「シーン検出」は、iPhone 12(Pro/Pro Max/mini含む)に追加されたカメラのインテリジェント機能です。『設定』→「カメラ」の順に画面を開き、「シーン検出」スイッチをオンにしておくと、静止画撮影時にどのような被写体かを判定し、最適な仕上がりになるよう自動調整してくれます。
このシーン検出機能は、iPhone 12シリーズに搭載されているSoC「A14 Bonic」と関係があります。Appleという会社はハードウェアとソフトウェアを一元的に開発する傾向が強く、カメラ機能もその風土と無縁ではありません。A14 Bonicの高い演算性能を生かし、コンピュータによって処理・生成された写真を意味する「コンピュテーショナルフォトグラフィー」を実現しているというわけです。
iPhone 12シリーズのカメラは、機械学習により髪や肌、建物や植物、背景や前景といった要素に被写体を分割、それぞれに最適な処理を施すことができます。分割したパーツごとに露出やコントラストなどの調整を行い、組み合わせることで1枚の写真を生成しますが、そのためにはどのような被写体なのか見分けるシーン検出が重要な役割を果たします。
なお、iPhone 12シリーズのカメラには、露出が異なる複数の写真を撮影し機械学習の力でベストな1枚を合成する「スマートHDR 3」という機能も装備されています。iPhone 12シリーズの技術仕様に「シーン検出に対応するスマートHDR 3」という表現もあることから、HDR写真の撮影にもシーン検出の機能が生かされていると考えていいでしょう。