今や世界的と言っても過言ではないSUVブーム。日本も例外ではなく、あれほど多かったミドルサイズ・ミニバンよりも見かける回数が増えてきた。2020年の上半期は、トヨタの「ライズ」がSUVモデルとして初めてトップに躍り出たほどで、様々なブランドがSUVタイプの派生モデルを展開している。
そこで今回は自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)のデータから2020年10月に最も売れたSUVモデルのトップ10をピックアップ。昨年、彗星のごどく現れた「ライズ」に迫るモデルはあったのだろうか?
2020年人気SUV車種、10月トップ10
順位 | ブランド通称名 | ブランド名 | 販売台数 |
---|---|---|---|
1 | トヨタ | ライズ | 13,256 |
2 | トヨタ | ハリアー | 9,674 |
3 | トヨタ | RAV4 | 5,001 |
4 | 日産 | キックス | 3,542 |
5 | ホンダ | ヴェゼル | 2,985 |
6 | トヨタ | C-HR | 2,690 |
7 | トヨタ | ランドクルーザー | 2,620 |
8 | ダイハツ | ロッキー | 2,610 |
9 | マツダ | CX-5 | 1,834 |
10 | スバル | フォレスター | 1,833 |
※軽自動車および海外ブランド車を除く
■1位:トヨタ「ライズ」
2019年11月の登場以降、2020年上半期の新車販売台数でもトップに立ったコンパクトSUV「ライズ」。ダイハツのOEM車両で、ハイブリッドエンジンの設定は持たないものの、軽自動車開発のノウハウで活かされた1リッター3気筒エンジンは高い燃費性能を備えている。取り回しのしやすい5ナンバーサイズの車格ながらも、ゆとりのある実用的な室内スペース、現代の車に必要な安全性能を備え200万円前後の価格帯、そして新型「RAV4」テイストのデザインも大ヒットの要因と言えるだろう。
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■2位:トヨタ「ハリアー」
無骨なSUVのカテゴリーにラグジュアリーという要素を持ち込んだことで一躍世界的な人気モデルに上り詰めた「ハリアー」。6月に4代目へとフルモデルチェンジし、新TNGAプラットフォーム採用で高いレベルの車体や最新の安全性能にグレードアップ。もちろん、元祖高級SUVとして自慢のエクステリアとインテリアもさらに洗練されたものに仕上げられている。
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■3位:トヨタ「RAV4」
90年代に5ナンバーサイズのクロスオーバーSUVとして発売され、その後は車格を拡大し、今や世界的人気のミドルクラスSUVとなった「RAV4」。しばらく日本では投入が見送られていたが、SUV人気の上昇で2019年4月に復活を果たした。エンジンはガソリンとハイブリッドを用意し、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」という世界初の4WDシステムで動力性能と低燃費を実現している。
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まだまだ「ライズ」の躍進は続く?
やはり「ライズ」強し、と言ったところだが、決して安くはないプレミアムSUV「ハリアー」が1万台に迫る台数で2位につけている。6月に待望のモデルチェンジをしたこともあるが、やはりSUVの世界を一世風靡した「ハリアー」というブランド力の強さでもあるのだろう。
3位にはミドルクラスSUVの「RAV4」と、トップ3はトヨタが占めているが、それ以降は各社入り乱れての混戦状態。その中でも「ハリアー」と同じ6月に発売された日産の「キックス」は、売れ筋のコンパクトSUVであることや、「プリウス」や「カローラ」も陥落した日産自慢のe-POWERを備えているだけに、もうひと伸びしてもよさそうに思える。
このほかはモデル末期のものが近いが、今やヒットを狙えるのはSUV。トヨタ3強モデルを超えるような、気合いの入ったフルモデルチェンジで挑んでくるはずだ。
※ブランド通称名とは、国産メーカーの同一車名を合算したものであり、海外生産車を含む
※上位台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含む(例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含む)