「探す」と「捜す」の意味の違いや使い分け方を知っていますか? 漢字が違っても意味は同じようなものだと思っている方もいるかもしれません。実は意味の違いがはっきりとあって、使い方も違うのです。本記事では「探す」と「捜す」の意味や使い方を詳しく紹介していきます。
探す」と「捜す」の意味の違い
「探す」は、欲しいものを探す、未知のものを探すという意味で使います。例えば、「運命の人を探す」「宇宙人を探す」など。一方、「捜す」は、見えなくなったもの、今まではあったけれども消えてしまったものをさがす、という意味で使われます。例えば、「iPhoneを捜す」「はぐれた友達を捜す」など。
「探す」の例文
- 宝物を探す
- 仕事を探す
- 粗(あら)を探す
- 運命の人を探す
- 自分にぴったりの香水を探す
- 新居を探す
- 彼女へのプレゼントを探す
「探す」は、欲しいものや未知のものについて使います。欲しいものとなる対象は、物品などどのようなものでも使うことができます。
「捜す」の例文
- なくしたiPhoneを捜す
- お祭りではぐれた友達を捜す
- 遭難した仲間を捜す
「捜す」は、いままであったけれども無くしたもの、見えなくなったものに対して使います。
「探す」と「捜す」を使った言葉
「探」という漢字は、「探索」「探査」などに用いられます。探索は未知の事柄を探り調べることで、探査は月面探査など未知の対象物を調べること、一般から離れたところを調べる意味で使われることが多い言葉です。
一方の「捜す」という漢字は、「捜索」「捜査」などに用いられます。捜索は人のゆくえや、隠してあるものを求めてさがすこと、捜査は犯人を確保し証拠を収集する活動という意味です。人や隠してあるものを捜すという意味で理解できます。
このように、索と査が「探」と「捜」のどちらにつくかで「探索」「捜索」「探査」「捜査」と違う意味となっていることがわかります。
***
同じ意味で別表記として表されることの多い「探す」と「捜す」ですが、意味がそれぞれ異なることは理解できたでしょうか。
新聞記者やメディア関係者が正確な日本語を書くためのノウハウをまとめた「新聞用語集」の中でも、今回紹介したような用例を紹介した上で、“実情に応じて使い分ける”との注釈があります。
「さがす」という言葉は日常でよく使うため、きちんと使い分けできるようにしましょう。