消費者庁が、人気の家庭用テレビゲーム機などを販売しているかのように装う偽の通信販売サイトに関する注意喚起を行っている。まっとうな販売サイトに見せかけた詐欺サイトの横行が確認されており、そこで商品を購入し、入金しても商品が届かないといった被害が発生している。

  • 実際に確認された偽サイト(屋号:PLUS)の例

    実際に確認された偽サイト(屋号:PLUS)の例

巣ごもり消費を狙った詐欺なのか、今年の夏以降、特に被害が拡大しているようで、本来あり得ないような激安価格の提示、逆にプレミア価格を提示してさも品薄商品の在庫があるかのように装うなど、巧妙で悪辣な手口も見られる。よくある不自然な日本語が散見されるようなあからさまな詐欺サイトではなく、一見すると問題のない通販サイトを装っているので、判別は中々難しいようだ。検索エンジンで商品名などを検索すると検索結果の上部に表示されていたという報告もあるので、ますます注意が必要だろう。

  • リスティング広告の仕組みを悪用して、検索結果の上部に詐欺サイト(屋号:PLUS)が表示されてしまっている

    リスティング広告の仕組みを悪用して、検索結果の上部に詐欺サイト(屋号:PLUS)が表示されてしまっている

消費者庁では消費者安全法に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表。消費者に注意を呼びかけるとともに、情報を都道府県及び市町村に提供し、周知している。同庁がこれまでに確認した偽の通信販売サイトは次のとおり。

サイトの屋号 URL アクセス可能期間
OTOKU https://www.otokustore.jp 8月上旬~中旬
TAKUMI https://www.takumistore.jp 8月中旬~9月上旬
Gaming https://www.gamingstore.jp 9月中旬~下旬
SELECT STORE https://www.selectstore.jp 10月上旬~中旬
E STORES https://www.estores.jp 10月中旬~下旬
SMART STORE https://www.smartstore.co.jp 11月上旬~中旬
FIRST https://www.1store.jp 11月中旬~12月上旬
PLUS https://www.plustore.jp 12月上旬~

同庁では、これら詐欺サイトの特徴として、以下を挙げている。

  • 家庭用テレビゲーム機「Nintendo Switch」、パソコン、スマートフォン、カメラ、家電製品などを通信販売しているかのように装っている。
  • その中でも、特に、消費者に人気があるNintendo Switchの特集ページをサイト内に設けて、消費者を誘引している。
  • 外観は普通の通信販売サイトのようであり、不自然な日本語表記もみられず、一見しただけでは偽サイトと気付くのは困難。
  • 各サイト内には「ご利用規約」のページがあり、それぞれ別の事業者の情報が記載されているが、これらの情報は全て虚偽のものであり、また、代表者の氏名、サイト運営責任者の氏名、電話番号は記載されていない。このほかにサイトの運営者の手掛かりになる情報はなく、運営者の実体は不明。

現時点で運営者の実態は不明とのことだが、確認されている各サイトの構成が似通っており、さらに取引時に送付されるメール文面もほぼ同一であるなど共通性があることから、同一犯によるものと考えられているようだ。なお、詐欺取引で商品代金の振込先に用いられた口座は全て「個人口座」で、確認できているだけでも約40の個人口座が振込先に使われており、これらは恐らく不正な手段で入手された口座と見られる。被害報告に基づき口座は順次凍結されているが、詐欺被害で振り込まれたお金は既にほとんど引き出されてしまっている状態だという。

クリスマスも迫ったこの時期だけに、子どもへのプレゼントのつもりが最悪の思い出になってしまっては悔やんでも悔やみきれないだろう。卑劣な詐欺サイトの運営者は許せないが、自己防衛もしっかり心がけておきたい。

被害に関する相談は、最寄りの消費者センター等を案内する「消費者ホットライン」(電話番号は局番無しの「188」)、または警察相談専用電話(電話番号は局番無しの「#9110」)へ。