Droopbox Japanは11月20日、オンラインで記者説明会を開き、テレワークにおいて今年10月に発表されたクラウド電子署名ソリューション「HelloSign」を便利に活用できる「HelloSign API」を紹介した。説明会ではHelloSign APIの特徴や事例などについて語られた。
「HelloSign API」、その特徴とは?
まず、Dropbox Japan ソリューション アーキテクトの保坂大輔氏は、HelloSignの特徴ついて「使いやすいという評価を受けており、APIファースト企業として他ソリューションとの連携を重視し、HelloSign APIの開発期間は平均2.5日、ユーザーの39%は1日以下の開発期間となっている」と話す。
このような特徴を踏まえた、HelloSign APIの特徴は「カスタマイズによりユーザーの業務にシームレスに組み込むことが可能」「簡単に実装し、すばやく業務で活用」の2点を挙げている。
カスタマイズでシームレスに組み込むことが可能な点については、サイト内に署名と依頼を埋め込みができる(ex.企業ホームページでサービス提供している場合、契約時などにサイト内で完結する)ことに加え、オフィス賃貸や入居契約といった柔軟な埋め込みテンプレートを持ち、完全なホワイトラベル化を可能としている。
簡単に実装かつ素早く業務に活用できることに関しては、専門の開発サポートチームを有し、多様なAPIの利用や機能説明だけでなくステップバイステップのガイドなどを備えたAPI Dashboardがある。
保坂氏は「HelloSignは開発が不要で数分で利用開始できる。一方で、開発が必要なほか、利用開始まで数日は要するが、ドキュメントが多く、ブランド設定とホワイトラベル化や署名依頼の自動化、既存Webサイトへの埋め込みに加え、APIであればどのようなソリューションでも可能としているのがHelloSign APIだ」と説明する。
HelloSignとサイボウズ「kintone」の連携プラグイン
続いて、キャップドゥ 代表取締役社長の森田晃輝氏が新たに同社が開発し、11月20日から提供開始しているHelloSignとサイボウズのクラウド型業務アプリ開発プラットフォーム「kintone(キントーン)」の連携プラグイン「Dropbox HelloSign for kintone」について説明した。
森田氏は「HelloSignとkintoneが連携することで契約マネジメントの仕組みを構築が可能となった。単に契約を締結するという作業のためのものではなく、契約まで至ったプロセスと、契約完了までのプロセス、契約完了後の更新作業など、さまざまな作業をマネジメントできる」と述べた。
プラグインを利用することにより、kintone上で作成した各種契約書を出力するとDropbox内に自動的に保存され、Dropbox上でHelloSignと連動して、法的な署名を追加することができる。
また、署名追加後の書類データはDropbox内で送りたい人と直接共有することができるため、従来のようにメールなどで送る手間を省くことを可能としている。なお、共有された書類は共有された側(書類を送られた側)に対し、HelloSignから署名依頼のメールが届くため、見逃しのリスクも軽減できるという。
同氏は「kintoneでPDFを生成した上でAPIを用いてHelloSignに送り、電子署名の依頼をメール送付し、署名の完了後にkintoneに完了したというステータスが返ってくると同時に、Dropboxに契約書を格納する仕組みとなっている」と説く。
森田氏は、この仕組みの重要なポイントとしてkintone内でのPDF化を挙げており、同社が開発したkintoneプラグイン「KAIZEN PDF」がカギとなっている。KAIZEN PDFは、kintoneでは不可能だった契約書類の作成およびPDF出力を可能にするプラグインとなり、書類はkintoneのレコード情報に基づいて自動で作成・エクスポートされる。エクスポートされた書類はDropbox内に保存され、HelloSignによる署名追加やDropboxで共有できるという。
そのため、Dropbox HelloSign for kintoneでは出力した帳票データ上で電子署名機能が利用でき、社内の承認書類だけでなく、契約書からNDA(秘密保持契約)まで、あらゆるドキュメントに法的に有効な署名を電子的に依頼し、法的拘束力のある署名を追加することを可能としている。初期費用は無料、月額1万8000円(税別、HelloSign利用料込み、従量課金なし)。
パートナービジネスに注力するDropbox Japan
Hellosignは10月に提供開始したが、いち早くこうした連携ソリューションが発表されるのも同社がパートナービジネスに注力していることがあるからだろう。
今年6月に開催された事業戦略説明会では、パートナービジネスの加速として、新規案件をパートナーと協業して販売するとともに、ユーザーが使う日本独自のアプリケーションとの連携を拡充し、Registered、Select、Eliteのパートナープログラムのうち、SelectとElite向けパートナー支援を刷新し、人員の倍増、パートナー専任カスタマーサクセスを新設する方針を示していた。
Dropbox Japan パートナー事業部長の玉利裕重氏は「キャップドゥとともに、連携ソリューションを日本市場に投入していくことは当社のパートナービジネスを加速させていくものだ」と力を込めていた。