが、12月11日にファンイベント「HHKB ユーザーミートアップ vol.4」を開催しました。初のオンライン開催となった今回、HHKB自体の新製品の発表はありませんでしたが、メーカーも驚く販売の裏話やアクセサリーメーカーの新製品がお披露目されるなど、リアル開催だった例年のように盛り上がりを見せました。
まず注目だったのが、HHKBシリーズの販売状況。おもなポイントは以下の通りです。
- 最新モデル3機種は、32,000円の最上位モデル「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」が圧倒的な人気。メーカーとしては完全に想定外だった
- カラーの比率、日本では「墨」モデルが「白」モデルの倍以上の人気に
- 購買層の年齢層は40~50代が中心、職業はエンジニアが多い
- 購買層の実に97%が男性、女性はわずか3%!
- コロナ禍でテレワークの広まりとともに売れた
- 「マツコの知らない世界」でHHKBが紹介されたところ、直後に売り上げ大幅アップ
2019年12月に販売を開始した最新の「Happy Hacking Keyboard Professional」シリーズは、Bluetooth接続に対応したフラッグシップの静音モデル「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」(希望小売価格は税別32,000円)、Bluetooth接続に対応した標準モデル「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID」(希望小売価格は税別27,500円)、USB Type-C接続のみに絞った「Happy Hacking Keyboard Professional Classic」(実売価格は税別23,000円)をラインアップします。
PFUは当初、それぞれの販売比率を「5:4:1」だと想定して製品を用意していたものの、最上位のHYBRID Type-Sが全体の9割近くを占める想定外の状況が春まで続き、品薄の状況が続いてしまったと陳謝しました。
購買層は40代と50代で実に65%を占めるなど、価格が高いこともあってか年齢層は高めでした。職業は技術研究・開発やシステム開発など、エンジニアで半分に迫ります。男女比は、男性ユーザーが過半数だとは想像していましたが、女性がわずか3%にとどまるのには驚きました。
2020年は、4月に緊急事態宣言が出たあたりから販売台数が上昇し、コロナ禍でテレワークが広まるとともに「自宅でもいいキーボードを使いたい」というニーズで選ばれたことがうかがえます。さらに、2020年は7月21日にTBSの人気番組「マツコの知らない世界」でHHKBが紹介されました。放送直後にタイミングよくAmazonのセールが実施されたこともあり、爆発的に売れたそうです。
HHKBがもっと好きになるアクセサリーが続々
イベントでは、サードパーティによる新しいアクセサリーが3種類発表されました。
まず1つが、秋葉原に店舗を構えるキーボード専門店「遊舎工房」による「HHKBキーキャップ刻印サービス」。PFU純正の無刻印キーキャップにオリジナル刻印を施すサービスで、イラストレーター形式で入稿すれば好みの文字や絵柄を刻印してくれます。いまのところ英語配列のみの対応で、価格は税別14,000円です。
車のエンジン部品の鋳造用木型の制作を手がける広島県府中市の松葉製作所は、パームレストにもキーボードルーフにもなる「亀甲名栗木製ルーフ」を販売します。熟練の職人が手で作り上げる質感の高い製品で、ブラックチェリーとウォールナットの2種類の素材を用意します。価格は税別29,800円です。
HHKB用のアクセサリーでおなじみのバード電子は、分離型の木製パームレスト「セパレート型ウッドパームレスト」を販売します。HHKBをMacBookシリーズのキーボード上に設置した際、トラックパッドが使える状態でパームレストが設置できるのが特徴です。価格は税別4,000円です。
HHKBは2021年に25周年を迎えます。25周年を記念した製品の計画については未定としながらも、何かしらの製品の準備を進めていることを示唆しました。ぜひ期待しましょう。