みなさんは、誰かと別れるときに何と言いますか?「またね」「じゃあね」「バイバイ」「さようなら」…。実は今、「さようなら」という言葉についてつぶやいた蝸牛さん(@denden_fish)の投稿がツイッターで注目を浴びています。
さようなら、という言葉をまったく使わなくなったことに驚く。職場での挨拶は「お先に失礼します」か「お疲れさまでした」だし、友人と別れる時は「またね」である。僕たちの生活は、さようならという挨拶を、異様な緊張を孕んだ言葉に変えた。僕が最後にこの言葉を呟いたのは、母の告別式でだった。
(@denden_fishより引用)
なんとも深いツイートですね。この投稿を読んだ人からは、「さようならって確かに重い感あるな」「さようなら=永遠のわかれ」「決定的な別れの言葉」「サヨウナラってかなり強い意味の別れの言葉だと思っていて、もう二度と会えない気がしてしまうから生きてる人に自分からは使いたくない言葉になったな」と、共感の声が。
一方、「さようなら」をよく使う場面としては、学校や塾・習い事といった教育現場や、「またね」と言えるほど親しくはないご近所さんや親御さん同士の間で使うことが多いよう。中でも、学校の帰りの会で「先生さようなら、皆さんさようなら」と言っていたことを思い出した人が多く、それを最後に「さようなら」を使うことがなくなったという人もいました。
「さようならを言わなくなった」というご指摘、言われてみればそうかもしれませんね。確かに、今生の別れというイメージがあります。皆さんは、いつ「さようなら」と言いましたか?今どきは、SNSなどもあり人間関係が切れづらいので、「さよなら」の持つ意味合いが変化しているように思います。
蝸牛さんに、このような発想に至ったきっかけを聞いたところ、蝸牛さんが最後にさようならを言ったのは母親の告別式だと書かれていますが、実はその後でもう一度、さようならを言う機会があったそうです。
それは、蝸牛さんが職場から帰宅しようとしたときのこと。別の部署の若い人に「お疲れさまでした」と声をかけられ、彼も帰る途中だったために「お先に失礼します」とも言えず、また、よく知らない職員だったこともあり、とっさに「ああ、さようなら」と言ったのだとか。そしてそう口にした時、何か場違いな、厳粛な言葉を呟いた気がしてハッとしたそうです。
また、この時の自分の言動について、「亡くなった母の納骨を終えて、まだあまり時間が経っていなかったからかもしれませんが、肉親を失う寂しさと、さようならという言葉が、分かちがたく結びついてしまっていたのだと思います」と話していました。
最後に、今回のツイートが大きな反響を生んでいることについて聞くと、「SNSでは嫌な思いをしたりさせたり、といったことがしばしばありますが、この話題に関しては、うかがった意見は楽しいものばかりでした」と蝸牛さん。「ゴミ出しする時に“さようなら”と言う」というコメントには声を出して笑ってしまったそうで、また、小学校の先生や親御さん同士の間では「さようなら」はよく使われるとの指摘に、深く頷いたそうです。
「僕は日本という国の日常から、さようならという言葉が次第に消えていくかのように思ったのですが、それは僕が属するごく小さなコミュニティの中だけでの話にすぎません。そんな当然のことに目を開かされ、僕はこのツイートをしてよかったと思いました。自分の言葉が1回リツイートされるたびに、小さなコミュニティを1つ越境するのだな、と考え、暖かい気持ちになりました」と話していました。皆さんは、「さようなら」使いますか?
さようなら、という言葉をまったく使わなくなったことに驚く。職場での挨拶は「お先に失礼します」か「お疲れさまでした」だし、友人と別れる時は「またね」である。僕たちの生活は、さようならという挨拶を、異様な緊張を孕んだ言葉に変えた。僕が最後にこの言葉を呟いたのは、母の告別式でだった。
— 蝸牛 (@denden_fish) November 6, 2020