ホンダは電気自動車「ホンダe」(Honda e)を使った新たな取り組み「自分らしい働き方 with Honda e」を鎌倉で実施する。新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークを採用する企業が増える中、鎌倉に試しに住んでみる「試住」(しじゅう)を希望する人にホンダeを無償で提供し、新しい働き方とクルマの親和性を体感してもらおうというプロジェクトだ。
「ホンダe」はリモートワークに最適?
まず、プロジェクトの概要を押さえておきたい。ホンダは稲村ガ崎(神奈川県鎌倉市)でアパート1室とホンダeを希望者に貸し出す。期間は11月16日から12月25日まで。対象となるのは鎌倉市への移住検討者で、参加者は移住スカウトサービス「SMOUT」(スマウト)で募集中だ。宿泊費とホンダeのレンタル代は無料。1回の宿泊期間は3~5日間の想定だが、臨機応変に対応するとしている。試住に関心を示している人数は、11月16日の夜にSMOUTを見たところ120人に達している。
ホンダeは「シームレスライフクリエーター」というコンセプトで開発されたクルマだ。生活、仕事、趣味が切れ目なくつながる暮らしを、どうやったら作り出せるのかという視点である。ホンダは今回の試住を通じ、「クルマが移動手段という枠を超え、新しい働き方とシームレスにつながる体験」をしてもらいたいとしている。ホンダeの内装は木のテーブルのようなインパネにソファーを思わせるシートを備えていて、リビングのような雰囲気がある。リモートワークの仕事部屋として使うのにもぴったりのクルマなのだ。
未来の社会では、こういうクルマが当たり前に走っているのでは。そう考えて作ったホンダeを、1人でも多くの人に体感してもらいたいというのがホンダの思いだ。ホンダeの日本における販売目標台数は年間1,000台(2020年度)で、第1期オーダー(数百台)はあっという間に売り切れたそうなので、欲しくても入手困難であり、街で見かける機会も多くなさそうというのが実際のところではあるのだが、こうした取り組みを通じ、ホンダeと世間との間に少しでも多くの接点を作りたいとホンダは考えているらしい。
ちなみに、ホンダは現在、ホンダeの第2期オーダー分(数百台)で注文を受付中。受注は好調とのことだから、早晩、売り切れてしまうのではないかと想像できる。今年度の受注は第2期で終わりではないそうだが、鎌倉で実車を見るなどして欲しくなった人は、続報に十分な注意を払っておく必要があるだろう。