フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、心臓移植を待つ2組の夫婦とその家族を追った『私、生きてもいいですか ~心臓移植を待つ夫婦の1000日~』を、15日・22日に2週連続で放送する。

  • ケーブルが皮膚を貫通する「刺入部」を消毒する容子さん=フジテレビ提供

関東地方のとある病院で、元料理人のクマさん(当時41)が、人生を賭けた大手術に向かおうとしていた。その彼を見送るのは、大学生と高校生の子供を持つ、容子さん(当時51)。2人は、くしくも同じ病院で同じ病と闘いながら、ともに心臓移植を待つ“戦友”だ。

2人が闘う「拡張型心筋症」は心臓が肥大し、血液を送り出す心臓のポンプ機能が低下してしまう原因不明の難病。悪化すれば、心臓移植しか助かる道はない。

しかし、日本はドナーの数が海外に比べるとケタ違いに少なく、国内で行われる心臓移植は年間50~80例程度。それに対し、移植を待つのは886人(20年10月末時点)で、多くの患者が移植までたどり着けずに亡くなってしまう現状がある。生きるために、容子さんとクマさんは、体に補助人工心臓(VAD)を埋め込み、いつ来るかわからない移植を待ち続けている。

病は2人の人生を大きく変えてしまった。容子さんは、愛する子供たちと離れて暮らすことになり、「自分は人が亡くなるのを待っているのか? 人の心臓をもらって生きる価値が自分にあるのか?」と思い悩む。

クマさんは仕事をクビになり、妻の友子さんのアルバイト代に頼って生活することにふがいなさを感じていた。そんな中、ケーブルの入り口から入った細菌がクマさんの体をジワジワとむしばんでいく…。

心臓移植の待機患者とその家族の、生きることへの“渇望”と心の“揺らぎ”を追った3年間の記録。『ザ・ノンフィクション』の“熱血和尚”シリーズで、「2020年日本民間放送連盟賞【番組部門】テレビ教養番組最優秀賞」「第57回ギャラクシー賞奨励賞」「ニューヨークフェスティバル2020 ドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞、国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞」「第36回ATP賞テレビグランプリ」と国内外の各賞を受賞したバンエイト・八木里美ディレクターの取材を、女優・吉田羊のナレーションで追っていく。

  • 容子さん(左)とクマさん=同

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