俳優の故・三浦春馬さんが主演を務める、映画『天外者(てんがらもん)』(12月11日公開)の公開記念舞台挨拶が12日に都内で行われ、三浦翔平、森永悠希、森川葵、蓮佛美沙子、筒井真理子、田中光敏監督が登場した。
同作は幕末から明治初期を生きた実業家・五代友厚を主人公にしたオリジナル作。武士の魂と商人の才を持ち、薩摩藩士から明治政府役人を経て、今日に続く商都大阪の基礎を作り上げた五代の人生を中心とした歴史青春群像劇となる。
坂本龍馬役の三浦翔平は、「春馬とともに、今日は我々皆さんとここにいるので、短い時間ですがよろしくお願いします」と挨拶。「もともと龍馬の役については、春馬とご飯を食べていた時に『今回、天外者という映画で、僕が五代という役をやるんだけど、坂本龍馬を翔平にやってほしいんだ』という話を聞いて」と振り返る。「(出会って)10年以上経ったから、一緒にやりたいねと言ってて、『春馬が言ってくれるんだったら、それはやりますよ。じゃあ正式にオファー待ってます』というところから始まったんです」と明かした。
さらに「現場に行けない時、なかなか会えない時に、春馬が『読み合わせしよう』と言ってくれて。サーフィンに行く車の中とか、電話とか、会えない時間があったら作って読み合わせをして、2人でやっておいて現場に入ったという感じですね」とエピソードを披露。「僕の龍馬は春馬がいたからできた龍馬なので、本当に感謝してます」と語った。
田中監督も「リハーサルに翔平くんがいない時なんかは、不安になるじゃないですか。そういう時に春馬くんが『監督、大丈夫、安心して。翔平にちゃんとこの雰囲気を伝えて読み合わせしとくから』と言ってくれて」と感謝。「次来た時は完璧に役になって、翔平くんが作ってきてるので、いいコミュニケーションをとって、座長として素晴らしい役目を果たしてくれた。主演・三浦春馬という感じですね」と絶賛する。
また高校の同級生であり、夫婦役となった蓮佛も「私も正式にオファーをいただく前、ご飯に行った時におもむろに企画書を取り出して『今度こういうのやるんだけど、やらない?』と言うから、『いつからプロデューサーになったの?』みたいな」と笑顔を見せ、田中監督は「ずっと前から」と一言。田中監督は「本当に配慮の男なんですよ。彼は影でちゃんと支えてくれていた。こういう話を聞くのはこのキャンペーンになってからなんです」としみじみしていた。
改めて三浦翔平は「彼はね、もう本当に自分のことよりも、共演者だったりスタッフさんだったり、そういう方たちを自分以上に見て、自分以上に大切にしてる人だったので。常に誰かのことを気にかけて、常に周りのことを見て、誰かが元気なさそうにしたら駆け寄って『どうしたの?』と声をかけるような男。座長としてもだけど、人として本当に素晴らしい男です」と語る。さらに「完成作を見た三浦春馬さんがどんな感想を持つか?」という質問には、「何て言うんだろうな。多分そこにいると思うんですけど、照れてんじゃないですか」とにやり。「幕が開いてみなさんにお届けできたことを誰よりも感謝してると思うし、誰よりも悔やんでるかもしれないし。でもたぶん爽やかな笑顔で『ありがとう』と言ってるんじゃないですか」と予想した。
フォトセッション時には、三浦翔平が周りに話しかけて、主演である三浦春馬さんの場所を空けての撮影も。最後にはMCから登壇者の名前が読み上げられた後に、「主演・三浦春馬さんでした!」という紹介がなされた。