「よく落ち込んでしまう」という方には、共通する思考パターンがあります。落ち込んでネガティブな感情が強くなっている状態では、人との接し方や仕事への取り組み方が悪い方向に変わってしまうもの。落ち込みやすい人は、まずはその原因を把握し、正しく処理できるようにしましょう。
本記事では、落ち込むときに見られる原因や思考パターン、対処法を紹介します。
落ち込んでしまう原因は?
ここでは、仕事で落ち込んでしまう原因を紹介します。
目標に到達できないとき
仕事では、将来の夢や目標に向かって努力を積み重ねることも重要です。しかし、その設定した夢や目標のハードルが高すぎると、どれだけ努力を積み重ねても夢や目標の達成に近づいているという実感が得られません。
そのため、努力をしても夢や目標に到達できない歯がゆさを感じたり、達成できないことで自己評価を落としたりなどで、落ち込んでしまいます。
人前で失態を晒してしまったとき
人前で意図しない失態を晒してしまうと、誰でも気分が落ち込んでしまいます。気持ちの切り替えが早い方は、その失態を気にしないようにしたり、同じ失態を繰り返さないように学んだりできますが、気持ちを切り替えることができず、そのときのことを思い出すたびに、ネガティブな感情を持ってしまう方もいます。いつまでも立ち直ることができず、何度も落ち込んでしまうことになるでしょう。
人が落ち込む理由・心理的なメカニズム
目標に到達できないことやミスをしたことといった出来事に対して、まずは脳がそれを「認知」します。このときに脳がそれをネガティブなことだと認知すると、ネガティブな認知が今度は落ち込むという「感情」を引き起こし、さらには深く考え込むという「行動」を引き起こします。また、考え込みすぎることで眠れなくなるといった、身体への影響が出る恐れもあります。
身体の不調は、さらなるネガティブな認知や行動を引き起こすなどの悪循環を生むため、なかなか落ち込んだ気分から立ち直れない状態が続いてしまうのです。
落ち込みやすい人にありがちな思考パターン
うまく気持ちの切り替えができなくて落ち込んでしまう方も多いでしょう。
両極端に考えてしまう
落ち込みやすい方は目標を達成できるか、できないかの両極端の考えをすることが多いです。このような、物事を勝ち負け・白黒・0か100などの両極端な考えを持つ方は、成功と失敗の間の評価がなく、妥協点を見つけることができません。
そのため、自分の思うようにならなかった場合に自己評価を落としてしまいやすく、自己評価を落とすことで落ち込みやすくなってしまいます。
先を読み過ぎる
いろいろと深く考えすぎることが落ち込む原因となってしまうことがあります。自分と他人を比較して優劣を判断してしまい、これをすると相手が傷ついてしまうかもしれない、これを言うと印象が悪くなる可能性があるなど、先のことを考え過ぎてしまいます。
それにより、不要なプレッシャーを感じたり、気疲れを起こしてしまったりするでしょう。これらはネガティブな感情を強めることがあり、落ち込む原因となる場合もあります。
落ち込みやすい人と落ち込みにくい人の違い
人が落ち込む心理的なメカニズムでは「認知」が重要な要素です。落ち込みやすい人と落ち込みにくい人では、ミスなどの出来事に対する「認知」に違いがあります。
落ち込みやすい人はミス、失敗などの出来事に対して「自分はだめだ」などとネガティブに受け止めますが、落ち込みにくい人はミスや失敗などの出来事に対して「次は気をつけよう」とポジティブに受け止めます。
人が落ち込む心理的なメカニズムの出発点はネガティブな認知にありました。そのため、このようにある出来事に対して、ポジティブな受け止め方(認知)をする人は落ち込みにくく、ネガティブな受け止め方(認知)をする人は落ち込みやすい傾向があるのです。
気持ちが落ち込むときの対処方法
気分が落ち込んでしまうと、ネガティブな感情が強くなってしまい、仕事に影響が出てしまうこともあります。そのため、気分が落ち込んだ場合には原因を把握して、正しく対処する必要があります。
深呼吸をする
普段無意識に行っている呼吸ですが、心身の状態に深く関わる自律神経を整える働きがあります。
深呼吸を行うことで、全身に酸素が行きわたりスッキリしたり、副交感神経の働きによりリラックスできるなどの効果があります。
気分が落ち込んだときには、深呼吸などの自律神経を整える呼吸法で、まずは心を落ち着かせましょう。
気分転換をする
落ち込みやすい原因が心身の疲弊によるストレスの場合は、そのストレスを発散することで落ち込みを和らげることができます。
人によって適したストレスの発散方法は異なります。映画やドラマを観たり、読書をしたり、スポーツで体を動かしたりなど、自分が没頭できるものを見つけましょう。適度な気分転換は気分が落ち込むことの予防になります。
誰かに話を聞いてもらう・相談する
気分が落ち込んでしまったときは、ネガティブな感情が強くなってしまっているため、1人では解決できない場合もあります。
その場合は、無理に自分だけで解決しようとせずに、誰かに悩みを聞いてもらうようにしましょう。誰かに相談をすることで、気分が落ち込んでしまう状況を改善できるヒントが見つかることもあります。もし、改善ができなくても、話をするだけでも気分が楽になるでしょう。
メモに書き出し、ポジティブな認知に変換する
人が落ち込む心理的なメカニズムは認知から始まります。そこでまずは自分の認知を知りましょう。
起こった出来事、それに対して自分がどう受け止めたか(認知)を書き出したうえで、ネガティブな認知のポジティブ変換を考えてみましょう。
自分なりの落ち込んだときの立ち直り方・解消法を知っておこう
よく気分が落ち込んでしまうという方には、共通する思考パターンがあるケースが多いです。落ち込んだ状態ではネガティブな感情が強くなり、仕事に影響が出てしまう可能性もあります。よく落ち込むことがあるという方はその原因と対処法を把握し、なるべく早く正しい対処をするようにしましょう。