子どもの帰宅が遅くなったときなど、事故などにまきこまれていないか心配……そんな親をサポートしてくれるのが、子どもの現在地を確認できる各種の「見守りサービス」です。現在さまざまな見守りサービスがありますが、ソニーネットワークコミュニケーションズが12月10日に見守りサービス「amue link(アミューリンク)」を発表しました。12月中旬から順次サービスを提供します。
amue linkは、子どもに世界最小・最軽量(ソニーネットワークコミュニケーションズ調べ)のGPS内蔵専用端末「LM-01」を携帯させ、親側のスマートフォンに専用アプリを導入。スマホアプリに対して子どもの位置情報を通知したり、ボイスメッセージによる双方向のコミュニケーションを実現します。
消しゴムくらいの小型サイズながら各種センサーを搭載
子どもに持たせる専用端末「LM-01」の価格は12,600円(割賦払いの場合は350円、36カ月)。サービス月額利用料金は980円/月(いずれも税別)です。当初は、ソニーネットワークコミュニケーションズの光回線サービス「NURO 光」のオプションサービスとして提供しますが、使える環境と販路は拡大していく予定となっています。LM-01にはLTE通信用の専用SIMが内蔵されており、回線はMVNOとしてのソニーネットワークコミュニケーションズ回線です。
LM-01は、本体正面にホームボタンをひとつ配置したシンプルなデザイン。ホームボタンを囲むようにリング型LEDがあり、親からボイスメッセージが届くとLEDが点灯します。操作ボタンはひとつだけで、液晶画面もないので小さな子どもでも操作を簡単に覚えてくれそうです。
驚くのはその小ささ。本体サイズは約幅26×奥行12.3×高さ60mmと、一般的な消しゴムと同じサイズ。重さは23.7gと単3形乾電池×1本ほどで、子どもの負担にならないサイズと重さ。これは2020年12月現在、防水・防塵対応の音声機能付き LTE GPS トラッカーとして世界最小・最軽量のサイズと重さとのことです。
本体にはストラップホールがあるので、ネックストラップをつけて首から提げればなくすこともなさそう。本体はIPX8レベルの防水、IP6Xレベルの防塵仕様になっており、雨の日の通学や遊びで濡れても安心です。
子どもの行動把握と双方向のボイスメッセージ通信が可能
サービスイン当初、amue linkでできることは2つ。
ひとつは、子どもの位置情報と移動経路、移動方法をチェックすること。LM-01はGPSのほか、加速度、ジャイロ、気圧、地磁気、温度という5つのセンサーを搭載しています。LM-01と連動させた親のスマホ(専用アプリ)から子どもの現在地だけでなく、移動経路や移動にかかった時間、そして電車や自転車、徒歩といった移動手段までチェックできます。ちなみに、GPSは空が見えない場所だと位置情報をうまく取得できないことがありますが、LM-01はLTE基地局を利用した位置情報取得機能も搭載しています。
もうひとつの機能は、双方向のコミュニケーション。LM-01で録音した音声を親のスマホに送ったり、親が専用アプリで録音した音声をLM-01に送る機能です。電話のようにリアルタイム双方向のやりとりには対応していませんが、親と子どもが好きなタイミングでメッセージを再生できます。着信音や振動もないので(LM-01側はLEDが光るだけ)、子どもが授業中、親が会議中といったときでもジャマをしません。ちなみに、一回で遅れる音声は最大8秒までとなっています。
LM-01が提供するサービスは上記の2つですが、LM-01は仕様としてBluetoothを搭載しています。また、充電に使うUSB Type-Cでは音の入出力も可能とのこと。このため今後は、医療や介護、教育、エンターテインメントの分野での利用も検討しているといいます。
小さな子どもに「ちょうどいい」シンプルな機能が魅力
冒頭で現在は各種の見守りサービスがあるとしましたが、それぞれ一長一短。たとえば、子どもの位置を知るGPSトラッカーは、子どもとの会話はできません。帰宅が著しく遅くなったときに「無事なの?」と確認できない欠点があります。一方、会話もできる見守りサービスには「子ども用ケータイやスマホ」がありますが、位置情報は「今いる場所」しかわからなかったり、多機能ゆえの複雑な操作性といった問題が。さらに、「うちの子どもにケータイやスマホは早い」「歩きスマホなどでむしろ危ないのでは?」という心配ももあるでしょう。今回のamue linkは、詳細な位置情報と双方向の音声コミュニケーションという機能に厳選することで、小さな子どもにも安心して持たせられるようになっています。