ブルーエアといえば、スウェーデン発の高性能な空気清浄機メーカー。世界的に高い知名度があり、同社の製品は世界中で評価されています。日本でも家電好きや、「空気の質」に敏感な家族がいる層には非常に人気があるメーカーです。そんなブルーエアから12月3日に、新しいフラッグシップモデルとなる「Blueair Protect」シリーズが発売されます。
適用床面積が70畳までの「Blueair Protect 7700」と、適用床面積が40畳までの「Blueair Protect 7400」の2シリーズ。それぞれのシリーズでインタフェースが異なる3モデル、合計6モデルのラインナップです。本体サイズ・重さは、Blueair Protect 7700がW340×D340×H855mm・約19kg、Blueair Protect 7400がW300×D300×H690mm・約12.5kgと、なかなか存在感のある大きさです。
ウイルスレベルの超微粒子もしっかりキャッチ
ブルーエアの空気清浄機は、高性能なフィルターが大きな特徴です。「HEPASilent Technology」と呼ばれる技術によって、空気中に漂う微粒子をイオナイザーでマイナス帯電させ、ブラス帯電したフィルターへと静電気の力で吸着します。
これまでブルーエアは、0.1μm以上の微粒子を99.97%捕集できるとうたっていましたが、新モデルのBlueair Protectシリーズではフィルターとして、さらに進化した「HEPASilent Ultra」という技術を採用しました。HEPASilent Ultraではなんと、0.03μm以下というナノレベルの超微粒子も99%以上除去できるといいます。ちなみに、一般的にウイルスのサイズは0.1μm前後といわれています。
「SmartFilter」と呼ばれる新しいフィルターは、使い勝手も向上しています。設置するときは写真のように三角形の形で本体にセットしますが、交換時は汚れた面(白い面)を内側にして閉じることができるので、汚れた面に触れることなく捨てられます。
このフィルターはRFIDチップを搭載していて、使用時間や空気の汚れなどから、最適な交換時期をお知らせします。従来、ブルーエアのフィルターは基本的に半年で交換とされていましたが、SmartFilterは使用状況によって最長1年まで寿命が延びました。これはうれしい!
Blueair Protectシリーズは、フィルターだけでなく本体内のファンも一から設計しており、モーターには高効率なブラシレスDCモーターを搭載しています。従来製品と比べて静音性が10%アップし、消費電力は5%減っているそうです。
キャッチしたウイルスを不活性化する機能も搭載
空気清浄機が集めたカビや雑菌は、空気清浄機のフィルター内で増殖しないかどうかも気になります。そこで、Blueair Protectシリーズは「GermShield」と呼ばれる機能を搭載しました。
GermShieldは、部屋の湿度や温度などをモニターしながら、「菌が繁殖しやすい環境」であるかを365日24時間つねにチェック。菌が繁殖しやすいと判断した場合、フィルターに吸着した菌やウイルスにイオンをチャージ。さらに、内部に微風を起こしてフィルターを乾燥させ、菌やウイルスを不活性化させる機能です。
Blueair Protectシリーズの全モデルは、温度、湿度、VOC(揮発性有機化合物)、微粒子を検出するセンサーを装備しています。面白いのは、微粒子をPM1.0、PM2.5、PM10という3つのサイズに分けて検出、表示できるところ。部屋の空気が汚れているのは、花粉などの大きな粒子(PM10)が原因なのか、あるいはPM1.0のような目に見えない大気汚染物質が原因なのか、判断できるようになっています。
こうした物質の検出結果は、空気清浄機の本体と連動するスマートフォンの専用アプリでチェックしますが、Blueair Protectのモデルによっては本体上部からも確認できます。
このインタフェース、7700シリーズと7400シリーズのそれぞれで3種類が用意されており、PM1.0・2.5・10、温度、湿度、VOCの検出結果と、フィルター使用率を表示するのは、最上位インタフェースの「インタラクティブタッチスクリーン」です。ほか、PM1.0・2.5・10の検出結果とフィルター交換お知らせランプを備える「プリントタッチボタン」があります。
3つのインタフェース共通で、空気中の微粒子とVOCによる空気汚染度を5色のLEDで表示します。
空気清浄機は、本体側面から部屋の空気を取り込み、キレイにした空気を本体上部から排気することが多いのですが、Blueair Protectは「SpiralAir」と呼ばれる複雑な形状の排気口になっています。これにより、本体両側面から吸気、内部で清浄化した空気をあらゆる方向に放出。7700シリーズなら8畳をわずか4分、7400シリーズなら8畳を7分で清浄化できるといいます。
実は今回のBlueair Protect、約25年にわたるブルーエアブランド史上で、なんと初めてとなるフラッグシップモデルのフルモデルチェンジ。それだけに、とても力をいれて開発されており、いかにも「空気清浄機」という見た目だったこれまでのBlueair Classicシリーズと比べて、デザインや使い勝手などがかなり進化しています。
特に、0.03μmというウイルスレベルの微細粒子を99%以上除去できるというのは、かなりの安心感。高級機だけあって気軽に購入できる価格帯ではありませんが、「空気の質」にこだわりたい人にとっては、検討に値する製品でしょう。