IPOで株式が上場されると、初値で価格が跳ね上がる株式は多いです。IPO株を手に入れるための抽選に参加した結果当選した場合、初値で売る方がいいのか、しばらく待ってさらに値上がりしてから売る方が利益を得られるのか、売り方に迷ってしまいます。また、抽選に外れても初値で手に入れられたらその後値上がりすることが多いので、その場合も売り方には迷うところです。
本記事では、IPO株の売り方を押さえた後で、IPO株の初値売りのポイントをご紹介。あわせてIPOセカンダリー投資売り方のポイントも解説します。
株式投資に興味がある人にとって役立つ内容となっています。株式投資の幅を広げていきたい人や、これから株式投資を始める人は、ぜひ読んでいってください。
IPO株の売り方おさらい
IPO株を売るタイミングは、大まかには3つのタイミング(初値売り、セカンダリー、しばらく保有してから売却)に分類可能です。まずは、IPO株の売り方をおさらいします。
IPO株の初値売りとは
初値売りとは、公募価格で手に入れたIPO株を、上場して株式市場で初めてついた価格で売ることです。初値売りはIPOに当選した場合の王道ともいえる売り方となっています。
IPO株は初値で高い価格がつき、その後乱高下を繰り返すことが多いです。初値で売ることで、株価の乱高下を気にしなくていいうえ、手に入れた価格より高く売却できる確率が高く、株取引の戦術としてよく選ばれています。
IPOセカンダリー投資で手に入れた株を売却
IPOセカンダリー投資とは、IPO株が上場後に株式を購入したり売却したりする投資方法です。IPO株の初値売りは大きな利益を得やすい反面、公募に申し込んで当選しないと参加できず、誰でも参加できる訳ではありません。しかし、IPOセカンダリー投資においてはすでに上場した株式なので、証券会社に口座を持っていれば誰もが参加可能です。
株価が乱高下しやすい上場直後に、タイミングを見計らって売買することで、ハイリスクではあるものの、売り方のタイミングを見誤らなければ高いリターンを期待できます。
しばらく保有してから売却
IPO株はこれから成長が見込める会社の株なので、将来性がある会社も多いです。数カ月・数年単位で持つことで、株価が何倍にもなる会社もあります。株を買った会社の業績や業務内容をよく確認して急成長しそうだと判断したら、しばらく保有して様子をみるのもいいでしょう。
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IPO株の初値売りのポイント
新規上場されるIPO株を初値売りする場合、ポイントを押さえておくことが必要不可欠です。そこで、IPO株の初値売りで気をつけるべき点を紹介します。
需要が大きいので株価が上がりやすい
IPO株に注目しており、初値で購入しようと注目している投資家は多いです。需要が大きい株を見極めて、公募価格より株価が上がった株を初値売りすることで、高い利益を得られます。
IPOに注目している投資家が多く市場が活性化している
IPO株は成長している会社や、これから成長が見込める会社が多いので、公募価格より初値が高くなることは多いです。初値売りすると利益が見込めることで、売買を希望する投資家が殺到し、株価が上がりやすくなります。
乱高下する株式もある
IPO株の公募に落選しても、初値で購入しようと注目している投資家は多いです。通常の株売買に比べて市場が活性化しているので公募価格より株価が上がりやすく、初値売りすることで高い利益を得られる可能性が高いです。
場合によっては値下がりすることもある
2019年にはIPO株のほとんどは初値が公募価格より高値をつけていました。しかし2020年の前半は社会情勢の影響もあり、マイナス値をつけている株も見られました。また、初値をつけた後に値下がりする場合もあります。必ず公募価格よりも値上がりする訳ではない点に注意してIPO株の取り引きに臨みましょう。
IPOセカンダリー投資での売り方のポイント
IPOに当選しなくても参加できるIPOセカンダリー投資は、売り時と買い時の見極めが大切です。ここでは、IPOセカンダリー投資を行う場合の売り方のポイントを紹介します。
下落したところで購入して上がったら売る
IPO株は上場して初値をつけた後は、株価は乱高下を繰り返すことが多いです。株価の値動きを見ながら、下落したなと思ったら購入し、株価が上昇したら売却することで利益を得られます。
タイミングが重要なので、手元で売買できるネット証券を利用するのがポイントです。
リスクがある点に注意
株価は変動するものなので、底値で購入したと思っても必ず上がるとは限りません。値動きが激しいからこそ、短期で利益を出せないリスクがある点も理解して株取引しましょう。
公募割れIPOを買う方法もおすすめ
IPO株の中には、証券会社が設定した公募価格よりも初値が低くなってしまう、いわゆる「公募割れIPO」もあります。市場からの注目が低い株であることから、割安な株といえます。
公募割れしているIPO株に注文が集まって株価が上昇したり、長期保有すると株価が徐々に上昇していったりする場合もあるので、成長が見込めると判断したら、購入するのもいいでしょう。
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IPO株売り方のポイント
IPO株の売却するときに、何となく売るだけでは利益を得られないこともあります。IPO株の売り方について、ポイントを紹介します。
値下がりしそうな銘柄に注意
公募価格でIPO株を手に入れられても、初値が公募価格より低くなってしまうと、初値売りすると損をしてしまいます。決算状況やネットの予想、直近が赤字でないかなどを参考にして、値下がりしそうな要素があるなら気をつけましょう。
もし公募価格で手に入れたIPO株が値下がりしそうなら、初値売りせずに長期保有するのもいいでしょう。
売却時に手数料が発生する
IPO株は公募価格で手に入れると購入手数料がかからないことも人気を集める要因のひとつです。しかし、売却には通常の株取引同様の手数料が発生してしまいます。証券会社によっては、手数料が高くて思ったほどの利益が出ないこともあるでしょう。
売却時に手数料が発生することを忘れずに、証券会社選びや売買を行うことが大切です。
NISAを活用する
IPO株を売買して利益が出ると、通常は利益に対して税金がかかります。税率は利益に対して20.315% と、約5分の1の額です。しかし、NISA口座での株取引であれば、最高5年間は120万円までは非課税となります。もしNISA口座で売買できるIPO株があるなら、活用すると節税可能です。
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成長している会社の株式を手に入れられるIPO株の公募に当選した場合、手っ取り早く利益を得る方法が初値売りです。人気があるIPO株の場合、公募価格の数倍になることもあり、初値売りすることですぐに利益を得られます。
ただし、会社の経営状況や社会情勢によっては、初値が公募価格を下回る場合もありますので、決算状況や予想などを参考にしながら見極めることが大切です。
また、公募でIPO株を手に入れられなかった場合も、上場後に手に入れて売却することで利益を得られます。上場後すぐは株価が乱高下することも多いので、リスクを理解して見極めながら売買することが大切です。
売却時には手数料が発生する点や、利益に対して所得税が発生しますので、NISAを活用するなど工夫しながら、できるだけ利益を出せるよう、IPO株の売り方を工夫していきましょう。