ガス代は、毎月かかる費用だからこそ少しでも節約したいものです。そもそもガス代は、実際のガスの使用量だけでなく、都市ガスかプロパンガスのどちらを使っているかによっても変わってきます。多くの場合、プロパンガスを使っている家庭は、都市ガスを使っている家庭よりもガス代が高くなる傾向があります。

しかし、プロパンガスだからといって、高いガス代をあきらめる必要はありません。ここでは、ガス代を見直すポイントのほか、キッチン、風呂場、リビングといった場所別にガス代を節約する方法についてご紹介します。

  • ガス代を節約する方法は? 日々の生活で気をつけるべきポイントを紹介

    ガス代を節約する方法は? 日々の生活で気をつけるべきポイントを紹介

ガス代を見直すポイントは?

ガス代が高いと感じたら、日々のガスの使い方を工夫するほかに、ガス代を抑えるためのポイントがあります。毎月のガス代を引き下げることができれば、年間で考えたときには大幅なガス代の削減効果が期待できます。まずは、ガス代を見直すためのポイントを見ていきましょう。

契約プランやガス会社を変更する

現在契約しているガス会社のプランを見直すことで、ガス代の節約につながることがあります。

都市ガスは、2017年4月より小売全面自由化となりました(※1)。そのため、消費者は都市ガスを使っている場合でも、プロパンガスを使っている場合でも、自由にガスの提供会社を変更することが可能です。

例えば、電気とガスをまとめることで割引が適用されるなど、お得なプランがある提供会社に乗り換えるといった方法があります。今よりもガス代が安い提供会社に変更できれば、それだけガス代を節約できるでしょう。

プロパンガス(LPガス)を都市ガスに切り替える

プロパンガスとは、液化石油ガスのことで、ガスボンベを使って家庭にガスを供給しています。一方、都市ガスの成分は液化天然ガスで、地下のガス管を通じて各家庭にガスを供給します。

プロパンガスは、都市ガスの約2倍の熱量があるため、都市ガスよりも使用量を抑えられます。ただし、ガスボンベの運搬費といった人件費がかかりますので、都市ガスよりもガス代が約1.2~2倍高くなる傾向があるのです。

そのため、プロパンガスを使っている家庭は、都市ガスに切り替えることでガス代を抑えられる可能性があります。

ただし、都市ガスに切り替えるためには、家の近くまでガス管が通っている必要がある上に、自宅にガス管を引く工事をしなければいけません。切り替え工事代といった費用もかかるでしょう。なお、家の立地的にガス管を引くのが難しい場合や賃貸住宅の場合は、このような方法はとれないことがあります。

都市ガスが利用できるかどうかは、都市ガス会社のウェブサイトで調べることができますので、お住まいのエリアが該当しているか確認することをおすすめします。

あわせて読みたい : 「都市ガスとプロパンガスの違いとは? ガス代の節約方法も紹介

オール電化にする

オール電化にすれば、ガスを使わなくなりますので、ガス代の基本料金分を節約できます。オール電化は、夜間の料金が割安になるプランや、火を使わないので火災のリスクを減らせるといったメリットがあります。

ただし、オール電化にするためにはリフォームが必要ですので、初期費用がかかります。

  • 毎月のガス代を引き下げるためのポイント

    毎月のガス代を引き下げるためのポイント

キッチンでのガス代の節約方法

ガスをよく使う場所のひとつに、キッチンが挙げられます。続いては、ガス代を抑えるために、キッチンでガスを使うときに気をつけたいポイントをご紹介します。

ガスコンロの火を強くしない

ガスコンロの火を強くすれば、それだけ多くのガスを使うことになります。さらに、フライパンや鍋の底からはみだすような大きな火を使うと、調理器具の劣化が進んでしまうでしょう。経済産業省・資源エネルギー庁のウェブサイトによると、1日3回、水1Lを沸騰させるときに強火から中火にした場合、年間で約390円の節約になります(※2)

ガス代を抑えるためには、ガスコンロの火を弱火~中火にすることをおすすめします。

ガスコンロの火を使う時間を短くする

煮込み料理などの際に圧力鍋を活用すれば、火にかける時間を短縮することができます。

例えば、T-falの圧力鍋「クリプソ ミニット デュオ」の場合、通常の鍋を使って調理するときの、最大3分の1の時間でおいしい煮込み料理が作れます。

調理時間が短くなることでガス代を抑えられ、おいしい料理も作れるのはうれしいポイントです。

電子レンジや電気ケトル、電気ポットを使用する

食材の解凍に電子レンジを使うことで、ガスの使用量を減らすことができます。特に、食材の下ごしらえでは、電子レンジのほうが光熱費を抑えられる場合が多いです。

経済産業省・資源エネルギー庁のウェブサイトによると、ブロッコリーやかぼちゃを、ガスコンロから電子レンジでの下ごしらえに変えた場合、年間約1,060円の節約になります(100gの食材を1Lの水で沸騰させる場合と電子レンジを使用した際の比較。1日1回を360日で計算)(※2)。時短や手間の削減にもつながりますのでおすすめです。

また、お湯を沸かすときに電気ポットを活用したりすることでもガスの使用量を減らすことができます。ただし、電気ポットでずっと保温しておくと、電気代がかさんでしまう可能性があります。低めの温度で保温して、必要なときに再沸騰させるようにしましょう。

冷凍した食品は解凍してから火にかける

冷凍した野菜や肉を加熱するときは、解凍してから火にかけましょう。そのまま調理すると、火が通るまでに時間がかかって、ガスコンロを使う時間が長くなってしまいます。

食材の解凍は電子レンジでもできますが、肉は冷蔵庫に入れて低温でゆっくり解凍したほうが旨みである肉汁を保てるといわれています。あらかじめ冷蔵庫に移して解凍しておくと、電子レンジの電気代も節約できるのでおすすめです。

IHクッキングヒーターに変える

ガス代が高いプロパンガスを使っていて、都市ガスに切り替えができない場合は、ガスコンロをIHクッキングヒーターに切り替えるという方法があります。

なお、一般的な都市ガスとIHクッキングヒーターの場合、都市ガスのほうが光熱費は安くなる傾向があります。また、電気代のプランによっては、IHクッキングヒーターのほうがお得になる場合もありますので、キッチンの使い方や環境に合わせて検討するといいでしょう。

お湯の温度を下げる

冬場や食器の油汚れがひどいときは、食器洗いをするときにお湯を使うことがあります。その際、お湯の温度を下げることで、ガス代を節約することができます。寒い冬場だとしても、冷たさを感じない程度の温度にとどめることが大切です。

また、お湯を使う量を減らすこともガス代の節約につながりますので、食器洗いの際に水を溜めて使ったり、食器をまとめ洗いしたりして、水を出したままにしないことを心掛けましょう。

  • キッチンでガスを使うときに気をつけたいポイント

    キッチンでガスを使うときに気をつけたいポイント

風呂場でのガス代の節約方法

ガスはキッチンだけではなく、風呂場でも使用しています。続いては、風呂場でガスを使う際にできる、ガス代の節約方法をご紹介します。

お湯はりの量を減らす

風呂に貯めるお湯が多ければ、その分ガス代がかかります。あふれるほどお湯を貯めるのは避けましょう。

風呂の追い焚きの回数を減らす

風呂のお湯の追い焚きは、ガス代を上げる原因になります。経済産業省・資源エネルギー庁のウェブサイトによると、2時間放置して4.5℃低下したお湯(200L)の追い焚きを1日1回やめることで、年間約6,190円の節約になります。

家族が多い場合はお湯が冷めないように、風呂の蓋や保温シートを使ったり、時間を空けずに入浴したりといった工夫をして、追い焚きの回数を減らしましょう。

シャワーを使いすぎない

シャワーを使うときは、お湯を流したままにせず、頭や体を洗うたびに止めると水道代とガス代の節約につながります。経済産業省・資源エネルギー庁のウェブサイトによると、1日1回、45℃のシャワーのお湯を1分間短縮して使った場合、年間で約2,070円のガス代の節約になります(※2)

また、節水シャワーヘッドを使うこともおすすめです。例えば、タカギの節水シャワーヘッドの場合、家族4人が1日1回使用すると、水道代とガス代が年間で3万4,692円の節約になります。節水シャワーヘッドにすることで、無理なくガス代と水道代の節約ができるでしょう。

  • 風呂場でガスを使う際にできる、ガス代の節約方法

    風呂場でガスを使う際にできる、ガス代の節約方法

リビングでのガス代の節約方法

最後に、リビングでできるガス代の節約方法についてご紹介します。

ガスというと、キッチンや風呂のイメージが強いかもしれませんが、ガスを使った暖房器具もあります。暖房器具についても、ガスの節約を意識しましょう。

ガスファンヒーターの設定温度を低くする

ガスファンヒーターを使っている家庭では、設定温度を下げることでガス代を節約できます。経済産業省・資源エネルギー庁のウェブサイトによると、外気温度6℃で、ガスファンヒーターの設定温度を21℃から20℃に下げて1日9時間使用した場合、年間で約1,320円の節約になります(※2)

もちろん、ガスファンヒーターは部屋を暖めるために使う物ですから、寒さを我慢してまで設定温度を下げる必要はありません。しかし、設定温度を1℃下げるだけでもガス代の節約効果があります。無理のない範囲で設定を見直してみましょう。

ガスファンヒーターをこまめに掃除する

ガスファンヒーターは、フィルターをこまめに掃除することで効率がアップし、ガス代の節約につながります。

温風の吹き出し口やフィルターのほこりは、掃除機で吸い取りましょう。特に汚れがひどい場合は、フィルターを中性洗剤で洗うときれいになります。

ガス温水式床暖房は設定温度を低温にする

床暖房は電気式のほか、ガスを使ったガス温水式タイプもあります。ガス温水式床暖房を使っている家庭は、床暖房の設定温度を低めにし、必要以上に設定温度を変更したり、オンオフを繰り返したりしないようにするとガス代を抑えられます。

また、ガス温水式床暖房は、スイッチをオフにした後も余熱でしばらく温かさを保つため、就寝の30分程前にオフにすると利用時間を短縮でき、節約につながるでしょう。

タイマー機能などでつけたままを防止する

ガスを使った暖房器具全般に共通する対策として、タイマー機能の活用が挙げられます。暖房をつけたままにしておくことがないよう、タイマーを設定して、一定時間経過後にスイッチが切れるようにしておきましょう。そうすることで、消し忘れを防ぐことができます。

  • 暖房器具についても、ガスの節約を意識しましょう

    リビングでもガスの節約を意識しましょう

ガス会社の見直しと日々の工夫でガス代を節約しよう

ガス代を節約するときは、ガス会社のプランの見直しや提供会社の切り替えを検討してみましょう。

また、ガス代の節約には、日々の工夫も大切です。料理をする際の下ごしらえや入浴時のガスの使い方、暖房機器の設定温度を下げることなど、できるところから試してみてください。

節約効果がわかりやすいところから見直していくと、節約意識を持続させることにつながります。自然と節約につながる習慣を身につけて、お得に生活できるようにしましょう。

参照 :
(※1)経済産業省・資源エネルギー庁「ガス小売全面自由化
(※2)経済産業省・資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約