27日に最終回を迎えるNHK連続テレビ小説『エール』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)。このたび主人公・古山裕一を演じてきた俳優の窪田正孝がコメントを寄せた。
窪田は「撮影があった1年を振り返ってみると、本当にあっという間でした。実は撮影が終わったという実感があまりないんです。放送が続いているというのもありますが、今は、大量の台本や指揮やオルガン、ハーモニカなど、指導いただいた時の資料などを整理したりしています。先日、福島に行って古関裕而さんのお墓に無事に終われたことを報告できてホッとしましたね。これからだんだんと実感していくんですかね(笑)」と心境を告白。
「現場ではさまざまなキャストを迎えては送り出すということをしてきました。そういったみなさんとの出会いや芝居の経験は僕自身の強みになりましたし、今後に向けての大きな財産にもなりました」と語る。
そして、「各話で出演されたみなさんが静と動の“動”を担ってくださったので、裕一が“静”として生きられたんだなと思っています。大きなところで言うと、音(二階堂ふみ)が動としていてくれました。本来ならば静と動を一人でやらなければならなかったところを二人でできたというところは、ほかの“朝ドラ”にはない特徴だなと思います」と裕一と妻・音の役割を解説。
音との印象的なシーンは、「第10週の裕一が音の夢をあずかるところ」とのこと。「子どもができるとやっぱり優先順位は変わりますし、でも夢も諦めたくない、諦めてほしくなかった。そこで裕一が『音の夢をあずけてくれないか』と言えたことは、2人が互いにないものを補えているからこそ成立したセリフだったと思います。しかもあのシーンは、リハもなく1発本番。音を演じるふみちゃんの気持ちの高ぶりを肌で感じながら、スタッフ含め現場全員がひとつの方向を向けた瞬間でしたね」と振り返る。
また、「戦争のシーンもつらい部分はありましたけど、やっぱりコロナウイルスの影響で撮影の流れが止まったこと、そしてスタジオにこもりっきりになるほど撮影が続いたことは正直つらかったです。だから、ロケがとにかく楽しくて(笑)。そして、僕ら役者と近い場所にいたスタッフのみなさんとお菓子の話をしたり健康器具で癒やされたりするのが心のケアになったというか。だから最後までできたというのはあります」と本音も。
そして、「やりきったと思う一方で、唯一の心残りは、このコロナ禍で1年も撮影していたのに打ち上げができていないことです」と打ち明け、「“福島三羽ガラス”の鉄男役の中村蒼さん、久志役の山崎育三郎さん、そして藤堂先生役の森山直太朗さんとも、コロナが落ち着いたら、『エール男子会しようぜ』と盛り上がっているところなんです。それから、福島にある古関さんゆかりの信夫山(しのぶやま)の散策もしたいなと計画しているんです。ぜひこれらを実現したいですね。今は、そんな日がくるのを楽しみにしています」と計画を明かした。
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