タテに折り畳めるもの、ヨコに折り畳めるものなど、いまさまざまな形状のスマートフォンが海外で開発されつつあります。その中で、デュアルディスプレイという独自路線を歩んでいるのがLGエレクトロニクスの特徴といえるでしょう。NTTドコモから12月中旬以降に発売されるのは5G対応の「LG VELVET L-52A」。都内では2日、この新モデルの開発背景についてLGエレクトロニクス・ジャパンが解説しました。
LG VELVETは変革のターニングポイント
LG VELVETは、約6.8イン機ELディスプレイ×2枚を連携できる5Gスマホです。グローバルでは2020年5月発売、日本でも12月中旬以降に発売されます。なお購入時には本体のみ(1画面)か、デュアルスクリーンセット(2画面)か、どちらかを選べるようになりました。ドコモオンラインショップにおける一括払いなら、本体のみが70,488円(以下すべて税込)、デュアルスクリーンが88,740円となっています。
説明会に登壇したLGエレクトロニクス・ジャパン マーケティングチームの藤盛智子氏は、LG VELVETについて「LGのモバイルビジネス全体における変革のターニングポイントとなるモデル」と説明しました。これは一体、どういう意味なのでしょうか。
はじめに藤盛氏が紹介したデータは、ユーザー動向に関するものでした。それによれば生活者がスマホを買い替える周期は、直近では3年まで長期化しているそうです。その理由は「スペック、品質が安定してきたから」。そして「現在の機種に満足しているから」という人も約6割を占めています。一方で「価格が高いから」という回答も多数みられました。これを踏まえて、藤盛氏は「自分の使い方に合ったスマホを賢く選択できる人が増えたと言えそうです。現在はハイスペックなスマートフォンがどんどん高価格化しているのも事実。そこでLGではスペック至上主義から脱却して、生活者に『長く付き合っていきたい』と思ってもらえるスマホを提供する方向にシフトしていくことを考えました」と解説。
同社では、LG VELVETの発売に際して「あなたのためのスマートフォンMY FAVORITE THINGS」という新しいメッセージテーマを掲げています。今後は最高のスペック=最高のスマートフォンという考え方ではなく、ゲームがしたい、動画を見たい、オンラインライブを楽しみたい、といった生活者の価値に寄り添うことを最重要視していく方針です。
日本市場3モデル目の2画面スマホ
その象徴的なスマホの第1弾がLG VELVETというわけです。LGが日本市場で展開する2画面スマホとしては3モデル目にあたります。従来機種の「LG G8X ThinQ」(2019年12月)、「LG V60 ThinQ 5G」(2020年5月)の流れを受け継ぐモデルになっています。
LG VELVETを特徴づけているのは、デュアルスクリーン仕様の『固定概念からの脱却』、5G対応の『シームレスな拡張性』、そして外観面における『デザインの革新』という3要素とのこと。水滴の落ちる様子をモチーフにした「レインドロップカメラ」、カメラが突起していない「アンダーグラス加工」、ボディ側面を緩やかにカーブさせた「3Dアークデザイン」などはデザイン性が高いだけでなく、使いやすさでも優れていると感じました。
なお説明会では詳しく語られなかったものの、再生された映像に合わせた音響を「シネマ」「音声」「音楽」から自動選択するLG 3D Sound、臨場感を向上させた映像を撮影できるASMR録音機能、騒音の大きな場所でも人の声を聞き取りやすく映像に残せるボイスアウトフォーカス機能など、意欲的な新機能も搭載されています。
LG WINGも参考展示、スマホ+ジンバルが一体に!
LG VELVET発表会場には、ギミック満載の5Gスマホ「LG WING」も参考展示されていました。なんと画面が回転するという、LG VELVETとは違うアプローチで2画面を実現したユニーク端末です。韓国・アメリカ・ヨーロッパなどで、海外では既に販売中ですが、日本国内の展開は未定だそう。今後の動向が気になりますね。