カシオ計算機は耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」や「BABY-G」、電子辞書「EX-word」、電子楽器などで知られるメーカーだが、世界各国で教育事業にも力を入れている。中でも、学校の授業や試験における関数電卓の活用を支援する取り組みを「GAKUHAN」と呼んで、30年以上続けてきているところだ。
日本の教育機関ではそれほど使われなくなった関数電卓も、ワールドワイドでは学校の現場でかなり利用されている。カシオのGAKUHAN活動では、各国の教育行政や現場の先生と協力し、現地のカリキュラムや教科書に合わせた仕組みを開発。関数電卓を用いた教材作成、先生に対して関数電卓を使った授業のトレーニングなどを実施している。
また、ASEAN地域などの新興国を重点国と位置付けており、一例としてインドネシアと「STEM教育における教師及び学生の能力開発を目的としたパートナーシップ契約」を結んでいる。インドネシアは、学生の学力向上を目指して、STEM教育に注力している国の1つだ。
そのインドネシア(西スマトラ州)で今回、新型コロナウイルスの影響によって休校中の学校を支援する取り組みを開始。関数電卓を活用したオンライン授業の方法や進め方を解説するWebセミナーを実施している(2020年12月までに全10回)。数学教師のサポートに加えて、関数電卓がオンライン授業にも適した学習ツールであることを訴え、関数電卓の数学授業への普及と定着を図っていく考え。カシオは「インドネシア西スマトラ地域の数学教育に貢献するとともに、GAKUHANの成功事例を作り、他の地域にも横展開することで教育事業のさらなる成長を目指していく」としている。