両者4勝0敗。勝者は最低でもプレーオフ進出が決まる

第70期王将戦挑戦者決定リーグ(主催:スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社)の6回戦、▲永瀬拓矢王座(4勝0敗)-△豊島将之竜王(4勝0敗)が11月17日に東京・将棋会館で行われています。勝者が渡辺明王将(名人・棋王)への挑戦権獲得に大きく近づく、まさに天王山の戦いです。

両者の過去の対戦成績は6勝6敗2持将棋と互角。今年の6月から9月にかけて両者で行われた第5期叡王戦七番勝負は、1千日手2持将棋の大激戦。番勝負史上初の第9局を制した豊島将之竜王が4勝3敗2持将棋のフルセットで叡王を奪取しました。

本局を制すると、たとえ最終局で敗れてもプレーオフに進出することができます。敗れると挑戦権獲得は他力になるのはもちろんですが、リーグ内順位が5位と最下位の永瀬王座は条件が苦しくなります。羽生善治九段が本日行われている木村一基九段戦で勝利した場合、その時点で挑戦の目がなくなってしまうのです。

なぜなら王将リーグのプレーオフは、順位上位2名の棋士によって行われるため。豊島竜王は2位、羽生九段は3位のため、5位の永瀬王座は頭ハネを喫することになります。

注目の一戦は矢倉の将棋から、脇システムと呼ばれる戦型になりました。この戦型は先手の攻め、後手の受けという構図がはっきりしているのが特徴。本局も永瀬王座の攻めを豊島竜王が受け止められるかという展開になっています。

途中叡王戦第3局で両者が指した局面が出現しましたが、豊島竜王が手を変えて前例を離れました。叡王戦第3局の結果は持将棋。本局は果たしてどうなるでしょうか。

ここまで全勝の豊島竜王(左)と永瀬王座。写真は叡王戦第9局のもの
ここまで全勝の豊島竜王(左)と永瀬王座。写真は叡王戦第9局のもの