Synologyは12月7日、年次イベント「Synology 2021 AND BEYOND」をYouTubeで全世界同時に公開し、一新されたオペレーティングシステム「DSM 7.0」について発表した。9月からプレビュープログラムを実施していたもので、パブリックベータ版「DSM 7.0 beta」を12月8日から提供する。
DSM(DiskStation Manager)は、Synologyが同社のNAS製品向けに提供しているオペレーティングシステム。新バージョンとなるDSM 7.0では、主に使いやすさ(Usability)、信頼性(Reliability)、高性能(Performance)、拡張性(Scalability)の4つの柱に焦点を当てて開発したとしており、経験がなければ難しいストレージシステムの設定を、よりシンプルなものに再構築したという。主な新機能は以下の通り。
- 新サインインアプリ提供によるパスワード不要の認証機能
- FIDO 2に対応してWindows Hello、macOS Touch IDでの認証をサポート
- UI、フレームワークの応答性向上
- サブシステム最適化によりRAID 6パフォーマンスが80%向上
- SSDキャッシュの信頼性と効率性を改善
- ストレージプールやドライブベイの視認性を高めるストレージマネージャーのGUI改善
- ドライブ交換作業時のアレイ修復パフォーマンス向上
- SHA(Synology High Availability)クラスタでのフェイルオーバーを30%高速化
- SHAクラスタでのDSMアップデートを85%高速化
- 2つのコントローラーを用いたBtrfsメモリキャッシュ保護に対応
- iSCSIよりも高速なファイバーチャネルをサポート
- 1PB(ペタバイト)まで対応するアーカイブ用ストレージ
DSM 7.0はSynology製品と互換性を持つ無償アップデート。パブリックベータ版が特設サイトで公開されており、実際に対応するNASにインストールして利用できる他、ブラウザ上で体験できるライブデモも用意している。