「あの俳優の名前、何だっけ」。「あれ、何をしようとしたんだっけ」。

誰しもが一度は経験したことがある「ど忘れ」。日常生活で頻繁に起こるようになると、少々不安ですし、何よりモヤモヤしてしまい、決して心地の良いものではありませんよね。

本記事では、ど忘れの原因と予防策、ど忘れした時の記憶のたどり方について紹介します。どれもが習慣にできるような簡単なものであるため、ぜひ参考にしてみてください。

  • システム手帳に書き込み

    ど忘れを防ぐなら、メモを習慣にしましょう

ど忘れをしてしまう理由

人は20歳ころから神経細胞が次第に減少していき、それに伴い記憶能力は徐々に低下していきます。しかし、ど忘れは決して高齢者にのみ起こることではなく、若いうちからも起こります。それはなぜなのでしょうか?

不規則な生活習慣

不規則な生活を繰り返していると体のリズムが崩れてしまいがちです。特に、運動不足や睡眠不足が蓄積すると記憶力が衰え、ど忘れやうっかりミスが発生しやすい状態になります。

睡眠時間をしっかりと確保することで、睡眠不足を解消しましょう。また、通勤の際にエスカレーターではなく階段を利用するだけで軽い運動をすることができます。運動を習慣づけすることで脳の血流が良くなり、記憶力が改善します。

脳の疲れ

ストレスが溜まっていたり、考え事が頭を離れなかったりすると、頭の休む時間が減ってしまい、ど忘れが起きやすくなります。

脳の疲れを改善するために、ストレスを解消し、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。仕事の関係で睡眠時間を増やすことが難しいようであれば、短い昼寝をするようにしましょう。長すぎる昼寝はかえって夜の睡眠を邪魔するため、30分程度の短い時間で構いません。それだけで頭を休めることができます。

昼寝の効果を高めるためには、昼寝前にカフェインを摂取することがおすすめです。カフェインが脳に作用するピークは、摂取後20~30分後なので、コーヒーを飲んでから20分仮眠をとり、そこで目覚めれば脳の活動レベルが高い状態で仕事に戻ることができます。この仮眠方法は「コーヒーナップ」とも呼ばれています。

タスクの優先度をつけられていない

さまざまな作業を同時並行で行っていると、一つひとつの作業への注意が散漫になり、ど忘れしてしまうことがあります。

例えば、料理中の空き時間に洗濯をしたり、テレビを観て休憩したりしていると、料理中であることを忘れて、火がつきっぱなしになっていたーーといったケースです。これは、いくつも思い浮かぶ「やりたいこと」「やらなければいけないこと」に優先順位を付けていないことにより起きたど忘れと言えます。これを防ぐには、やるべきことをすべてメモに書き出して、優先順位を付けるといいでしょう。

  • 砂浜で座っている女性

    ど忘れしてしまう理由を考えましょう

ど忘れを予防するための方法

ど忘れが多くなることや、一度に記憶できる量が年齢と共に減ってゆくのを、防ぐにはどうすればいいでしょうか。普段から脳トレゲームをしたり、手先を使った趣味をしたり、運動したり、新しいことにチャレンジしたり、友達とおしゃべりしたりと、脳活性化の努力ももちろん必要になるでしょう。脳トレと並行して積極的に、ど忘れしてしまうのを防ぐ方法を活用しましょう。

メモを取る

とてもシンプルな方法ですが、習慣にすればとても有効な方法です。ノートやメモ、ボイスメモを使って思いついたことや、やること、買い物リストなどをメモしておくと良いでしょう。買い物リストをつくると、買い物に行く前にしなければならないことを片付けて、やっとスーパーについたら買い物するものを忘れていたということもなくなるでしょう。

周りの人を頼る

人の記憶には限界があります。忘れてはいけない用事がある際には、事前に家族や、同僚、上司に協力をお願いしておくと、ど忘れをした時にフォローしてもらえます。

記憶する方法を変える

記憶をたどるのを簡単にするには、整理しておくことが重要です。例えば、書類をただバラバラに置いておいても見つけることは難しいでしょう。けれど系統立てて整理し、検索しやすいようにすれば、簡単に見つけることができます。

新しい知識を覚えるときも、ただバラバラに単語帳で丸暗記するよりも系統立てて表にする、理屈から覚える、といった工夫をすると良いでしょう。さらに道具や本も置き場所を決めて整理して置きましょう。

  • ビーチで逆立ちしている男性

    ど忘れの予防法を知りましょう

ど忘れした時に記憶をたどる方法

学生の頃は丸暗記できたが、大人になると難しくなってしまったという方も多いでしょう。それは学校の授業でのインプット、試験でのアウトプットが頻繁に行われていたためです。ここからは、ど忘れ対策として記憶のたどりかたをご紹介しましょう。

周辺の情報をたどる

物事を思い出すには、視野を広げて広範囲から絞っていき、徐々に核心に迫ってゆくと謎解きのように解明されていきます。例えば、失くしものを探すときは、最後に見た時と場所を思い出します(A地点)。そしてどこで失くしたことに気づいたのか思い出し(B地点)、A地点からB地点間で寄った場所から探していくと良いでしょう。

イメージを思い浮かべる

ど忘れすると焦ってしまいがちですが、一度冷静になり、落ち着いて順を追っていけば思い出せることがあります。

覚えたいことがあった際には、思い出す際のヒントになるような“フック”を付けておくといいでしょう。例えば、人の名前をすぐにど忘れしてしまう方は、名前から連想させるもの(似た名前の俳優、似た名前の動物など)をイメージしておくのがおすすめです。

焦らない

どんなにど忘れがひどく感じても、「病気だ」と焦りすぎる必要はありません。

ど忘れと認知症は違います。認知症は過去の体験そのものが抜け落ちているため、最近出会った方の名前を忘れたのではなく、その方に会ったこと自体が記憶にありません。思い出せなくても頭の中にあり、ヒントやフックがあれば思い出せることを、ど忘れと言います。緊張すると余計に頭が働かなくなるため、落ち着いて考えることが必要でしょう。

  • 教科書を読みながら考えあぐねている女の子

    ど忘れした時には記憶をたどりましょう

ど忘れをしないための方法を知ろう

ど忘れを予防する方法として、睡眠不足や運動不足を解消する体調管理の方法と、道具を使って記録する方法、情報を整理する方法などをご紹介しました。また、ひとつの仕事に集中することや、焦りによる見落としの予防のために、確認をする時間を設けるという方法もあります。ど忘れ予防策を習慣にし、上手に思い出す癖を付けましょう。