映画『夏、至るころ』(12月4日公開)の公開初日舞台挨拶が4日に都内で行われ、池田エライザ監督、倉悠貴、リリー・フランキー、原日出子が登場した。

  • 池田エライザ監督

    池田エライザ監督

同作は女優・モデルとして活躍する池田エライザの監督デビュー作で、原案も務めた。緑あふれる故郷の山々に抱かれながら、友情を育んできた男子高校生の翔(倉)と泰我(石内呂依)が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとる物語。

リリーは池田監督について「3年くらいずっと同じ音楽番組でMCをしてますが、22歳の女性が監督をするというつもりで行くと本当にすごく安定感のある、かっちりした的確な監督で、仕上がりを見ても22歳の女の子が撮った映画じゃない。安定感がある」と絶賛。原も「現場の監督を見てて、間違いないなという確信はありました。迷いがない」と褒め、リリーは「70歳くらいのベテランのじいさんが撮ったみたいな。一言一言、エピソードとかに、ふだん池田監督が持ってるメッセージが散りばめられてる、懐かしいような現代的なような」と評した。

初主演となった倉は「あるシーンでなかなか感情がうまく入らないシーンがあった時に……あれはどういうことなんですかね。すごく寄り添ってくれる感じ」と、池田監督のやり方を魔法かのように語る。「『この人もそうなんだ』みたいな。そんな感じですごく語ってくださって、優しく。それでスッと感情が入って、うまくいった」と感謝した。

そのシーンについて、池田監督は「涙するシーンがあって、涙することはできるんだけど、辻褄が合わなかったんだよね。現場の空気感も緊張感も不慣れなところもあったし、若いなりの感情の整理のつかなさで、どっちの感情をとるのかで迷ってるのかなというシーンがあったので、1回撮影を止めて」と振り返る。「ちょっと厳しくしちゃったりもしたけど、あくまで役に対して、『何が悔しかったんだい?』とか『何が嫌だったの? 何て言われたの?』ということを話しかけ続けて、すごく魅力的な絵が撮れたということはありました」と説明した。

それを受けて、リリーは「確かに、1回セットから倉くんが出されて戻ってこなくて、戻ってきたとき血だらけだったから。歯もほとんどない」とジョークを飛ばす。池田監督は「真逆ですよ! そんな映画じゃない」と苦笑していた。