突然だが、「モリバコーヒー」をご存知だろうか?
先日、池袋で電源を借りられそうなお店を探していたときに、ふと目に止まって立ち寄ったのがモリバコーヒーという名のコーヒーショップだったのだが、これがかなり印象的だったので、その詳細をお伝えしたい。
先に結論を言うと、「もっと店舗数が増えてほしいな」と素直に思える良店で、しかもメニューもフォトジェニック。ぜひご利用をお勧めしたいと思った次第である。
モリバコーヒーってどんなお店?
モリバコーヒーは東京都心を中心に10数店舗を構えるコーヒーチェーン。都内を除けば神奈川や名古屋の一部に出店しているだけなので、まだご存じない人も多いと思う。
気になったので少し調べてみると、すべてのコーヒー豆を独自のルートで、しかもフェアトレードで輸入しているらしい。
フェアトレードとは、開発途上国の生産者から、適正価格で購入し、生産者の経済的自立を支援する取引のこと。コーヒー豆を不当に安く買い叩き、高値で販売する悪徳業者も少なくない中で、モリバコーヒーの取り組みは素直に好感が持てる。
さらに、担当者が生産地まで実際に赴き、生産者と直接顔を合わせて契約しているというのだから、そのこだわりは徹底している。
確実にテンションが上がる"モリバスタイル"
では、実際にコーヒーをご覧いただこう。これだ。
なんと、ドリッパーごと提供されるのである。何の気なしにコーヒーを注文したらコレが出てきたのだから驚いた。予想だにしないスタイルではあったが、目の前でコーヒーが仕上がっていくこのライブ感は悪くない。むしろ、テンションがどんどん上がっていくではないか。
飲み頃は、きっちり砂時計が計ってくれる。約3分くらいで砂がすべて落ち、ドリッパーをカップの上に置くと……。
自動的にコーヒーが抽出される仕組みだ。とにかくギミックが効いていて楽しい。仕事をしに来たのに、気付けばコーヒーに首ったけである。
はい、完成。さっそく飲んでみよう。この日注文したのはガラパゴス豆のコーヒーである。その味わいは苦味が強めに利いているが、酸味もあってコクも深く、とてもバランスがとれた味わいだ。
もしかしたら、ガラパゴスのコーヒーは初体験かもしれない。少し調べてみると、ガラパゴスは赤道直下の亜熱帯気候にありながら、良質なコーヒーチェリーを実らせる寒暖差にも恵まれているのだとか。エチオピアやコロンビアなどと比べ、少なくとも日本ではメジャーではなさそうだ。
むしろ、その稀少性のせいか、偽物も世界中に随分と出回っているという。まぁ、モリバコーヒーは生産者と直で取引をしているから安心か。
サンドイッチも美味い! バインミーを実食
この日は小腹が空いていたので、コーヒーとセットで「海老のバインミー」もオーダー。ちなみに、セットだと合計価格から60円引きで注文できる。コーヒーは350円(安い!)、バインミーは400円だったので、会計は690円。なかなかのお得感である。
そしてこのバインミーが美味いこと美味いこと……。
バインミーとはベトナム料理で、小さなフランスパンに具を挟んだサンドイッチのこと。モリバコーヒーのバインミーは本場のものよりパンが柔らかく、食べやすい。
ゴロゴロと入ったプリプリの小エビ、蒸した鶏肉、フレッシュなレタス、酸味の利いた大根と人参のなます、そしてアクセントとして爽やかに主張するパクチーが盛りだくさん。使っているソースはスイートチリで、ピリッと甘じょっぱく、癖になる。これらが絶妙なハーモニーを奏で、気分はすっかり東南アジア。苦みの利いたコーヒーともよく合う。
コーヒーショップにサンドイッチは付きものだが、考えてみればバインミーは珍しい。そのセンス、すごくいい。次回もまた食べよう。
すっかりモリバ派に。限定メニューも食べてみた
モリバコーヒーの初利用からほどなくして、また近くを通りかかったのでさっそく再訪。食事が美味しいだけでなく、電源も自由に使えるし、フリーWi-Fiも利用できるので、ノマドワークにもうってつけ。もうすっかりお気に入りだ。
この日もコーヒーと海老のバインミーのセットを注文しようと思っていたのだが、冬の新メニューがお目見えしているではないか。迷いつつも心を奪われ、「あったかマッシュポテトとローストチキンのサンド」と「ホットはちみつレモネード」をオーダー。ドリンクはローズヒップを使った「ホットローズヒップレモネード」とも迷ったが、まずは王道を攻めようと思った次第だ。
こちらがホットはちみつレモネード。やはり洒落ていて、写真映えのする見た目である。その味わいはレモンの酸味と優しい甘みがほどよくマッチ。爽やかなミントの風味も利いている。
付け合せのハチミツを入れることでコクが加わり、味もややまろやかになった印象だ。ああ、ホッとする。体が芯から温まっていくようだ。ビタミンも摂取できて体も喜んでいるに違いない。すっかり冬らしくなってきたこの時期にピッタリな一杯だ。
サンドイッチも到着。こちらは大ぶりのチキンがゴロゴロと入っていて、食べごたえ抜群。マッシュポテトがベシャメルソースのように肉に絡み、どことなくグラタンのような味わいも感じる。
ソースは甘みもある照り焼き風で、西洋わさびがアクセントとして主張。ピリッとくるのは輪切りの唐辛子だろう。トマトの爽やかな酸味は、全体のバランスをうまくまとめている。
コーヒーやフードの種類も豊富で、季節限定メニューもちょうどいい塩梅を突いてくる。しかもフェアトレードでコーヒー豆も徹底的に厳選しながら、コスパも高く、絵的にも映える。こんなコーヒーショップをこれまで素通りしてきたとは……何とももったいない。
今後もモリバ派として積極的に利用していきたいので、願わくば店舗数が拡大されるとありがたい。まぁ、知る人ぞ知るコーヒーショップというのも"通"な気分になれてオツなのだが。