サービス業でお客様と直接コミュニケーションをとり、もてなす「接客」。人と話すことが好きという人のなかには、接客業を志望する人も多いでしょう。

接客業に就職するためにはコミュニケーションスキルなど、文字通り「お客様と接する仕事」に求められる資質を理解した志望動機がカギとなります。本記事では、接客業に求められる資質や志望動機作成のポイントについて紹介します。

  • まずは接客業を理解しよう!

    接客業は商材やサービスによって仕事のスタイルはさまざま。接客業に必要な資質の理解が志望動機のカギ

まずは接客業を理解しよう!

接客業と言えばコミュニケーション力が必要ですが、お客様と話せることだけがコミュニケーション力ではありません。ここでは、接客業の基本と求められる資質を紹介します。

そもそも接客業とは?

接客業とはお客様と直接コミュニケーションを取りサービスを提供する仕事のことで、ショップなどの店員、飲食店のウエイター・ウエイトレス、ホテルスタッフ、美容師、レセプション、カラオケ店員などがあります。具体的な仕事内容は提供しているサービスや商材によって異なりますが、接客業の根本は「お客様に適切なサービスを提供しておもてなしをする」点にあります。

接客業に求められる能力・適性は?

接客業には「高いコミュニケーション能力」と「臨機応変に対応できる能力」が必要です。コミュニケーション能力と言っても、単純に「人と接するのが好き」「おしゃべりが好き」というだけではありません。お客様のなかにはあまり話すのが好きではない人もいるでしょう。お客様一人ひとり異なる空気感や距離感を察し、適切な会話・コミュニケーションをとることが大切です。

さらに接客業ではクレームなどのトラブルがつきもので、クレーム内容にかかわらず、冷静かつ柔軟に対応することが求められます。通常の接客時同様、状況を判断した適切なコミュニケーション能力と臨機応変さが、トラブルやクレームを解決へと導きます。

  • まずは接客業を理解しよう!

    お客様によって距離の取り方や心地よさは違う。接客業には空気を読む力と臨機応変さが大切

接客業の志望動機で重要な3つのポイント

これらの接客業に必要とされる能力や適性をふまえ、接客業志望動機で大切なの3つのポイントについてみていきましょう。

なぜ接客業を志望するのか

接客業に限ったことではありませんが、志望動機で一番大切なことは「なぜ接客業・その会社を志望しているのか」ということが伝わることです。名前や業界を変えたらどこでも使えるような志望動機ではなく、「接客業の○○の部分が」「この会社の○○が」など、オンリーワンの志望動機を心がけましょう。

志望動機をオンリーワンの内容にするためには、実体験に基づいた内容を書くこと。そのためにも応募先企業のサービスは体験しておくようにしましょう。

接客業に適性があるか

次のポイントは、志望動機から接客業への適性が読み取れるかどうかということです。

どのような会社であっても、接客業である以上は必ずお客様と対面し、コミュニケーションをはかります。「人と接することが好きか」「対応力はどれくらいあるか」「丁寧な対応ができるか」など、志望動機から接客業の適性がチェックされます。また接客とひとくちに言っても、メインのお客様の層や取り扱い商材、社風などによって接客方法は異なります。

基本的な接客業への適性有無、また企業の顧客層や取り扱い商材、雰囲気などに合致しているかどうかが、志望動機の大きなチェックポイントと言えるでしょう。

将来のビジョンがあるか

志望動機では、将来のビジョンもチェックされています。時間も費用もかけて採用・教育した社員が早々に退社してしまっては、また一から人材を採用し育てなければなりません。そのため企業側は、できるだけ長く働いてくれる人を採用したいと考えています。

入社後どのようなキャリアやビジョンを持っているのか、またそれが応募先企業の経営計画や目標に合致しているかなど、志望動機では将来も見据えた内容を書きましょう。

  • 接客業の志望動機で重要な3つのポイント

    志望動機を考える前に「接客業やその企業を志望する理由」「接客業への適性」「将来のビジョン」を考よう

接客業の志望動機作成方法

それでは具体的に、接客業の志望動機を作成する方法をご紹介します。

結論から書く

ビジネスシーンでは、話の意図が伝わりやすい結論ファーストが基本です。接客業に限りませんが、志望動機ではまずは結論を書き、その次に結論の根拠と理由について述べていきます。

また書き出しの結論は、その内容が「なぜその企業を志望するのか? 」という問いの答えになっているかどうかを意識しましょう。

なぜその業界・企業なのかを書く

次になぜその業界・企業を志望するのかについて理由を書きます。

企業側は数多くの企業のなかからなぜ自社を志望しているのか、その理由を知りたいと考えています。「応募先企業の商品やサービスが好き」「企業理念に共感した」など、具体的でポジティブな理由を書きましょう。同業界で複数社を受ける場合は、項目ごとに比較できる表を作成するとそれぞれの企業の特徴が分かりやすくなります。

また「自宅から近い」「給料がいい」など、企業側にとってはポジティブとは言い難い理由で志望する場合もありますが、そのような場合でもWebサイトなどを調べ、応募先企業ならではの特徴をピックアップし志望動機を作成するようにしましょう。

具体的な自分のエピソードを盛り込む

志望動機には具体的な自分のエピソードを盛り込んで、オンリーワンの内容に仕上げていきましょう。

例えば、「客として応募先の店舗に通っていて、店員さんの対応がすばらしく自分もそうなりたいと思った」「ふだんから応募先企業の製品を利用しており、○○の機能が特に素晴らしいと思っている。この素晴らしさを自分もお客様に伝えていきたい」――など、実際の自分の体験談を盛り込むことで、志望動機にオリジナリティやリアリティを加味することができます。

逆に、志望動機を裏付けるエピソードがないと、どの企業でも同じことを言ってるのでは? と企業の印象に残りにくい志望動機になってしまいます。もし盛り込めるようなエピソードがない場合は、できるだけ実際の店舗や施設に足を運び独自性や感じたことをまとめてみましょう。

将来へのビジョンを書く

最後は、「将来的にはどうしていきたいのか」についてまとめます。

将来のビジョンを書くことで、モチベーションの高さや目標を持って行動できる人材であるというアピールをすることができます。人によっては5年後や10年後など、長期スパンでのビジョンが想像できないかもしれません。そのような場合でも「入社後どのように活躍したいのか」など入社後の意気込みを書くことで、企業に「期待できる人材である」と感じてもらいやすくなります。

  • 接客業の志望動機作成方法

    入社後や将来的なビジョンを入れることで、企業側にとって期待感が高まる志望動機となる

接客業の志望動機例

以下では、上記のポイントを踏まえた接客業の志望動機例文をご紹介します。

ホテルスタッフの志望動機例文

以前家族で貴社グループのホテルに宿泊した際、スタッフの皆様の暖かい対応に感銘を受け、ぜひ貴社で一緒に働きたいと思いました。
私が16歳を迎えた際の誕生日旅行で、貴社グループのホテルに泊まった際のことでした。貴社のスタッフがサプライズで部屋に誕生日の飾り付けをしてくださっており、一生忘れられない旅行になりました。
私はそれまでホテルはどこに泊まってもあまり変わらないと思っていましたが、貴社グループのホテルに宿泊してから、働いている人の対応でゲストの印象が大きく変わるということを知り、接客業に携わりたいと思うようになりました。
昨年にホテルビジネス実務検定試験のベーシックレベル2級を取得し、今は1級取得を目指しています。私もお客さまに感動していただけるような、素敵な旅のお手伝いができるホテルスタッフになりたいと考えています。

アパレルの志望動機例文

貴社製品の素晴らしさをまだ知らない方々に製品を広く紹介していきたいと思い、貴社を志望しております。
私は貴社が展開しているブランド「○○○○」のコンセプト、持続可能な社会づくりをベースとした企業理念に強く共感しており、普段から愛用させていただいております。貴社のオペレーターの方から、貴社製品はフェアトレードによる原料で開発されたサスティナブルな素材で作られており、また製品を使用後もリサイクルにより新しい製品に生まれ変わるという説明を聞いて強く感銘を受けました。
使い捨てが当たり前の時代にあって、あえて一つひとつの工程や素材を大切にする製品には温もりを感じます。人間関係が希薄になりつつある現代社会において、貴社の製品でひとつの服がもたらす幸せをより多くの人に知って欲しいと思っています。そして将来的には貴社のブランドを世界中の人に紹介したいと強く思っています。

  • 接客業の志望動機例

    具体的なエピソードは、志望動機に説得力を持たせる重要な要素。もしエピソードがなければ、実際の店舗や施設に足を運んでみよう

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接客業の志望動機では、まず接客業ならではの「求められる能力や適性」が志望動機から感じられるかどうかが大切です。基本的な接客業への適性をベースに、応募先企業で働きたい理由や個人的なエピソード・将来へのビジョンを盛り込み、自分らしさが感じられるオンリーワンの内容を心がけましょう。

こちらの記事を参考に、採用担当者に響く接客業の志望動機を作成してみてくださいね。

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