仮面ライダーファン待望の二本立て映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』(監督:杉原輝昭)『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』(監督:柴崎貴行 ※柴崎監督の「崎」は立つ崎が正式表記)がこのたび完成(2020年12月18日全国公開)し、両作品の主要キャストとゲストによる完成報告会が10日、丸の内TOEIにて行われた。
『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』は、今年8月に放送を終了した特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』の最終回の"その後"の物語で、世界を崩壊に導き"楽園"を築こうとする強敵・仮面ライダーエデン/エス(演:伊藤英明)に立ち向かい、人々の"生命"と"夢"を守る「仮面ライダー」たちの激闘が描かれる。
人々の生活を助ける人工知能(AI)搭載人型ロボット=ヒューマギアに自らの"夢"を見出す「飛電インテリジェンス」社長、仮面ライダーゼロワン/飛電或人を演じる高橋文哉は、劇場版公開にあたって「視聴者のみなさま、大変お待たせいたしました!という気持ちがいちばん大きいです。そして、お待たせした分すばらしい作品ができたと思っておりますので、公開をぜひ楽しみにしていてください!」と心情を語り、"コロナ禍"による製作の遅れをはねかえす、良質の映画が完成したと期待をあおった。
常に全力を尽くして人々を助ける熱血漢・仮面ライダーバルカン/不破諌を演じる岡田龍太郎は、映画の注目ポイントとして「今回は、5人のライダーが同時変身を行います。バルカン、バルキリー、サウザーの3人変身はテレビでもあったのですが、今回は迅と滅も共に戦いますからね。これは初めてのことで、とてもカッコいいと思います。不破諌の見どころとしては、ちょっと"笑い"を取るシーンがありますので、ぜひクスっとひと笑いしていただければ」と、諌の一押しシーンを挙げた。
社長秘書として或人を支えるイズと、人間の悪意をラーニング(学習)した衛星アークの使者アズの2役を演じる鶴嶋乃愛は、映画について「映画では、60分にわたるエスの"事件"をリアルタイムで描いていきます。この60分で、或人とイズがどのように成長していくのか、注目してほしいと思います」と、テレビシリーズ最終回から月日の経ったイズが、世界をゆるがす大事件の中でいかなる"成長"を遂げるかが見どころだと話した。そして、映画全体の感想としては「ウルウル来ちゃいましたね。1年間この役を演じてきたという私自身の思いもありますし、或人とイズの"関係性"に感動してもらえればいいなと思います」と、観る者の心を揺さぶる内容の映画になっていることをしっかりと強調した。
内閣官房直属の特務機関「A.I.M.S.」を率いて活躍する仮面ライダーバルキリー/刃唯阿を演じる井桁弘恵は、「映画の中では亡(演:中山咲月)とシェスタ(演:成田愛純)と一緒にいるシーンが多くて、映画ならではの組み合わせだなあと思いました。テレビでは女子三人が集まることってなかったので、撮影中はワイワイと楽しくやっていました。そんなところにも注目してください」と、人間とヒューマギアとの新しい関係性を示した最終回を受け、魅力的な女性キャラクターが同一画面に収まる部分を見どころとして挙げた。
ヒューマギアとして自己を守りつつ、人間の悪意を見張る「滅亡迅雷.net」のひとり、仮面ライダー迅/迅を演じる中川大輔は「テレビシリーズ後半ではシリアスな演技が多かったのですが、この映画では岡田さんと一緒にコミカルな部分を演じさせていただいていますので、そういうところを楽しんでほしい」と、これまでになかった「諌と迅」コンビでの活躍を見てほしいと語り、さわやかな笑顔を見せた。
迅の"父親"的存在であり「滅亡迅雷.net」のリーダー格、仮面ライダー滅/滅を演じる砂川脩弥は「僕は迅と違って、テレビシリーズではずっと"人類の敵"をやってきましたが、映画では人類を守るための戦いに臨みます。いざ"味方"になると思うと戸惑ってしまって、杉原監督に相談して、助けていただきながら演じました。テレビとは違う、ヒーローのようにカッコいい滅を楽しんでください」と、目を輝かせながら見どころを語った。
人間の潜在能力を引き出すザイアスペックを開発した「ZAIAエンタープライズ」の元社長で、現在は「サウザー課」の課長を務める仮面ライダーサウザー/天津垓役・桜木那智は「映画では天津垓がサウザンドジャッカーをふるって"生身"で戦うシーンがあり、僕としても非常に心に残っています。テレビでは主に変身してから戦いますから、生身でのアクションは初めてでした。ぜひご注目ください」と、いまだ諌や唯阿たちから不信感を持たれながらも、彼らをサポートしながら激しいアクションに挑んだ部分を強く打ち出した。
本作のメインゲスト、"楽園"を作るべく大勢の信者に命じて世界各国で同時テロを行った仮面ライダーエデン/エスを演じる伊藤英明は、「自分には5歳の息子がいて、毎週いっしょに『ゼロワン』を楽しく観ていました。だから映画が作られると知って、どんな役でもいいので関わりたいと思っていたんです」と、以前からゼロワンの大ファンだったことを改めて語った。少年時代『仮面ライダー(新)』(1979年)『仮面ライダースーパー1』(1980年)に夢中だったと語る伊藤は、親子で楽しんでいる『ゼロワン』映画への出演が「息子への最高のクリスマスプレゼント」だと語り、目を輝かせた。映画の見どころについては「これまで人類とヒューマギアを救ってきた或人が、こんどの映画では"何"を救うのか、このドラマに注目してほしい」と、本作のテーマ部分を鋭く突くコメントを残し、映画への興味をあおった。
エスの"信者"たちのリーダー的存在、仮面ライダーアバドン/ベル役の福士誠治も仮面ライダーの大ファンであり、かつて仮面ライダーシリーズのオーディションを何度か受けたこともあるという。福士によれば「3回落ちています。20年近くの時を経て、仮面ライダーに変身できる役になれるなんて、とても嬉しく、素敵な時間を過ごせました。変身シーンでは、現場で『へ~んしん』と叫んだら『古い!』と言われました(笑)」と、オーディションの雪辱を晴らした喜びと、最初の変身の際に大仰な"溜め"を作ってしまってスタッフからツッコまれた事実を明かした。
エデンに敗れた或人が迷い込んだ不思議な空間で出会った謎の女性・遠野朱音を演じる山崎紘菜は、仮面ライダーシリーズへ参加した感想を聞かれると「高橋くんが着けている変身ベルト(飛電ゼロワンドライバー)を見てテンション上がってしまい、『貸して貸して!』ってずっと言ってて困らせていました(笑)」と、高橋の変身にあこがれていたことを明かした。映画の内容については「試写を見て、泣きました」と告白し「心にグッとくるシーンがあり、思わず涙が出てきました。とてもすばらしいストーリーです」と、アクションやサスペンスだけでなく"感動"の要素も重要な見どころだと語った。
大胆かつスピーディーなカメラワークによって、体感アトラクションのような映像体験を視聴者に与えてくれる俊英・杉原輝昭監督は、本作でも縦横無尽にカメラを動かし、臨場感と意外性に満ちた斬新なビジュアル表現に挑戦している。新型コロナ感染拡大によって映画製作が困難な状況にあるなか、本作が完成したことについて杉原監督は「ひとえにここにいるキャストのみなさんや、現場スタッフたちの実力と努力あってこそ。本当に大変な中の撮影で、完成するのが"奇跡"のようですが、みんなが力を合わせた結果、とんでもなく良い作品を作ってくれました。胸を張って、ゼロワンの"卒業制作"と呼べる作品ができたと思っています」と、厳しい状況の中で力を合わせ、最高の映画に仕上げたキャスト、スタッフの絶えまない苦労を称えつつ、作品の出来栄えに自信をうかがわせた。
ここでMC(寺迫麿)から伊藤に「仮面ライダーエデンへの変身をぜひ見せてほしい」とリクエストが入った。伊藤は映画の撮影で初めてエデンドライバーを身に着けたときのことをふりかえり「手元を見ないでキーをベルトに装填するのは、本当に難しい。これを難なくやってのける高橋くんはすばらしいですね。最初は"変身できる喜び"のあまり手がふるえて、感動で泣きそうになりましたが、恥ずかしいので笑ってごまかしました」と、ニッコリ笑顔を見せた。
変身のSE(効果音)が鳴り響く中、ピンスポットを浴びた伊藤は、堂々と「変身!」のかけ声を放ち、神々しいまでの変身ポーズを披露し、キャストと杉原監督からの大きな拍手を集めていた。
改めて本作に取り組んだ日々をふりかえった伊藤は「月並みですけど、人に"夢"を与える仕事ができてよかった。観てくださるお客様の顔を想像しながら役や作品に向き合っている現場だと感じられて、すごく幸せな時間を過ごせました」と、『仮面ライダー』シリーズへの変わらぬ憧れと愛着の強さを示した。
最後にマイクを手にした高橋は「先ほど杉原監督もおっしゃっていましたが、これがゼロワンの卒業制作であり、1年間の集大成。この映画をすばらしいキャスト、スタッフで作り上げることができました。ぜったいみなさんに楽しんでもらえると、自信をもって言うことができます。ゼロワンの最後の物語を、見守ってもらえたら幸せです!」と語って、『ゼロワン』の最終エピソードとなる本作について、少し名残惜しそうにしつつも、多くのファンに最後まで変わらぬ熱意での応援を呼びかけた。
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