JR九州は18日、交通環境改善を目的とした折尾地区総合整備事業にともない、1916(大正5)年に建設された旧折尾駅舎の外観を可能な限り再現した新駅舎を2021年1月2日の始発列車から使用開始すると発表した。
折尾駅は1891(明治24)年に開業し、かつては鹿児島本線と筑豊本線が十字に交差する立体交差駅で、筑豊炭田と若松港を結ぶ石炭の要衝としてにぎわっていた。
新駅舎のデザインは、地域の人々の要望を受け、北九州市とJR九州が連携して検討を進め、2012年10月に公表した「折尾駅舎の保全・活用に向けた基本的な考え方」に沿って整備。構造や部材などの調査を行い、歴史資料とともに記録を整理・保存すること、大正5年当時の駅舎の外観を可能な限り再現すること、駅舎のシンボル的な部材については保存・復元を基本とすることが方針となっている。
新駅舎の完成に合わせ、鹿児島本線のホームの位置が変わるため、2021年1月1日の夜に大規模な切替工事を実施。運休列車が発生するとともに、臨時列車の運転が行われる。
折尾駅の新駅舎への切替えにより、新駅舎内の改札口が1カ所となり、北口・東口・西口のきっぷうりばと改札は廃止される。鹿児島本線は新ホーム(4・5番のりば)の使用を開始し、新駅舎完成にともない鹿児島本線・福北ゆたか線・若松線の乗換えが短縮される。鹿児島本線のホームにエスカレーターも設置される。
なお、現在の北口(仮駅舎)裏に新駅舎を設けるため、駅への入出場や鷹見口までの動線の確認を呼びかけている。今後のスケジュールとしては、2021年1月に新駅舎の使用を開始し、2021年度に折尾駅の全線高架化が完了する予定。2022年度に北口駅前広場が完成予定。2024年度に南口駅前広場が完成予定となっている。