「精神衛生上良くないことはやめた方がいい」という言葉を聞いたことや目にしたことはありませんか?
精神衛生上という単語は日常的に触れていても、正確な意味まではちゃんと理解していない方も少なくはないでしょう。本記事では、精神衛生上という単語の意味や正しい使い方を例文と共に解説します。
「精神衛生」の意味
「精神衛生」とは、精神障害の予防や保護、治療に加え、精神的健康を維持・促進することを目指す学問・活動のことを示します。言い換えるならば、「メンタルヘルス」や「精神状態」といった言葉と同じような意味になります。
精神衛生上良いとは
「精神衛生上良い」とは、精神の健康のために良いことを表します。一般的に精神上良いとよく言われることの例には下記のようなものが挙げられます。
- 自分の趣味や好きなことをする
- 好きな食べ物を食べる
- ストレスを発散する
- 嫌な仕事をやめる
- 十分な休息を取る
このように自分の心と体にとって心地のいい、または気分が良くなる状態のことを精神衛生上良いと表現することがあります。
精神衛生上良くないとは
「精神衛生上良くない」とは、精神の健康のために悪いことを指します。「精神衛生上良くないことはやめた方がいい」とよく耳にするのは、まさに精神状態に悪影響があることはやめるべきだという意味です。一般的に精神衛生上良くないとよく言われることの例は下記のようなものがあります。
- 嫌な職場でも我慢して働く
- 人間関係がうまくいっていない
- 趣味の時間が作れない
- 休みを取らずに働く
- 嫌なことを強要される
このようにストレスが溜まるような状態のことを、精神衛生上良くないと表現することがあります。
「精神衛生上」の使い方
「精神衛生上」は会社とプライベート両方の場面で使用する機会のある言葉です。メディアなどでも目にしたり耳にしたり機会は多いですが、なんとなく意味はわかっていてもまだ自信を持って使いこなせている方は少ないかもしれません。
正確な使い方を知らずに間違った使い方をすると恥ずかしい思いをする可能性もあるので、どのような場面で使うのか例文なども含め解説していきます。
医師や専門家でなくても使える
精神の健康に関しての言葉なので、医療用語として医師や専門家ではないと使ってはいけないのではないか? と心配してしまうかもしれませんが、その必要はありません。精神衛生は専門用語ではないので、医学的な知識がなくても普段から誰でも使うことができます。
ストレスを溜めている友人などにアドバイスする時にも、「ストレスは溜めることは精神衛生上良くないと思う」などアドバイスする時にも使うことができます。 ただしかなり重症で思い悩んでいる人に対しては気軽に使うのはやめた方がいいでしょう。本当に専門家の診断が必要な方もいるので、その場合は気をつけて言葉を選ぶようにしましょう。
精神的な病気の予防のため
「精神衛生上」は精神的な病気や問題、ストレス関連の話題で使われることが多い言葉です。医師や専門家の方がテレビなどで発言する場合も耳にすることがあるでしょう。プライベートで友人同士の会話でも病気やストレス軽減などの話題で使われてもいます。
さらに、2020年は新型コロナウイルスによる自粛から、精神的な疲労や病気の心配も話題になりました。自粛中の精神衛生面の改善やストレス発散のための家でできる運動や、オンラインでの飲み会などが流行った年でもあります。 これから「精神衛生上」の使い方の例文をご紹介します。
「精神衛生上」の例文
「精神衛生上」とは職場のビジネスシーンでも友人とのプライベートでも使用可能な言葉です。さまざまな例文と会話の一例をご紹介します。例文はさらに具体的な使い方を理解する助けになるはずです。
例文1 : 休まず働きすぎることは精神衛生上良くない。
例文2 : 我慢のし過ぎはストレスが溜まって、精神衛生上悪影響です。
例文3 : ヨガは健康と精神衛生上良い効果がある。
例文4 : 週3回のジム通いは、精神衛生上必要なことだった。
例文5 : 精神衛生上、しばらく休暇を取るべきです。
例文6 : 太陽の光を浴びない夜型の生活は精神衛生を脅かす危険がある。
会話例
A「今度の週末にみんなでBBQをやるので参加しませんか? 」
B「仕事が忙しくて最近土日も仕事で、休みが全然ないんです。」
A「働き過ぎは体にも精神衛生上にも良くないので、たまには休んだ方がいいですよ。」
B「そうですよね。今度休暇をまとめて取って、旅行にでも行こうと思います。」
「精神衛生上」の類語
「精神衛生」だと「精神状態」「メンタルヘルス」「心理状態」「精神的健康」など類語が数多くありますが、「精神衛生上」だと少し変わってきます。「メンタルヘルスの考えから」と「気分的に」の2つが、類語として会社でのビジネスシーンや普段の会話で気軽に使えるでしょう。精神衛生上だと少し硬い感じの言葉の雰囲気がして使いにくいという方は、類語で代用すれば会話の中に取り入れやすいかもしれません。
「メンタルヘルスの考えから」
会社などビジネスシーンでも使える類語としては「メンタルヘルスの考えから」や「メンタルヘルスの観点から」の2つがあります。メンタルヘルスは「mental health」、精神衛生を英語にしたものです。現在では「メンタルヘルス」としてカタカナで日本でも一般的に浸透してきているので、類語としても使いやすいでしょう。
例文1 : メンタルヘルスの考えから、会社のマニュアルを見直すべきだ。
例文2 : メンタルヘルスの観点からしても、定期的な休憩時間は設ける必要がある。
例文3 : 残業や休日出勤の強要は、メンタルヘルスの考えからもしてはいけない行為だ。
「気分的に」
「精神衛生上」だと深刻な感じがして、気軽に使用できないと感じる方も多いかもしれません。日頃の気軽な会話で使用したい場合は「気分的に」がカジュアルで親しみやすい言い換えでしょう。
類語でもありますが、どちらかといえば置き換えて使う形になります。文脈によっては使えないこともありますし、ビジネスシーンや目上の方との会話では使用できないので注意が必要です。あくまで気の知れた友人との会話の中で使えるカジュアルな表現だと覚えておきましょう。
例文1 : 大きな声で歌うとストレス発散できて、気分的にスッキリする。
例文2 : SNSでの誹謗中傷を目にするのは、気分的に良くない。
例文3 : 気分的に落ち込んでいるのは、友人との喧嘩が長引いているせいだ。
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「精神衛生上」を使い慣れてない方は少し硬い表現のようにも感じるかもしれません。しかし、精神衛生上良いこと悪いことは人それぞれ感じ方も違ってくるので専門家ではなくても普段から使うことができます。
ストレス社会とも言われている現代では、精神状態を健康に保つことやストレスを軽減するための話題が出ることが多くあります。会社でのビジネスシーンや普段の友人との会話でもぜひ取り入れてみてくださいね。