JR東海は、東海道新幹線の浸水対策として、信号機器室の移転やかさ上げなどを実施すると発表した。信号機器室移転を除く対策は2022年6月までに完了する見込み。2024年5月に信号機器室移転も完了する見込みとしている。
数十年から200年に1度の確率で生じるとされる「計画規模降雨」に対しては、列車運行への影響が生じないように対策を実施。1,000年に1度の確率とされる「想定最大規模降雨」による浸水に対しては、被害が生じたとしても速やかに復旧できるように対策を施すとした。
この方針にもとづき、計画規模降雨で浸水被害が想定される重要施設のうち、信号機器室1カ所を移転し、その他の信号機器室や電源設備約10カ所について、かさ上げや止水扉の設置などを行う。
一方、想定最大規模降雨が発生して信号機器室が浸水した場合は、災害用予備品を活用して復旧を図るほか、復旧までの期間を短縮する装置の開発にも取り組む。車両検査施設で浸水被害が生じた場合は、他の施設で検査を代替する。ただし、浜松工場については、他の施設で代替できない検査を行っているため、機能維持に必要な設備を整備する。
留置車両については、想定最大規模降雨で浸水被害が想定される鳥飼車両基地を対象に避難計画を策定し、浸水被害のおそれがある場合は計画にもとづき車両避難を実施する。