華やかな印象が選考しがちなアパレル業界では、「おしゃれが好き」「服が好き」という理由で応募する人も多く見受けられますが、企業が採用したいのは会社とってメリットがある人。そのため志望動機は、「自分がいかに会社にメリットがある人材であるか」が伝わる内容に仕上げていくことが大切です。

さっそくアパレル業界の志望動機の書き方について、くわしく見ていきましょう。

  • アパレル業界の志望動機作成前に、チェックしたい3つのポイント

    人気なアパレル業界で印象に残る志望動機を作成するポイント

アパレル業界の志望動機作成前に、チェックしたいポイント

印象に残る志望動機を作成するためには、まず状況の把握と分析をしていきましょう。チェックしたいポイントは次の3つです。

なぜアパレル業界なのか

「なぜアパレル業界を目指しているのか」、この理由をしっかり考えてみましょう。最初からあまり難しく考える必要はなく、「日々の生活に潤いを与えてくれる」「かっこいい」など、最終的に志望動機として言語化するためのヒントを集めるつもりで、思っていることや感じていることを書き出します。

なぜその会社・ブランドなのか

数多くのアパレル企業・ブランドから、志望先企業を選んだ理由を考えましょう。 アパレル業界を目指した理由として「服が好き」「ブランドが好き」という人も多くいますが、企業が採用したいのはビジネス上の戦力となる人材です。志望理由が「服やブランドが好き」という理由だけでは、志望動機として不十分と見なされてしまいます。

またなかには「好きだから」という理由以外、志望する理由が思い浮かばないという人もいるかもしれません。そのような場合は実際の店舗へ足を運び、店員の様子や商品・店舗を観察したり、会社やブランド情報をインターネットなどで調べたりしてみましょう。

情報収集しているうちに、これまで知らなかったブランドや企業の魅力などが明らかとなり、漠然としていた志望動機が言語化しやすくなります。

入社後のビジョンはあるか

希望する会社へ入社した後どのように活躍したいのか、入社後のビジョンを考えてみましょう。

就職はゴールではなく、仕事のスタート地点です。企業側は時間も費用もかけて採用・教育した社員には、できるだけ長期間働き活躍してほしいと考えています。そのため志望動機では、将来的なビジョンもチェックされていることを意識しましょう。

入社後どのようなキャリアを目指しビジョンを描くか、そのビジョンが応募先企業の経営方針や方向性に合致しているかなどを検討しましょう。

  • アパレル業界の志望動機作成前に、チェックしたい3つのポイント

    担当者に響く志望動機は、事前の状況把握と分析がポイント。進めていくうちに志望動機も明確になってくる

アパレル業界における志望動機作成時のポイント

アパレル業界の志望動機は、以下の7つのポイントを参考に作成しましょう。7つのポイントをおさえることで、基本の志望動機の型を作ることができます。

全体の文字数は200文字程度でコンパクトに

全体の文字数は200文字程度が目安となります。熱意を伝えたいあまり長文になってしまうこともあるかもしれませんが、多忙な採用担当者にとって長すぎる志望動機はあまり好ましいものではありません。

言いたいことのポイントをおさえ、コンパクトにまとめることを意識してください。

結論ファースト

ビジネスの世界では結論ファーストが基本です。結論を最初に書くことで、言いたいことが相手に伝わりやすくなります。

もし最後の文章を読んでもらえなくても、最初に結論が書いてあれば志望動機の肝心な部分はしっかり伝えることができます。

例 : 貴社の「日常をぜいたくに」というコンセプトに基づく服作りに非常に感銘を受け、是非自分も一緒に働かせていただきたいと思い応募させていただきました。

アパレル・その会社で働きたい理由を書く

「貴社で働きたい」という結論の次に、なぜその会社なのか、またなぜアパレル業界なのかについて理由を書きます。企業も業界もたくさんあるなかで応募先企業を選んだ理由は、いわば志望動機の核。企業やブランド、製品の強みや魅力などをしっかり書きましょう。

前述の通り、注意したいのが「ブランドが好き」「服が好き」という志望動機です。アパレルを目指す人のなかには「応募先企業のブランドが好きだから」という人も多いですが、単純に「好き」というだけでは志望理由の核としては弱く、採用担当者には響きません。

例 : 貴社の商品はシンプルなデザインでありながら、コンセプト通りこだわった素材を使用されおり、袖を通した瞬間とても幸せな気持ちにさせてくれます。そんな日常の洋服にハッピーを詰め込むことができる貴社の商品づくりの姿勢に、強く感銘を受けました。

具体的なエピソードを盛り込む

志望動機に具体的なエピソードを盛り込むことで、自分だけのオンリーワンの志望動機を作ることができます。実際に経験・体験したエピソードを盛り込み、アパレル・応募先企業で働きたい理由と紐づけると、志望動機にリアリティを加味しましょう。

もし具体的なエピソードがない場合は、無理に捏造をする必要はありません。前述した調査などから自分が率直に感じたことなど、企業やブランドと自分をつなぐ内容を書いてみましょう。

例 : 最初に貴社の商品を手にしたときは衝撃を受け、1週間洗濯し続けて毎日着てしまったほどです。

自分が何ができるかを書く

志望動機は自己PRとは異なりますが、志望動機にも簡潔に自分の長所やスキルなど、仕事に活かせる部分に触れておきましょう。

ほかの仕事で得た経験、接客業の経験からの判断力やコミュニケーション力、ファッションに関する知識などについて、具体的なエピソードにからめて触れておくと採用担当者の目に留まりやすくなります。

例 : 貴社の服の着心地は私は好奇心を刺激し、繊維の編み方や素材、袖のスタイルなどこの心地よさの秘密は何かを徹底的に研究しました。

ビジョンを書く

志望理由には、入社後のビジョンにも触れておきます。

企業は自社にメリットが生まれる人を採用します。志望動機を通して、一過性の印象だけでなく「中長期的に見てこの人を採用すると会社にどんなメリットや効果が生まれるか」、ということを見ているのです。

例 : 着心地の良さから生まれる幸福感は、年代や性別によっても異なります。現在はレディース向けとなっている商品を、メンズ、キッズ、シニアなど幅広い年代・性別向けに展開していきたいと考えています。

ブランドや会社の魅力は自分の言葉で

ブランドや会社の魅力を伝えるときは、自分の言葉で伝えるように心がけましょう。有名ブランドであればあるほどコンセプトワードやブランドメッセージは確立しており、それをなぞらえる形で志望動機を作成するライバルは数多くいます。そのため採用担当者の目に留まりにくくなってしまいます。

ブランドや会社の魅力について書くときは、本章の例文も参考に「なぜブランドや会社に魅力を感じたのか」ということを意識してみてください。意識することでブランドや会社と自分の接点が明らかになり、説得力のある文章になります。

  • アパレル業界の志望動機例文

    志望動機のポイントは、基本形と自分の言葉。作成後に「この人と働きたいか?」という視点で読み直そう

アパレル業界の志望動機例文

それでは具体的なアパレル業界の志望動機の例文をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

経験者の志望動機例文

私は貴社製品のサイズ展開の多さに感銘を受け、ぜひ貴社で働きたいと思い応募させていただきました。

私は前職でもアパレルスタッフとして3年勤務していましたが、前職の製品は着こなせる人の体型が限られていました。サイズ展開が豊富な貴社製品であれば、より多くの人に新しい服を選ぶ楽しさや着こなしの提案が可能です。これまで培った接客の経験を活かし幅広く多くの人に服を選ぶ楽しさを知ってもらい、将来は店長として家族でお店に遊びにきてくれるような店作りをしたいと考えています。

未経験者の志望動機例文

私は貴社製品で、より多くの人を笑顔にしたいと思い応募させていただきました。雨やどりで偶然入ったお店で貴社製品と出会い、色使いやスタイルに一目惚れしました。貴社製品を身に付けた日は、気持ちが華やいでポジティブになれます。

私も貴社の販売員として、この気持ちを一人でも多くのお客様に紹介していきたいと思っています。また店舗だけでなくSNSなどを通じて、一枚の洋服が毎日を楽しくしてくれることを世界中の人に伝えたいと思い、志望させていただきました。

NGの志望動機例文

私はもともと洋服が好きで、特に御社のブランドが好きで応募させていただきました。

御社はファッション系のSNSなどでもよく紹介されており、洋服の世界観が他のブランドとは異なり、とてもスタイリッシュだと感じています。私も貴社製品の世界観を、より多くの人に伝えたいと思っています。

  • アパレル業界の志望動機例文

    アパレルの志望動機はポイントをおさえつつ、文字数に注意しよう。あまり長い文章はNG

あこがれだけはNG! 印象的な志望動機でアパレルの就活を成功させよう

あこがれる気持ちで目指す人も多いアパレル業界ですが、単純にあこがれていることや好きなブランドであることを伝えても、採用担当者には響きません。

アパレルも他業界同様、志望動機は「なぜその会社なのか? 」「入社してどうしたいのか? 」が核の部分。企業にとって採用はビジネスパートナーであるということを意識し、この記事を参考に自分の言葉で志望動機をまとめてみましょう。