現在、好評放送中のTVアニメ『「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rhyme Anima』。今回は、山田二郎役・石谷春貴、入間銃兎役・駒田航、夢野幻太郎役・斉藤壮馬、伊弉冉一二三役・木島隆一の4人のインタビューが到着した。
――『「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rhyme Anima』を見た感想はいかがですか?
石谷 まず「動いた!」っていう感動が大きいですね。動くことでキャラクター同士の身長差が見えてきたし、街の風景や、そこに生きる人たちが描かれたことで、世界観が広がりました。アニメに描かれたイケブクロ・ディビジョンを見たら「それはこの街であの三兄弟が育つよな」って思いました。
――どんなところでそう思ったのでしょうか?
石谷 ほどよく治安がいいんです(笑)。2話で運命塚が、流れてきた携帯の着信音に「誰だ!なんでマナーモードにしとかねんだ」って言うんですけど、このセリフって人の良さが出ていますよね。普通なら「誰だよ! 出てこい、ぶっ殺すぞ!!」くらい言ってもいい場面なのに。
木島 やっぱり街の人たちが出てくるといい意味で生活感が出るというか、ディビジョンで生きているキャラクターたちの世界に親近感が生まれますよね。シンジュク・ディビジョンだと、蟒蛇(ウワバミ)っていう、一二三以外の、たくさん喋るホストが初めて登場しました。
――蟒蛇は、お店で一二三とどう絡んでいたのかが気になりました。
木島 きっと店ではホスト同士の抗争とかもあるんですよね。ホスト同士のラップとか見てみたい、それぞれの個性を出すのが大変そうだけど。
駒田 『ヒプマイ』って、ゲームアプリが始まるまではオフィシャルで出すイラストが少なかった稀有なコンテンツで、ファンのみなさんがたくさん想像を膨らませていたのは、いただくお手紙などで感じていたんです。だから、アニメ化は「やっと来た!」と思って。
はるくん(石谷)が言うとおり、身長差もプロフィールの数字で見るより、画面で動いているのを見ることで伝わってくるものがありますよね。同じ目線でバチバチ睨み合っているのか、ちょっと見下ろされているのかって大事で。ずっと応援してくださっているファンのみなさんには「そうそう、こんな感じ」とか「意外だった」って発見がアニメでいっぱいあったんじゃないかと思います。
――駒田さんとしても発見がありましたか?
駒田 左馬刻が銃兎よりもちょっと大きいのは、数字ではわかっていたんですけど。実際に会話しているのを見ると、やっぱりこういう感じなんだなって思いました。若干見下ろされているあの感じは、僕としては釈然としなかったですが(笑)。
斉藤 最初に1話を見たとき、ラップバトルの表現などいろんな角度からかっこよさを演出してくれているなと思いました。ディビジョンごと、楽曲ごとにいろんな演出が試されていて、色んな角度から繰り返し楽しめる作品になっているなというのが、アニメを見た最初の感想ですね。
――ラップバトルの派手さはとにかく評判ですね。
斉藤 基本的に『ヒプマイ』って設定やキャラクターの個性が突き抜けているので、ある意味『ヒプマイ』らしさが全編にわたって出ているのかなと思います。各話それぞれに「ちょっと待ってもらっていいですか?」って15秒戻ってみたくなる、フックになるシーンがたくさんあって、今の時代にマッチしているのかなと思いました。
●キャスト全員が叫んだキャラクターの名前は……?
――放映されている8話までで、印象的なシーンを教えてください。
石谷 やっぱり1話の最初に、二郎と三郎が登場するシーンですね。12人のうち一番に出てきて喋るって、嬉しいよねってあまちゃん(山田三郎役:天﨑滉平)と話していました。
――天﨑さんもその部分が嬉しかったとおっしゃっていましたね。
石谷 それから2話の、一郎が二郎と三郎のもとに駆けつけるシーン。後ろの壁をぽーんと飛び越えて登場するのはまさに主人公って感じでかっこいいですよね。しかもちょっと不良というか、味方だけど敵っぽいかっこよさがある。
駒田 正直、そのシーンまでは「一郎、ラップしてないで早く駆けつけろよ」って思っていたけど、登場したら許しちゃった。かっこよくて。
木島 かっこいいと言えばシンジュク・ディビジョンだと、3話冒頭の寂雷先生のナレーションですね。「ここはシンジュク・ディビジョン、不夜城の輝くネオンと……」って、やっぱり速水さんの声で語られると深みが出ますよね。3話は、独歩がぎゃーって家から飛び出すシーンも最高でした。トイレットぺーパーひとつであんなに叫べるのかと。
斉藤 あのくだり面白かったですね。
木島 あと、シーンではないけど、3話は美々海と蟒蛇という、とんでもなく言いにくい名前が……(笑)。
石谷 美々海はやばいっすよね!
斉藤 正直、「俺の担当じゃなくてよかった、助かった……」と思いました(笑)。
駒田 あの名前は声優殺しだよね。みんな例外なく、自分が喋らなくても叫びましたよね、「みみみ! 言えねー!」って。木島さんは華麗に言っていて流石だなと思いました。
木島 調子のいい日でよかったです、ははははは(笑)!!。「美々海」単体ならまだいいんですよ。「美々海さん」とか、上と下に言葉がくっつくと、うーん!!って。一二三としては、7話の一葉に対して怒ったシーンも印象的でしたね。
――独歩の新しい友達になったはずの瑠璃川一葉が、実は麻天狼を利用して盗みを働いていた回ですね。
木島 「独歩は友達ができたことを心の底から喜んでいたんだぞ!その気持ちをもてあそびやがって!」ってセリフはまさにそのとおりだなと。ただ、その前に独歩と一葉が仲良くしているところに、マウントをとるかのように割って入っていく一二三には、「お前がそういうことをしているから独歩に友達ができないんだぞ」って思いましたね(笑)。まあいい奴なんですけどね。独歩と一二三はそういう関係を、長年かけて築いてるということだし。
駒田 ヨコハマ・ディビジョンだと、4話の事件解決後の3人のシーンが、ちょっと昔のアニメで見たような感じで大好きなんですよね。理鶯が昔の仲間が事件に関わっていたことに対して、「2人共、すまない。小官の仲間が……」と謝って、左馬刻が「頭なんか下げんじゃねえよ。これは俺らの問題だったんだからよ」って。銃兎も「ディビジョンバトル前のいい準備運動になりました」って仲間を気遣うんですけど、誤魔化し方がちょっと古臭いというか、古き良き男たちのやりとりで、すごく好きなんですよ。かわいいなーって。
それと8話の銃兎のセリフも。警察の仲間がしでかして、それを追い詰めていくんですけど、そのときの「さすがは尊敬する先輩方」っていうのが大好きで、もう「銃兎さーん!」ってなります。
――銃兎は悪人に対するときの冷酷さと、左馬刻や理鶯への接し方がだいぶ異なりますよね。
駒田 左馬刻とぶつかるときは真正面で対等にぶつかるから、シンプルなリアクションとして乱暴さが出せるんです。他の悪人に対しては、彼は基本的に見下しているし、イニシアチブをとりたがるんですよね。上から押さえつけるように、敬語で話しますし。左馬刻には、イニシアチブを握ろうとはしないんですよ。
斉藤 あと僕はレックスがすごく好きで……(笑)。5話でするめを食レポしていて、シブヤ・ディビジョンの我々がこの人達ちょっと危険だな……ってなるシーンが好きです。
石谷 食レポ三人組はなんでシブヤでするめ食べていたんですかね? しかもライブハウスのど真ん中で。
駒田 するめって実は現実で渋谷のソウルフードなのかなと思って調べちゃった。
斉藤 あの三人組に限らず、突き抜け感のあるシーンが好きですね。8話の、イカサマのサイコロを幻太郎が手にとって帝統の口につっこんで「早く噛んでください」っていうシーンも。まず帝統の顎の力がすごいし、幻太郎もなんで帝統に噛み砕かせたんだろうって(笑)。
――サイコロを顎で噛み砕かせようとする発想は、確かになかなかないですね。
斉藤 シブヤ・ディビジョンの回は毎回、ユーモアを感じる話になっていて。5話で幻太郎が話す怪談も、冷静に聞いてみると恐怖を感じるポイントが難しくて「ん?」っていう話なんですよ。
木島 ちゃんと怖かったよ!(笑)。
斉藤 収録で、白井くんだったかな。「これってどういうこと?」って言われて怖さを説明しちゃったんですよ(笑)。けど、乱数と帝統は怖がっている。細かい整合性うんぬんではなくて勢いやノリで話が進んでいくような、目的のない会話、雑談を楽しむところがシブヤ・ディビジョンらしいですよね。