専門職である保育士の資格を持っている人の中には、転職して保育士として働く道を選ぶ人は少なからずいるものです。保育士として働きたいと考えて採用選考をうける場合、履歴書への記入や面接で志望動機を必ず聞かれます。しかし、どうすれば意欲を伝えられるのか、とまどってしまうこともあるでしょう。
そこで、保育士が転職する場合に志望動機をどう練り上げて伝えればいいのかを紹介していきます。あわせて履歴書への記入例や、面接で志望動機を伝える際の注意点もまとめました。
前職が保育士であった人にも、他業種から転職する人にも参考になる内容となっています。これから保育士として働きたいと考えている人は、採用選考の対策に読んでみてください。
保育士の採用選考における志望動機のまとめ方ポイント
保育士としての採用選考に臨む場合、志望動機のまとめ方にはスキルをアピールするなど、いくつかのポイントがあるのでチェックしておきましょう。保育士として採用されるために志望動機をどうまとめればいいのか、工夫すべき点を解説します。
保育園の理念や方針を理解して共感できる点をアピール
保育士として働こうと複数の保育園で採用選考をうける場合に、どの保育園でも同じ志望動機を述べていると、採用に結びつきにくいです。なぜその保育園を受験するのかを保育園に合わせて伝えていきましょう。
保育園の理念や方針、求める人物像などを研究したうえで、志望動機を伝えるのがポイントです。
経験やスキルなどと絡める
保育士の転職では、前職の経験があると採用につながりやすいこともあります。例えば前職で0歳児や乳児保育の経験がある場合や、マネジメントの経験がある場合などは、経験としてアピールできるポイントです。
自分の経験やスキルが選考をうける保育園で生かせる点をアピールして、内定につなげていきましょう。
保育士資格以外の保持資格で業務の幅をアピール
保育士以外に幼稚園教諭の資格を持っているなら、保育園と認定こども園と両方で働けるだけでなく、幅広い知識があることをアピールできます。
保育士以外に役立つ資格を持っている場合は、幅広い業務を担当できることをアピールするといいでしょう。
将来実現したいことを伝える
複数回の転職経験がある場合、またすぐに転職してしまうのではないかと、採用を躊躇されてしまうことがあります。転職歴が複数回あるなら、これまでの経験を生かして、将来どんなことを実現したいのかを伝えましょう。
あらかじめ自己分析をしたうえで、経験やこれまで培った対応力を生かし、将来的にどうなりたいのかを伝えるのがポイントです。
保育士採用選考における履歴書への記入例
保育士としての採用選考に臨む場合、ほとんどの場合履歴書への志望動機の記載が必要です。そこで、保育士採用選考における履歴書への志望動機の記載例を紹介します。
現役保育士の転職の場合(履歴書)
現在の園では約3年勤めておりますが、経験豊富な先輩保育士から学べる環境で働きたいと感じるようになり、スキルアップも含めて転職を決意しました。貴園は保育士の人数が多いうえ、研修制度が充実していると聞き、これまで学べなかった保育ができると判断したのが志望理由です。ピアノや歌を得意としておりますので、音楽を通じて子どもと深く関っていきたいと考えております。
退職理由やこの保育園で成し遂げたいことと絡めながら、志望動機を作成するのがポイントです。
ブランクがある場合(履歴書)
以前、5年間保育士として働いた経験があります。見聞を広げたいと感じたことから他業種へ転職いたしましたが、子どもができて関わる課程で、子どもに関わる仕事へ戻りたいと感じるようになったのが志望のきっかけです。ブランクがあっても研修などサポート体制が充実している貴園であれば働きやすいと考え、応募に至りました。自身が親となり学んだことや感じ方が変わった点が多くあり、子育てに悩む保護者の悩みにも寄り添いながら勤めていきたいと考えております。
ブランクを逆にPRポイントにしながら、志望動機を伝えていきましょう。
他業種からの転職の場合(履歴書)
現在は一般企業に勤めておりますが、子どもが好きで保育士になりたいという思いから専門学校に通い、保育士の資格を取得いたしました。就職活動の際に、家族に勧められて一般職に就きましたが、保育士になる気持ちを諦められなかったことから、研修制度が充実している貴園へ今回志望させていただきました。現職ではデスクワークの事務業務が多いので、行事の資料作りなどで経験を生かしたいと考えております。
他業種での経験もプラスになることをアピールするのがポイントです。
保育士の面接での志望動機を述べる際のポイント
たとえ履歴書に書いたとしても、ほとんどの場合面接でも志望動機を尋ねられます。面接では履歴書に書いた志望動機の内容をふくらませるのがポイントです。ここでは、保育士の面接で志望動機を述べる際のポイントを紹介します。
現役保育士の転職の場合(面接)
現役保育士の場合、保育現場での働き方をよく知っている点が最大のメリット。とくに第二新卒の場合、若くて体力があるため、比較的ニーズが高いです。
第二新卒の場合には転職して成し遂げたいことを、経験が長い保育士の場合には経験を生かせる点を重点的に、履歴書に書いた内容を広げていきましょう。
ブランクがある場合(面接)
保育士の仕事を一度離れてブランクがある場合、ブランク期間中には保育士以外の経験を積んでいることになります。他の仕事や子育てなど、ブランク期間中の経験をどう生かすかを踏まえて、今後どう働いていきたいかを伝えるのがポイントです。
他業種からの転職の場合(面接)
未経験で他業種から保育士へ転職する人は、第二新卒をはじめとする若い世代が多いです。やる気にあふれており、素直にすべきことを学ぶ姿勢がある点をアピールしましょう。即戦力にはなりにくい分、伸びしろがある人材である点を伝えるのがコツとなります。
志望動機を伝える際の注意点
保育士の採用選考においての志望動機は、何となく伝えるだけでは採用には結びつきにくいです。そこで、保育士採用選考での、志望動機を伝える際の注意点を紹介します。
漠然とした動機はNG
「子どもが好き」など漠然とした理由だけでは、その保育園で働きたい理由としては不十分です。応募した保育園で働くことがなぜ自分にとって魅力的だと感じたのか、具体的に理由がわかるように伝えましょう。
どの保育園にも当てはまるような内容にはしない
志望動機で保育士として働きたい理由だけを述べてしまうと、ただの一般論になってしまい、説得力がありません。選考をうける保育園の理念や特徴と絡めながら、志望動機を伝える必要があります。
その保育園でなぜ働きたいのか、園の特徴に合わせて差別化して伝えましょう。
保育園が採用したい人材であることをアピール
保育園によって、採用したい人物像が異なります。保育園が求めている人物像でないと判断されると、応募しても採用は難しい場合がほとんどです。
まずは保育園がどんな人材を採用したいのかをよく確認して、保育園が採用したい人材に合っていることを志望動機で伝えましょう。
保育士の転職活動では志望動機を効果的にアピールしましょう
保育士としての転職活動では、具体的な志望動機をわかりやすく伝えることがポイントとなります。どんな保育園でもあてはまるような具体性のない志望動機を述べるだけでは、選考をうけても通過できないことが多いでしょう。保育園の理念や特徴、求める人物像に合わせながら、志望動機を伝えることが重要です。
また、転職なのか未経験なのか、ブランクありなのかで、志望動機で伝えるべきポイントが異なります。他業種への経験や保育士以外に持っている資格など、他の人にはない自分の経験を強みとして、志望動機に絡めて伝えていきましょう。
志望動機は保育士の採用選考において重視されるポイントのひとつなので、選考をうける保育園に合わせて考え、伝えていきましょう。