2019年に流行ったもの、何があったか覚えていますか?
流行は目まぐるしく変化するものです。ずっと前に流行ったような気がしていても、実は意外と最近のことだった、ということもよくありますよね。令和元年でもある2019年に一体何が流行っていたのか、2019年のトレンドを振り返ってみましょう。
2019年に流行ったものを「言葉」で振り返る
当時の流行は、多くの人が口にしていた言葉から知ることができます。流行語大賞やネットの検索結果から、2019年に人々が何に関心を持ち、何が流行ったのかを探りましょう。
ユーキャン「新語・流行語大賞 2019」で振り返る
2019年の流行語大賞に輝いたのは「ONE TEAM」でした。「ONE TEAM」はラグビー日本代表のスローガンです。2019年はラグビーのワールドカップが日本で開催され、これまでラグビーに関心がなかったものの会場に足を運んだりテレビで観戦したりして、新たにファンになったという人も多いのではないでしょうか。
チームで結束してひとつになろう、という意味合いから職場や学校などの組織でも使われることが増えたようです。
他には「令和」「軽減税率」といった政治的なものから、「タピる」など若者言葉が発端となった流行語もあがっています。
Google検索結果で振り返る
2019年、Googleでもっとも検索された言葉は「台風19号」、2番目は「令和」でした(※1)。2019年は令和元年。当然「令和」は検索結果上位になることは予想できますが、各地に被害を出した台風19号の猛威は元号の改変を上回ることとなったようです。
3番目にはドラマの『あなたの番です』、8位には2020年も引き続きブームが続く『鬼滅の刃』がランクインし、エンターテインメントの流行もうかがうことができました。
三省堂「今年の新語 2019」で振り返る
「今年の新語 2019」はその年に注目を集め、一般化した言葉をランキングにしたものです。大賞は「ーペイ」となり、2019年はキャッシュレス化が促進されていたことがその言葉にも表れています(※2)。
2位にはラグビーの「にわか」ファンが増えたことで「にわか」がランクイン、その他にも「サブスク(サブスクリプション)」や「置き配」など、流行したサービスも上位にランクインしました。
マイナビ「ティーンが選ぶトレンドランキング」で振り返る
マイナビが実施したティーンズ世代を対象にしたアンケート結果です。
2019年トレンドになった「人」には、ネットドラマやInstagramで話題になった人物が多くランクインしています。特に、1位となった横浜流星さんのInstagramフォロワー数は2019年6月から年末までの間に89万人から140万人にまで増加。まさに2019年に脚光を浴びた人物といえるでしょう。
他には、スマホアプリの『マリオカートツアー』や、「ぴえん」などがランクインしています。
2019年に流行ったものを「ニュース」で振り返る
次は2019年にニュースで話題になったものを中心に見てみましょう。
平成から令和へ
2019年は令和元年。2019年5月1日から新元号「令和」の時代がスタートしました。4月末日は「平成最後の日」としてネット上でも賑わっていました。新元号の予測が飛び交ったり、決まった後は「令和」の意味を検索する人が増えたりと、元号の改定は一年を通して日本中で話題になりました。
ラグビー、オリンピックなどスポーツの話題
2019年はラグビーのワールドカップが日本で開かれ、2020年はオリンピックが日本で開かれることが決まっていたので、2019年はスポーツに関する話題も大きく注目を浴びました。ラグビーは日本が会場になることをきっかけに興味を持った人も多く、連日多くの人が日本代表チームの行く末を追っていたことでしょう。
その後2020年のオリンピックは延期となりましたが、2019年の時点では数十年ぶりに日本でオリンピックが開催されることに多くの人が期待していました。観戦チケットの予約や訪日外客への備えなど話題は尽きず、2020年の開催に向けたカウントダウンも始まっていました。
「ーペイ」
2019年はキャッシュレス化が促進され、「PayPay」「LINE Pay」といった「ーペイ」と名前のつく決済サービスが急増しました。
特にスマホネイティブな世代や、ちょっとした買い物に財布を出すのは面倒と感じる人の間で、「ーペイ」サービスは浸透。顧客の獲得のため、複数の会社が「ーペイ」サービスをスタートさせ、大規模なキャンペーンを実施した年でもありました。
2019年に流行ったものを「JKトレンド」で振り返る
流行りものにもっとも敏感な女子高生。トレンドの最先端を担う女子高生が2019年話題にしていたものをTT総研の調査「現役女子高生の2019年上半期の流行および2019年下半期のトレンド予測(※3)」を参考にまとめました。
圧倒的なタピオカ人気
2019年といえば、忘れてはいけないのがタピオカの大ブームです。先述の調査結果によると、トレンドアイテム編の1位に「タピオカ」、トレンドスポット編の1位には「タピオカ屋」、流行語編では東のランキング2位と西のランキング3位にそれぞれ「タピる」がランクインするなど、上位をほぼ「タピオカ」が占める結果となりました。
コスメ、アーティストに韓流ブーム
韓流アーティストの人気が伸びたことも影響し、韓国のメイクやコスメ、ファッションが注目されました。トレンドスポットの上位には「新大久保」や「韓国」のワードも見られます。
「ぴえん」は大人の間でも流行
悲しいときや嬉しいとき、泣きそうな表情を表す「ぴえん」。スマホやPCでよく見かける目をうるうるとさせた絵文字を「ぴえん」と表現し、多用する人が続出。女子高生の間だけではなく、大人の間でも浸透し使われるようになりました。
2019年に流行ったものを「ヒット商品」で振り返る
その年の流行は、ヒット商品にも色濃く反映されます。そこで日経トレンディと日経クロストレンドが調査した2019年の「ヒット商品ベスト30」を基にまとめました。
「ワークマン女子」が急増
ヒット商品の1位はワークマン。誰もが知る職人向け作業服店でしたが、2019年は視点を変えてアウトドアファッションに踏み切りました。作業服ゆえの防寒・防水に特化した機能性の高さに加え、豊富なカラーバリエーションやデザイン性の高さが人気を呼び、ワークマンでアウトドアファッションを楽しむ「#ワークマン女子」がSNSで話題に。
ついに翌年の2020年にはワークマンが「#ワークマン女子」を新業態として打ち出すまでになりました。
記念グッズ
2019年といえば令和元年であり平成最後の年。そしてラグビーワールドカップが日本で開催された年であり、翌年の2020年に東京オリンピックを控え、何かと記念的なイベントの重なる年でした。
そのため、ラグビー日本代表選手のユニフォームや東京オリンピックのグッズ、令和や平成の記念グッズが人気を呼びました。令和は万葉集に由来があるという話から、万葉集の売り上げも伸びたようです。
アーティスト人気
女子高生の間では韓流アーティストや若手のアーティストが注目されていますが、2019年は人気ロックバンドQueenの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』が公開されてロングヒットを記録した年でもありました。40年前のバンドであるにもかかわらず多くの人々の心に火を灯し、CDやDVDがヒット商品にランクインしています。
また、前年2018年に楽曲『Lemon』を大ヒットさせたアーティストの米津玄師も、音楽ユニット「Foorin」のプロデュース、楽曲『パプリカ』のヒットなどで2019年にはさらなる躍進を遂げました。
2019年に流行ったもの1位は「タピオカ」?
総合的に見てみると、2019年でもっとも流行ったものは「タピオカ」だと言えそうです。タピオカは、若者のトレンドアイテムだけでなく、トレンドスポットとしても上位にランクインしています。
商品そのものだけでなく、「タピオカドリンクを飲む=タピる」という流行語までも生み出しました。流行語大賞に入賞はしなかったものの、女子高生のトレンドキーワードではまちがいなく首位にあったと言えるでしょう。タピオカは先述のヒット商品ランキングでも2位という結果になったほか、輸入量は2018年の約4.5倍にもなったとのことです。
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以上、2019年に流行ったものをまとめました。改元という歴史的転換点の年でありながら、流行の大半はスマホ文化や女子高生の興味関心に大きく影響されていたようです。
今後はどのようなトレンドが注目を浴びるのか、楽しみですね。
こちらも注目 : 流行語大賞は「3密」 トップテンに「フワちゃん」「愛の不時着」など
参照 :
(※1)Google 「Year in Search : 検索で振り返る2019年」
(※2)三省堂 「辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2019」」
(※3)TT総研「現役女子高生の2019年上半期の流行および2019年下半期のトレンド予測」