ここまで両者1勝1敗。勝者がタイトル獲得へ先に王手をかける重要な一局
将棋の第10期リコー杯女流王座戦五番勝負第3局(主催:株式会社リコー)が12月1日に神奈川県「元湯陣屋」で行われています。西山朋佳女流王座(女王・女流王将)へ挑戦するのは、里見香奈女流四冠。女流棋界の全タイトルを分け合う両者の頂上決戦は、ここまでともに1勝1敗。第3局を制し、タイトルまであと1勝とするのは果たしてどちらでしょうか。
第9期とは立場を変えての対決となった今期のリコー杯女流王座戦。前期は西山女王が里見女流王座から3勝1敗で奪取に成功しました。タイトルを失った里見女流四冠ですが、すぐさまリターンマッチの舞台に登場です。
両者の女流棋戦での対戦成績は、西山女流王座の10勝7敗。タイトル戦では第12期マイナビ女子オープン、第41期女流王将戦、第9期リコー杯女流王座戦で戦っていて、すべて西山女流王座が制しています。
10月28日の開幕戦を制したのは西山女流王座でした。相中飛車から、里見女流四冠が居飛車に振り直す変則的な序盤戦となり、機敏に仕掛けた西山女流王座がリードを奪ってそのまま押し切りました。
11月10日に行われた第2局は里見女流四冠が勝利を収めました。西山女流王座の先手三間飛車に対して、里見女流四冠は居飛車急戦で対抗。里見女流四冠の陣形は、まるで昭和によく指されていたような古風な構え。しかしこれが里見女流四冠の得意形です。さばき合いで手にしたリードを生かして里見女流四冠が勝利しました。
本日行われている第3局は里見女流四冠の先手番。戦型は里見女流四冠の中飛車対西山女流王座の三間飛車となっています。後手の西山陣は美濃囲いに組むオーソドックスな形。一方、里見陣は居玉のまま飛車を最下段に引く現代的な構えです。
11時40分時点の局面は、里見女流四冠が▲8五桂と跳ねて6六角とのコンビネーションで端攻めを狙っています。里見女流四冠が攻め、西山女流王座が受けに回るという展開で本格的な戦いが始まりそうです。