JR東日本は2日、品川開発プロジェクトの計画エリア内で出土した「高輪築堤」の一部とみられる構造物の調査・保存・公開に関する方針について発表した。「高輪築堤」は、明治初期に鉄道を敷設するため、海上に構築された構造物だという。
JR東日本は今後、まちづくりの中で約150年前(明治初期)に構築された「高輪築堤」を継承し、地域の歴史価値向上と地域社会への貢献をめざすとしている。現在、港区教育委員会など関係者と連携を図りつつ、「高輪築堤」の調査を進めるとともに、保存や公開展示などを検討している。
「高輪築堤」が出土した経緯について、2019年4月、品川駅改良工事において石積みの一部を発見。その後、2019年11月に実施した山手線・京浜東北線の線路切換工事以降、レールなどの撤去を行ったところ、2020年7月に「高輪築堤」の一部とみられる構造物が見つかったと説明する。
調査と保存・公開に関しては、近代日本の発展に寄与した鉄道の歴史や当時の土木技術について、港区教育委員会などの関係者および鉄道博物館と連携を図りながら、調査・研究を進めていく予定。地域の歴史価値向上と地域社会への貢献をめざし、築堤の一部現地保存や移築保存を通じた公開展示を検討するほか、周辺地域を含めた歴史・地域文化を学べるプログラムの実施も検討していく。
出土した築堤については、一般を対象とした見学会も計画しており、詳細は別途告知される。