TVアニメ『アイドルタイムプリパラ』に登場する「男プリ」のトップアイドルチーム・WITH。彼らを中心とする物語を描いた舞台『WITH by IdolTimePripara』が、2020年12月10日~12日に、Zepp DiverCityにて開催、最終日はWEB配信も行われる。

舞台でWITHを演じるのは、アニメで声を担当した山下誠一郎(夢川ショウゴ役)、小林竜之(三鷹アサヒ役)、土田玲央(高瀬コヨイ役)の3人。今回、WITHのインタビューが到着した。

  • 舞台『WITH by IdolTimePripara』

――舞台化が決まったときの率直な気持ちを教えてください

山下 舞台化のお話を聞いたとき、WITHとして初めてレコーディングした時に「舞台もできますよね!」と、冗談交じりに口走っていたことを思い出しました。あれから3年。本当に実現したという喜びと、『プリパラ』の偉大さを改めて感じています。ただ、自分にとって舞台は未知のことなので、「大丈夫かな」という不安もあります。今は、不安半分、期待半分。いい感じの緊張感を持って、舞台に向けての気持ちを作れています。

小林 ライブはあっても舞台にはならないと思っていたので、お話を聞いたときはビックリしました。同時に、新しいWITHの物語が舞台で展開されるんだと思うと、すごくワクワクもして。今までマイク前でやっていたことを、自分の体を使って表現するのは挑戦ですが、WITHとしての新しい一歩を踏み出せる喜びを感じています。

土田 お話をもらったときは、「やるんだ!」という気持ちがまず生まれ、次に「いつですか?……12月。今年ですか?」というやりとりをしたのを覚えています。今のWITHなら、いつかは舞台もできるだろうと思っていましたが、想像よりも早かったので、少し驚きました。

――今回の舞台までに、WITHとしてさまざまなライブやイベントなどにも出演されてきました。皆さんのなかで特に印象に残っている活動は何でしょうか?

土田 2回目の単独ライブとなった「WITH #IIZE Tour 2019 by IdolTimePripara」が印象に残っています。前年の2018年に、WITHにとって初めての単独イベントを行い、同じ年には幕張メッセで行われた『プリパラ』のライブ、そして「Pripara Friendship Tour 2019」にも立て続けに出演したことで、ダンスの魅せ方などが鍛え上げられました。それを経ての単独ライブでは、学んだことをすべて出し切れたんです。振付師の先生も僕たちを信頼してくださってか、その時に披露した新曲の振り付けを難しくもカッコいいものにしてくださって。それをしっかりと踊り切れたのが、自信にも繋がりました。

小林 僕も「WITH #IIZE Tour 2019 by IdolTimePripara」は印象深いです。それまでのライブは歌うことやダンスを覚えることに精一杯でしたが、2回目の単独ライブでは、アルバムの制作や、ドラマCDなどを経て成長したWITHの姿を皆さんにしっかりとお見せできたと思います。玲央が言っていたように、振り付けも進化していましたし、舞台の演出やコンセプトをスタッフさんと一緒に色々と話して決めたことで、よりチーム感が生まれたライブでもありました。あの時に、WITHとして新しい一歩を踏み出せたと思います。

山下 「WITH #IIZE Tour 2019 by IdolTimePripara」で主体性を持って行動できたのは、初の単独イベントがあったからだよね。WITHとして初めてライブのステージに立った「アイドルタイムプリパラ Winter Live 2017」から時を待たずして、単独イベントのダンスリハーサルが始まったこともあり、当時はとにかく必死でした。初の単独公演だったので、僕たちだけで2時間イベントを持たせられるのか、そもそもお客さんが来てくれるのかという不安もありました。ただ、いざ幕が上がると、大きな歓声とペンライトの輝きが、満員の客席から僕たちの元に届いたんです。あの光景を忘れることはできません。今と比べたら、ダンスも歌もまだまだでした。僕の中では苦い失敗をして、歯がゆさも感じました。それでも、今のWITHに繋がるスタートを切れたのは、あのイベントがあったからだと思います。初の単独イベントは、WITHにとって忘れてはならない、原点ですね。

――そんな数々の経験をしてきたWITH。今だからこそ感じるそれぞれのキャラクターの魅力は?

土田 高瀬コヨイは、TVアニメが終了してから色々と掘り下げられていったキャラクターです。アニメでは、「囁きのお兄さん」という印象だったのが、ドラマCDやイベントでの朗読などで、暴れ拳銃であることだったり、味噌汁好きについてフォーカスされたりすることで、おかしなお兄さんになってしまいました。ファンの方から「高瀬コヨイがこうなったのは、多分あなたのおかげです」という手紙をいただいたこともあります。……正直、責任を感じております(笑)。

山下 責任(笑)。

土田 でも、色々な面が明らかになることで、そのキャラクターの厚みも出ると思うんですよ。今ではコヨイのちょっと変なところも、魅力的だと感じています。

――逆にコヨイから影響を受けたことは?

土田 影響を受けたとは少し違うかもしれませんが、日常のなかで、ついついコヨイが出てきてしまったことがあります。あれは、初めてお渡し会をやらせていただいたとき。あの時は、来てくださった方に、なるべく高瀬コヨイを感じてもらえるよう意識していたんです。それから、お渡し会が終わって、小林くんと買い物に行ったのですが、エスカレーターで自分の前にいた女の人が携帯を落とされたんですよ。それを拾って渡したんです。そのとき、コヨイボイスで「どうぞ」って言っちゃって。お渡し会でしばらく「コヨイ」を意識していたから、クセになっていたんでしょうね。そんな経験があります(笑)。

――貴重なエピソードをお話くださり、ありがとうございます(笑)。続いて、山下さんはショウゴにどのような魅力があると感じていますか?

山下 ショウゴは、アニメの本編ではわりと「お兄ちゃん」属性が強めだったと思います。ただ、改めて考えてみると、彼は「男プリ」最年少デビューを果たしたトップアイドルという、輝かしい経歴を持っているんですよね。歌もダンスも分からない状態からスタートした僕とは真逆。ライブなどのイベントを通じて、すごい存在であることをより実感しました。ショウゴは僕にとっての目標と言いますか、「憧れ」の存在になりつつありますね。舞台では、そんな彼を声だけでなく、体も使って表現する。ショウゴらしさを体現するのは生半可な気持ちではできないと思いますが、新たな一面が見せられるよう、精一杯頑張ります。

小林 アサヒは周りの人を前向きな気持ちにするほど、明るい性格のアイドルです。それだけでも十分に魅力的ですが、僕は、ふたり(ショウゴ・コヨイ)と一緒にいるときが、いちばんアサヒが輝ける瞬間だと思っているんですよね。ふたりの間にいるアサヒが、僕自身もすごく好きです。その魅力を上手く言葉にできないな……。

山下 「このメンバーだから、アサヒらしくいられる」みたいな?

小林 それだ!

土田 アサヒって、基本的に誰にも嫌悪感を抱かないところが魅力な気がする。

小林 人類みんな友達みたいなタイプだよね。

山下 アサヒがいなかったら、もっとギスギスしている気がする。

小林 そういうアサヒらしさは、ふたりと一緒にいるときに最も発揮されている気がする。

山下 確かにね。そういう意味では、今回の舞台でショウゴとコヨイ以外の人と絡んでいるのは、珍しいし、見どころのひとつかも。

小林 そうなんだよね。アニメでは「マジヤッベェーッ!」「チョースゲーッ!」「フー!」ばかり言っていましたが、ちゃんと会話できるんですよ! 今回の舞台で、それもぜひ伝えたいところです(笑)。