2020年12月18日から公開される『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』(監督:柴崎貴行 ※柴崎監督の「崎」は立つ崎)『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』(監督:杉原輝昭)の完成報告会が10日、丸の内TOEIにて行われ、両作品の主要キャストとゲスト俳優陣が登壇した。

  • 『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』キャスト陣。上段左から岡宏明、生島勇輝、青木瞭、富樫慧士、下段左から山口貴也、内藤秀一郎、谷口賢志、川津明日香

『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』は、現在テレビ朝日系で好評放送中の特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』初の劇場版。封印されていたはずの「破滅の本」が、謎に包まれた"不死身の剣士"バハトによって解放されてしまった。神山飛羽真をはじめとする"ソードオブロゴス"に属する6人の剣士は、世界を救うため最大の危機に挑んでいく……。

仮面ライダーセイバー/神山飛羽真を演じる内藤秀一郎は、劇場版が完成したことについて「ひと足お先に映画を見せていただいたのですが、20分の短編だったはずなのに、体感的には40分くらいあるんじゃないかと思えるくらい迫力満点な作品でした。早くみなさんに観ていただきたいです!」と熱く語り、映画の出来栄えに満足そうな表情をうかべた。

仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎役・山口貴也は「普通のホモ・サピエンスのみなさん、こんにちは!」と、第1章での名セリフを用いて挨拶。映画の見どころとしては「短い時間の中に、『セイバー』という作品の中で伝えたいメッセージが詰まっていますので、劇中のセリフひとつひとつを意識して観ていただければ」と、キリリとした顔つきを崩さずに映画のメッセージ性の高さをアピールした。

陽気で元気な編集者、須藤芽依役・川津明日香は映画の感想として「仮面ライダーみんなの思いがひとつになっているのがわかって、すごく感動しました」と、ソードオブロゴスの6人の剣士たちが世界を救うため、それぞれの力を尽くして戦う姿に心を打たれたことを明かした。映画での芽依の見どころを尋ねられると「ひとりの少年に、仮面ライダーとはどういう存在なのかを"伝える"役割です。テレビよりも少し大人っぽい芽依ちゃんになっています」と、テレビシリーズとは一味違う芽依の魅力を伝えた。

自身の思いを貫くクールな剣士・仮面ライダーエスパーダ/富加宮賢人を演じる青木瞭は、「すべてが見どころ。特に仮面ライダー6人が同時にそろって変身するシーンがカッコいいです!」と、テレビシリーズではなかった「6人同時変身」の迫力と、バトルシーンでの各ライダーの見せ場について語った。

最強の「子育て王」を名乗る、強く優しく豪快な剣士・仮面ライダーバスター/尾上亮を演じる生島勇輝は「6人の仮面ライダーはキャラクターがまったく違っていて、それぞれの魅力があると思います。エンドロールにも6人の個性が色濃く出ているので、映画の最後まで楽しんでいただければ」と、個々のキャラクターの魅力を打ち出して笑顔をのぞかせた。

"強さは正義"と信じる若き剣士・仮面ライダー剣斬/緋道蓮役の富樫慧士は、「まるで仮面ライダーが戦っている、その場にいるかのような"臨場感"ある戦闘シーンにハラハラしてもらえると思います!」と、CGを駆使して縦横無尽に飛び回る仮面ライダー剣斬の忍者アクションをはじめとする、各ライダーの魅力について語った。

普段は寡黙な刀鍛冶。しかし変身すると人格が豹変してファンキーになる仮面ライダースラッシュ/大秦寺哲雄を演じる岡宏明は、「今回の劇場版には、テレビシリーズの"これから"の展開につながる伏線がいくつかありますので、全編を注意深くご覧いただけると今後のテレビシリーズがいっそう楽しめるのではないでしょうか」と、テレビシリーズと映画に密接な関係があることを明かした。

本作のゲスト、現実世界とワンダーワールドの両方を"無"に帰そうとする危険な敵・仮面ライダーファルシオン/バハトを演じる谷口賢志は、最初の挨拶で「仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁役の……」と、かつて演じた『仮面ライダーアマゾンズ』の役名を言いかけて内藤たちからの"ツッコミ待ち"をするなど、さすがは"仮面ライダーの先輩"らしく余裕のある挨拶を見せた。

『アマゾンズ』は、「日曜朝」の仮面ライダーシリーズの流れとは別の配信ドラマとして作られた作品であり、子どもたちの目を意識していないハードなバイオレンス描写が持ち味の超・異色作だったが、これについて谷口は「トンガりすぎて、平成ライダー、ニチアサライダーって枠から外されることが多くて……。仮面ライダーとしての最後の思い出は、アマゾンズ劇場版『最後ノ審判』の舞台挨拶で、上半身ほぼ裸の状態で4DXの映画を見せられ、水しぶきを浴びていたことだった」とボヤく場面が見られた。そして「今回、ようやくニチアサの流れのライダーに呼んでいただけた!と喜んでいたら、また上半身裸! 東映さんは僕に洋服を着せる気がないんだな、と思いました。撮影は楽しかったです!」と、なぜか素肌の露出の多い役が多いことを嘆きながら、『セイバー』の撮影を楽しそうにふりかえった。

バハトが変身する仮面ライダーファルシオンについて谷口は、「敵が強大であればあるほど、ヒーローは強くなれるものですので、ファルシオンも徹底的に強くありたいと思って演じました」と語り、何度倒されてもよみがえる"不死身"ぶりを打ち出すファルシオンを魅力ある"敵"として演じあげたことに満足げな表情を見せた。

ここで、谷口に仮面ライダーファルシオンの「変身」を見せてほしいというリクエストが、MC(寺迫麿)から寄せられた。変身ベルト「ソードライバー」を巻いた谷口は、ピンスポットを当てられながら、凄みをも感じさせる笑い声、そして唸り声をあげての変身モーションを披露。大の仮面ライダーファン、中でも『仮面ライダーアマゾンズ』が大好きだという岡を感激させた。

内藤は「カッコいいし、怖い! 現場での谷口さんは、醸し出す雰囲気、オーラが凄かったんです。最初は近づきにくかったのですが、話しているととても優しくて、演技と普段のギャップがすごい」と、谷口の役者根性、演技にかける鬼気迫る情熱に感心しつつコメントした。しばし感激が止まらないといった感じの岡は「変身の途中で"無音"になる演出は、他のライダーにはない。そこがカッコよさなんだなって思いました。まさに聖剣"無銘剣虚無"を使うファルシオンの名に恥じない変身でした!」と、仮面ライダーを愛する者として"ガチ"の分析を行い、谷口をたじろがせた。

変身を終えた谷口は「前のアマゾンアルファはベルトのグリップをひねるだけでしたから、こういう大きなポーズをつける変身ができてうれしいです」と、聖剣を大きく振り回すアクションのついたファルシオンの変身シークエンスをやりとげた喜びを語った。

映画のクライマックス、セイバーとファルシオンの対決シーンについて、内藤は「お互い絶対に引かない戦いなので、すごい迫力ある映像になっていると思います。谷口さんの演技を見て、すごすぎて負けそうになるんですけど、セイバーとしては負けないようなんとか頑張ってみました!」と、"先輩"の迫力に自分なりに挑戦したことを打ち明けた。

谷口は、仮面ライダーの"後輩"である内藤たちに対し、「年上として、ライダーの先輩として"背中"を見せることができればと思って、全力でやらせてもらいました。アフレコのときにみんなとお会いしたんですけど、すごく一生懸命やっているので"みんなマジメだなあ、偉いなあ"と思っていました。僕が『ゴーゴーファイブ』をやっていたときは、こんな朝早くから大きな声を出さないといけないのか、イヤだなあと思いながらやっていた(笑)」と、谷口がヒーローを初めて演じた『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999年)時代の思い出を振り返り、内藤をはじめとする『セイバー』キャストの頑張りを頼もしく感じていたことを明かした。

最後にマイクを手にした谷口は「仮面ライダーはヒーロー作品、エンターテインメントとして、人々の思いをたくさん背負って活躍してきました。これからもより多くの人たちの思いを背負ってもらえるように、今回のバハト役を全力で演じました。……ここまでは"表向き"の挨拶……。(本音の挨拶は)この映画を足掛かりにして、できればここにいるライダーを全員ぶっ倒して、『仮面ライダーファルシオン』という番組に変えてやろうと思ってます! そして必ず地上波に帰ってきますので、そのときはまた取材に来てください!」とまさかの「番組乗っ取り宣言」を笑顔で行って、キャスト一同をあわてさせた。

内藤は「この作品は僕の"初主演映画"ですから、タイトルを『仮面ライダーファルシオン』になんてさせません! みなさん、どうぞよろしく応援お願いします!」と、谷口の"圧"に負けてしまわないように力を込めて、映画を楽しんでもらいたいと熱烈アピールした。

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