サントリースピリッツが提供するジャパニーズジン「翠 (SUI)」は、"食べながら飲む"という日本の飲酒習慣に合わせた新しいジンの形を提案している。筆者もそうだが、「ジンを食事とともに楽しむ習慣がない」読者は多いと思う。どのような味わいになるのか想像がつかない方も多いだろう。そこで、翠 (SUI)の割り方や食べ合わせを実際に試してみたので紹介していこう。
テレビCMのキャッチコピー「それはまだ、流行っていない」が印象深い、サントリースピリッツのジャパニーズジン「翠 (SUI)」。ジン本来の味わいに加え、柚子、緑茶、生姜などを加えたこのお酒は、食事をしながらお酒を飲むという日本の習慣に合わせて作られているらしい。
そうはいっても、ジンに「食事をしながら飲むお酒」というイメージを持っている人は多くないハズ。そこで今回は、実際に「翠 (SUI)」でカクテルを作りつつ、居酒屋などからテイクアウトしてきた料理と合わせてみることにした。
最初は公式おすすめレシピから
なにはともあれ、まずは公式Webページに書かれているおすすめレシピから試していきたい。
▼翆×炭酸水「翠ジンソーダ」
翠を炭酸水1 : 4で割る「翠ジンソーダ」は、さすがにハズしようがない安心の味。
初めに柚子のさわやかな香りが立ち、そして生姜の風味で飲み口スッキリ。どんな料理でも合う! というふれこみもあながち間違いではないだろう。一方で、シンプルすぎて単体ではちょっと物足りないかもしれない。
▼「翠ジンソーダ すりおろし生姜」
続いて、翠をより楽しむレシピの1つ「翠ジンソーダ すりおろし生姜」を試したい。
作り方は簡単、翠ジンソーダにすりおろした生姜を小さじ1/2入れるだけだ。生姜を加えるだけで味わいは大きく変化。生姜の香りと後味が翠をキリリと引き立て、口の中をリセットする効果はさらにアップした。
▼「翠ジン 煎茶割り」
一方、翠を煎茶で直接割る「翠ジン 煎茶割り」は煎茶の味が前面に出てくる。
これはお茶好きならグイグイいけちゃうやつだろう。煎茶が口中を洗い流してくれるので、油が多い料理との相性がよさそう。糖質制限をしている人は、トクホのお茶を合わせるのも面白い。
▼翠ジンソーダ ちぎり大葉
最後にもう一品、「翠ジンソーダ ちぎり大葉」をチョイス。
こちらは翠の味を邪魔せず、大葉の豊かな香りがスーッと乗ってくる感じだ。大葉効果で清涼感があり、翠がより飲みやすくなる。今回は独自にトウガラシも追加してみたが、刺激が増してこれもアリ。大葉との相性は非常に良好だ。
居酒屋定番メニューから食べ合わせ!
翠の飲み合わせかたが何となくわかってきたところで、食事もつまんでいきたい。基本的にはシンプルな翠ジンソーダで合わせていこう。
まずは居酒屋大定番、からあげから。
最初はそのまま合わせてみたが、濃厚なからあげに繊細な翠の味がちょっと押される印象。そこでからあげに和素材である山椒を一振りしてみた。すると唐揚げの後味を山椒がさわやかな香気でやわらげ、翠と合わせやすくなった。
次に旬の食材、ブリの藁焼きと合わせてみたい。
たっぷり脂の乗ったブリはそのままでもたまらなくウマいのだが、合間に翠をはさむと、新鮮な味覚で次の一切れに移れる。こういうメニューには「翠ジンソーダ すりおろし生姜」の相性もイイ。
続いてやきとりを試食。
タレと塩を用意したが、相性が良いのはシンプルな塩。翠と合わせることで、より肉の味わいをしっかりと楽しめた。タレを食べるなら、七味唐辛子を振ると相性が良くなる。
公式にない飲み方を試してみる
▼「"ガリ"ジン翠ソーダ」
ここでちょっと独自の飲み合わせを試していくことにする。最初は、焼酎割りではよく知られている「"ガリ"ジン翠ソーダ」だ。
独特の甘酸っぱい香りが加わり、翠が一気にマイルドになる。一方でスッキリ感は和らぐので、味変したい時におすすめしたい。
▼「はちみつ&レモン割り翠ジンソーダ」
より甘さを好む人向けに、「はちみつ&レモン割り翠ジンソーダ」も試してみよう。
これは正直、非常にウマい! 甘めのお酒に抵抗がなければグビグビ行けてしまう絶妙な組み合わせだ。翠に含まれる柚子と生姜が良いのだろうか。
▼「ガリガリ君翠ジンソーダ」
次はちょっとB級な、「ガリガリ君翠ジンソーダ」。
これは安心だと思っていたのだが、思いのほか合わない。駄菓子感のある甘味料が、翠の味わいといまひとつマッチしない感じだ。緑茶の成分が邪魔をするのか? 好きな人もいるかもしれないが、個人的にはアイスをインするなら別のチョイスをオススメしたい。
▼「『ホワイトレディ風』翠カクテル」
最後に、「『ホワイトレディ風』翠カクテル」を作ってみた。
こちらは逆に合うか心配だったのだが、まったくの杞憂だった。コアントローとレモンソーダは翠ともよく合う。柑橘系の風味があると翠はより引き立ち、互いの味を深めてくれる。
天ぷらからおつまみまで一気に行くぞ
口の中に甘味が加わったところで、食べ合わせ後半戦に移りたい。まずは天ぷらを試食。
エビやホタテ、いんげんも合うのだが、思いのほか相性が良かったのがまいたけだ。きのこの濃厚な香りとコリコリした触感が実にグッド。付け合わせは天つゆよりも塩、とくに抹茶塩やわさび塩がよく合う。
次に、だし巻き卵をチョイス。
濃厚に鰹節と昆布の出汁が香る一品で、からあげやタレ焼き鳥のように翠が押されるかと思いきや、こちらはすっと口の中を整えてくれる。個人的には緑茶割りでいただきたい。
続いて、ローストチキンの大葉と梅肉ソースを食す。
正直これは反則。あまりにも素敵なマリアージュだ。鶏肉、大葉、梅肉はシンプルな翠ジンソーダと見事に調和し、互いにウマさを引き立てあう。この組み合わせは鉄板だろう……。
最後は、藁燻製の和風いぶりがっこクリームチーズでゆったりフィニッシュ。
日本酒との相性がよさそうな一品だが、翠との組み合わせも悪くない。濃厚なクリームチーズといぶりがっこをちびちび口にする、翠でスッキリとリセットの繰り返しでだらだら飲み続けられる。
居酒屋メシが合うって最高だ!
ドリンク7種、フード7品をガッツリ楽しんでみたが「居酒屋メシに合う」というふれこみに間違いはなかったと感じる。最初は揚げ物や濃厚な味付けの料理は角ハイボールに譲るかな? と思ったが、和の調味料をちょっと加えることで簡単にバランスが取れると感じた。
だが、やはり合うのは和の食材を使った料理だ。伝統的なジンに加えられた柚子、緑茶、生姜が非常に良い仕事をしている。今回は居酒屋メシと合わせたが、家庭料理との相性も期待できるだろう。まだまだ収束が見えないコロナ禍の宅飲みで、翠は食事をよりおいしくしてくれそうだ。