東京国立博物館、国立文化財機構文化財活用センターと凸版印刷は、バーチャルSNS「cluster」内に「バーチャル東京国立博物館(以下、バーチャルトーハク)」を開設。バーチャルトーハクを会場として、アニメーション映画『時をかける少女』(2006年)のスタジオ地図・細田守監督とのコラボレーション企画となるバーチャル特別展「アノニマス―逸名の名画―」を開催する。

会期は2020年12月19日~2021年2月28日まで。入場料は税込290円だが、細田守監督登壇のトークセッションとの共通チケットなど購入方法が複数あり、価格が変動する。

  • バーチャル特別展「アノニマス―逸名の名画―」

    バーチャル特別展「アノニマス―逸名の名画―」

バーチャルトーハクは、東京国立博物館の一部を、バーチャルSNS「cluster」の空間内にCGで再現したもの。そこを会場として、「時をかける少女」劇中シーンのために企画された特別展「アノニマス―逸名の名画―」を実施する。

  • バーチャルトーハク館内(中央はバーチャル特別展「アノニマス ―逸名の名画―」展示を行っている状態)。
    東京国立博物館を象徴する大階段など、内装をリアルに再現した

「アノニマス―逸名の名画―」は、『時をかける少女』に登場し、ストーリーの鍵となった展覧会。東京国立博物館の松嶋雅人研究員の監修のもと、架空の美術作品「白梅ニ椿菊図」を中心に、作者が不明とされながらも、名品として脈々と受け継がれてきた作品を集めた企画展として作中で描かれた。

今回、バーチャル上でその展覧会を再現。国宝「孔雀明王像」や「玄奘三蔵像」(いずれも東京国立博物館蔵)など、映画では全容が明らかにされていない展示内容をバーチャルトーハクで公開する。ユーザーはバーチャル空間内を自由に歩き回って作品を鑑賞できる。

  • 『時をかける少女』での展覧会の描写

    『時をかける少女』での展覧会の描写

  • バーチャル特別展「アノニマス ―逸名の名画―」(イメージ)

    バーチャル特別展「アノニマス ―逸名の名画―」(イメージ)

展示される作品(一部)

  • 『時をかける少女 」のストーリーの鍵となる架空の美術作品「白梅ニ椿菊図」

    『時をかける少女』のストーリーの鍵となる架空の美術作品「白梅ニ椿菊図」

  • 「孔雀明王像」(東京国立博物館蔵)

    「孔雀明王像」(東京国立博物館蔵)

  • 「玄奘三蔵像」(東京国立博物館蔵)

    「玄奘三蔵像」(東京国立博物館蔵)

公開前日の12月18日 19:00~20:30には、バーチャル特別展の会場内で、トークイベント「時をかける日本美術」を開催。細田守監督と東京国立博物館の松嶋雅人研究員がclusterアバターで登場し、『時をかける少女』をはじめとする現代アニメーションと日本美術の関係についてトークセッションを行う。

参加費は税込1,100円だが、バーチャル特別展との共通チケットなど複数の購入方法があり、価格は変動する。詳細は特設Webサイトを参照のこと。定員は5,000名で、予定数に達し次第販売を終了する。トークライブのアーカイブ動画は、ニコニコ動画の特設チャンネルで、2020年12月下旬に公開予定。