将来の生活のために、収入を得る手段をいくつか確保しておきたいと考えている方も多いかと思います。今日では、スマホ1つで簡単に株式投資ができるようになったほか、「積立NISA」「NISA」などの制度が登場したこともあり、実際に取り引きを行う人が増加しています。
しかし、いざ実際に投資を行う上で壁となるのが、普段の生活では耳慣れない用語です。今回は、株式投資を行うにあたってよく耳にする言葉である「セカンダリー」という言葉について紹介します。
セカンダリーとは?
そもそもセカンダリーとは、英語で「二次的な」といった意味を持つ単語です。投資の世界では「セカンダリー・マーケット」、または「セカンダリー投資」といった形で使われるのが一般的です。
これらの言葉はIPO銘柄の取り引きで使われることも多いため、まずはIPO銘柄とは何なのかをご紹介します。
IPO銘柄とは?
IPO銘柄とは「新規公開銘柄」または「新規上場銘柄」とも呼ばれています。つまり、新たに証券取引所に上場する株式の総称です。未上場会社の株式が株式市場に上場し、売り出された株式をIPO銘柄と呼ばれます。
セカンダリー・マーケットとは?
セカンダリー・マーケットとは、発行された株式・債権を投資家間で売買できる市場のことを指します。IPO銘柄の取り引きには「公募」と「売り出し」という方式があり、セカンダリー・マーケットでは「売り出し」方式のIPO銘柄の売買が行われます。
セカンダリー投資とは?
セカンダリー投資とは、証券市場などで売り出されたIPO銘柄の取り引きを行うことを指します。
IPOセカンダリー投資の特徴としては「初値で買う」ことになるという点が挙げられます。先述した通り、IPO銘柄は新たに株式市場に上場したばかりの銘柄です。そのため、まだまだ市場の評価は定まっておらず、価格が大きく変動する可能性があります。この変動を利用し、利益を得ることがセカンダリー投資の目的です。
セカンダリーとプライマリーの関係
IPO取引の方法はセカンダリーのみではありません。もうひとつがプライマリー・マーケットです。続いてはプライマリー・マーケットとは何なのか詳しくご紹介します。
プライマリー・マーケットとは?
プライマリー・マーケットとは、新たに発行された株式を直接企業から購入する市場のことを指します。先ほどご紹介した「公募」と「売り出し」のうち、公募を使って買うことになります。個人投資家がプライマリー・マーケットでIPO銘柄を購入するためには、株式上場前段階で行われる公募の抽選に当選する必要があります。
プライマリー・マーケットの特徴
プライマリー・マーケットの特徴は、IPO銘柄を公募価格で購入する点にあります。また、公募に対して当選しなければそもそも買えませんので、セカンダリー・マーケットと比較すると参入のハードルはやや高くなります。
プライマリー・マーケットのメリット
プライマリー・マーケットのメリットは、セカンダリー・マーケットと比較するとより安くIPO銘柄を購入できる可能性があるという点です。IPO銘柄がセカンダリー・マーケットに出てる前段階で、値付けられるために、いざ上場した後に価値が急騰する可能性があります。
プライマリー・マーケットとセカンダリー・マーケットの違い
プライマリー・マーケットは企業から直接株式を買う形式であるのに対して、セカンダリー・マーケットは売りに出された株式を株式市場で買う形式になります。
価格については、プライマリー・マーケットは公募価格であるのに対して、セカンダリー・マーケットは株式市場における価格になります。同じIPO銘柄の取り引きであってもプライマリー・マーケットとセカンダリー・マーケットにはこのように大きな違いがありますので、しっかりと頭に入れておくようにしましょう。
セカンダリー・マーケットで取り引きを行う際の注意点
これからセカンダリー・マーケットでの取り引きをしていきたいと考えている方も多いでしょう。先述の通り、IPOセカンダリー投資には、それならではのメリットがありますが、そこばかりを注目していては思わぬリスクを背負うことになります。ここでは、最後にセカンダリー・マーケットで取り引きを行う際の注意点をご紹介します。
短期間で大きな損失を出してしまうリスクがある
IPOセカンダリー投資におけるメリットを紹介した際にも触れましたが、IPO銘柄は評価が安定していないこともあり、短期間で大きく値動きする可能性があります。だからこそ、短期間でも大きな利益を得られる可能性がある一方で、逆に大きな損失を出してしまうリスクもあります。
もちろん、評価が安定していない分、すぐに利益を出すことができず、短期的には大きく下落してしまっても、長期的に保有することによって将来的には利益を出せる可能性もあります。
値動きの激しい銘柄に注意
IPOセカンダリー投資においては、上場直後の値動きを利用して「初値で購入」し、「値段が高まったら売却する」というケースが多いです。
ただし、値動きが激しい銘柄は、利益を出せる可能性が高い一方で、当然損失を出してしまう可能性も高くなります。長期的に株式を保有する前提でなければ、ギャンブル的な要素が強く、リスクも高くなってしまいますので、より慎重になりましょう。
下落しやすい銘柄の特徴は?
下落しやすい銘柄については一概に言えません。ただ、できるだけ近い過去の実績からどのような業種が高騰しているのか、あるいは下落しているのかを分析することによってある程度見極めることができるでしょう。
もちろん、業種全体が下落傾向にあっても、特定の銘柄だけが高騰するというケースもあります。しかし、その読みは決して簡単ではありませんので、あまり自信がないのであれば、下落傾向にある業種の銘柄には手を出さないようにするのが無難です。
市場は常に変動しており、下落傾向にある業界・銘柄においても、将来的に上昇傾向に転じる可能性は大いにあります。一方で、短期的な取り引きで逆転を予測するのは難しいため、「長期的」「短期的」双方の視点を持つようにするとよいでしょう。
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投資の世界ではさまざまな専門用語が使われますので、とっつきにくいと感じてしまう方も多いでしょう。しかし、その意味をしっかりと理解することができれば、確実に投資に活かすことができます。
今回ご紹介したIPOセカンダリー投資やセカンダリー・マーケットもそんな専門用語のひとつです。しっかりと頭に入れて、理解しておくようにしましょう。