ビジネスフォン(ビジネスホン)と家庭にある普通の電話機との違いが何か知っていますか? オフィスなどで日頃から使っている方は、ビジネスフォンの機能にどのようなものがあるのかなんとなく把握しているのではないでしょうか。しかし、家庭にある一般的の電話機とは何が違うのか、ビジネスフォンをオフィスで使うメリットまで押さえている方は少ないかもしれません。

一般的な電話機とは異なり、ビジネスフォンには業務の効率化にとても役立つ機能がたくさんあるのです。

本記事では、オフィスにあるビジネスフォンと一般家庭にある電話機との違いや、ビジネスフォンを利用するメリットなどをわかりやすくご紹介していきます。

  • ビジネスフォン(ビジネスホン)とは

    ビジネスフォンと家庭電話の違いを解説します

ビジネスフォン(ビジネスホン)とは

ビジネスフォンとは主に企業や事務所で使われている電話機で、複数の内線や外線などを共有するシステムを持っています。設置できる数は少なくて2台から多くて300台まで対応可能です。大きな規模のオフィスのみならず、従業員数の少ない小規模の事務所などでも導入されています。

一般電話にはない業務に適したさまざまな機能があるので、業務の効率化アップやコストカットなどにも役立っています。

ビジネスフォンの仕組み

主装置と呼ばれる小型の機械と専用の電話機を組み合わせたものが、「ビジネスフォン」と呼ばれている業務用の電話機です。そのため電話機だけではビジネスフォンとしての機能を発揮することはできません。電話機を買うだけですぐに使えるわけではないので、専門の業者に導入時に工事をしてもらう必要があります。

企業の希望する内線や外線の数によって、主装置内にある内線のユニットや外線のユニットなど、各ユニット(基板)のカスタマイズが可能です。

主装置とは

主装置とは別名PBX(Private Branch eXchange)とも呼ばれています。主装置とは何か簡単に説明すると、外線と内線や会社内の内線をつなぐ小型サイズの交換機です。少ない回線の数でも社内の数多くの内線を共有できます。

まずすべての主装置にはCPUユニットと呼ばれるすべての設定や機能を制御するメインのユニットがあります。そして、その他のユニットが電話交換切り替えや電話番号のデータ記録などいろいろな役割をしてくれます。主装置に組み込まれている主な機能(ユニット)には下記のものがあります。

  • 内線ユニット
  • 外線ユニット
  • 留守番電話ユニットボイスメールユニット
  • ドアホンユニット

その他用途に合わせていろいろな機能を追加してカスタマイズすることが可能です。

  • ビジネスフォン(ビジネスフォン)とは

    主装置と電話機セットでビジネスフォンになります

ビジネスフォンと一般電話の違いとは?

ビジネスフォンと一般的な家庭の電話の大きな違いとしては、主装置があるかないかです。一般の家庭で使われている電話には主装置がありません。主装置の存在が家庭用とビジネス用のさまざまな機能の違いを生み出しています。さらに、一般電話では設置工事が必要ありません。ビジネスフォンの場合は工事が必要になるので、工事の有無も大きな違いといえるでしょう。

以下では、ビジネスフォンの便利な機能の中から主だったものをいくつかご紹介します。

内線機能

内線は、オフィス内の主装置でつながっている電話機同士で通話をすることが可能となる機能です。設置してある各電話機に2桁から4桁の内線用の番号が振り当てられています。

ビジネスフォンに内線番号を入力するだけで通話が可能となり、近い距離の社員に限らず別の部屋や違うフロアにも転送することができます。オフィス内での内線を使った通話には通話料金は発生しないのもポイントです。

保留転送機能

保留転送は、外部からまたは内部からかかってきた電話を一度保留にして、担当者や別部署に飛ばす機能です。転送先は近くのデスクや同じフロアだけではなく、別フロアの違う部署にも飛ばすことができます。かけた側がわざわざ電話を切り再度別の電話番号にかける手間がかからず、そのまま該当部署につなげることができる便利な機能です。

同時着信機能

一般電話の場合は1つの番号につき1台の電話機を使っているため、複数の着信には同時に対応することができません。すでに電話をしている場合、一般的な電話では別の方がかけると通話中になるはずです。しかし、ビジネスフォンの場合は1つの電話番号で複数の電話機が同時に着信を受けることができます。

特にコールセンターなどは、1つの電話番号で常に複数顧客からの電話に対応する必要があるので、必須の機能といえるでしょう。

  • ビジネスフォンと一般電話の違いとは?

    ビジネスフォンには家庭用とは違うさまざまな便利機能があります

ビジネスフォン導入のメリット

では、ビジネスフォンを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

社内の電話が1台しか必要ない個人のオフィスなどの場合は家庭の電話機と同じもので問題はないかもしれませんが、複数の電話が必要な場合は確実にビジネスフォンを導入した方がいいでしょう。ビジネスフォンの持つメリットについて解説していきます。

内線通話が社内では便利

すぐ側にいる同僚などは直接話しかけることができますが、少し離れたデスクや別フロアにいる社員と話したい場合は内線があると便利ですよね。普段は近くの席の社員が会議などで別の部屋にいる場合も、緊急時にすぐに会議室に電話することができます。

最近では内線よりも社内メールやチャットを活用している企業も増えてきていますが、緊急の用事はチャットよりも内線実際に話した方がスムーズに進むことも多くあります。内線機能を使えば、社内でのコミュニケーションをより円滑に導くことができます。内線の場合は通話料がかからないのも大きなメリットです。

転送機能で業務がスムーズ

ビジネスフォンの便利な機能として、一般の電話にはない保留転送機能があります。一般の電話の場合、担当者が近くにいたとしても電話の場所にわざわざ来てもらうか、遠くにいる場合は一旦切って折り返しをしなければいけません。電話をかけてきたクライアントを待たせてしまう可能性もあります。

しかし、ビジネスフォンなら保留にして担当者にすぐ転送することが可能となり、担当者が不在ではない限り、クライアントを待たせることなくスムーズに希望の部署につなげられます。

ビジネスフォンによってはインターネットと専用アプリを利用して外にいる社員のスマートフォンに転送できるサービスもあるので、特に営業などで外出している社員には最適なサービスです。転送機能を駆使すれば、業務の効率もアップするでしょう。

通信費用の削減

一般の電話の場合は1台ごとに1つの番号が存在して、基本料金と通話料金がかかります。3台電話が必要な時は3つの電話機で3つの番号が必要になり、料金も3倍かかる計算です。大きな会社であれば一つひとつ設置するだけでも多大な費用がかかってしまいます。

ビジネスフォンであれば1つの番号で複数の電話を設置可能ですし、内線は通話料無料です。そのため大幅に通信費用の削減ができます。もしオフィス内に複数の電話機の設置が必要で、回線料金と通話料金を節約したい場合は断然ビジネスフォンが経費削減につながります。

  • ビジネスフォン導入のメリット

    ビジネスフォンを導入すると業務の効率がアップします

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ビジネスフォンとは主装置と専用電話機がセットになったもので、家庭の電話とは違いさまざまな機能がある業務用の電話機です。導入すれば外線以外にも内線、保留転送、同時着信など業務の効率化につながる機能が使えます。1つの電話番号で複数の電話機を設置することができるので、会社の経費削減にもなります。

もしも新規導入をお考えなら一度業者に問い合わせて実際の見積もりを取ってみるといいかもしれません。特に複数の電話が必要なオフィスには、一般の家庭電話よりもビジネスフォンの導入がおすすめです。